私は想いのすべてを打ち明けようとした。
だけど、最後まで言おうとしたそのとき……遮るように半助さんに抱きしめられていた。

「空……好きだ」

ずっとずっと聞きたかったその言葉。
何度も夢想したことが実現した瞬間、目の奥に熱が集まって、瞳がじんわりと濡れていた。

半助さんのやさしい眼差しを受けながら、私は最も伝えたかった言葉を口にした。

「半助さん……私も……好きだったの、ずっと……」


＊＊＊


半助さんが涙を拭ってくれた後、私たちは静かに唇を重ね合った。
触れるだけのやさしいキス……。
だけど、身体が甘く痺れてしまう。

唇を離して目を開けたとき、半助さんの顔があった。
瞳に私が映っている。

私だけが。

そう思った瞬間、もう自分の身体を支えきれないほど力が抜けて半助さんに寄りかかっていた。

逞しくて温かいその身体。
ずっと飛び込みたかったその胸からは心臓の音がハッキリと聞こえてくる。
でも、その鼓動が驚くほど激しくて、つい口元がほころんでしまう。

ふと見上げると、半助さんはやさしく微笑んでいる。
陽だまりのように温かいその笑みが、あまりに素敵で……。
夢見心地のまま、見つめ返すことしかできなかった。

「空……顔、真っ赤だ」

半助さんが少しだけ意地悪っぽく言う。
顔が赤いのはお互い様。
でも、そう言い返す前にもう一度抱きしめられてしまった。
さっきよりも、ずっと強く。