27.5 それぞれの夜
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空と半助が初デートした日の夜のこと。
空は女子風呂にいた。
広々とした湯船に一人で浸かっている。
誰もおらず、貸し切り状態だった。
(今日は楽しかったけど色んなことがあって疲れたな……こんな日はゆっくり湯船に浸かるのが一番……)
少し熱めの湯が気持ちよく、血行が良くなり空の顔が上気する。
そんな時、浴室の戸がガラガラっと音を立てて開いた。
「あら、空ちゃん!」
「珍しいこともあるわね。今一人なの?」
「食堂のおばちゃん!山本シナ先生!」
普段入浴の時間がバラバラな三人。
こんなところで居合わせるとは思わなんだ、とそれぞれ目をパチクリさせて驚いている。
「いま空ちゃん一人じゃなら、都合がいいじゃない!明日でもよかったけど、早速今日のデートの話を聞かせてもらおうかしら!」
「ウフフ……出発してからずっと気になってたんだから、私とおばちゃん!」
まるで極上の獲物を見つけたかのような捕食者の目つきで、おばちゃんとシナが空を見ている。
「は、はい」
というわけで、女三人という字義にもあった姦しい裸のお付き合いがスタートした。
湯船に浸かりながら話を聞いた食堂のおばちゃんとシナは最初はウンウンと頷いていたが、話の後半に北石や牧之介、それから不良の話が出てくるにつれ、何だかなぁ……という顔になっていた。
「空ちゃん……。中々忘れられない初デートになったわね」
「牧之介や不良たちに絡まれて……土井先生も大変ね」
「でも、不良たちをやっつける土井先生カッコよかったです!」
空は顔を輝かせてそう言った。
(デレているわね)
(デレているわね)
食堂のおばちゃんとシナは全く同じ感想を抱くのだった。
「ねぇねぇ、空さん。市でお買い物したんでしょ?何買ったの?」
「あ、それは……櫛を買いました」
「もちろん、土井先生が買ってくれたのよね?」
念を押すようなおばちゃんの質問に、空は頬を染めながら頷いた。
(んま!でかしたわ、半助!ご褒美に明日の小鉢は竹輪を抜いてあげようかしら!)
(やーん、やっぱり男女のくっつこうとする過程はいつ見ても楽しいわねぇ!土井先生も隅に置けないじゃない!)
デートを裏方からサポートした二人としては、ある種報われた思いであり感無量となっていた。
しかし、食堂のおばちゃんはどこか物足りない様子である。
まだ何か隠していることがあるのではないかと空に詰め寄っていく。
「他には?」
「えっ?」
ジト目のおばちゃんの顔が空の目前まで近づく。
なんとも言えない圧がある。
「他には……、てそれだけですよ」
「接吻はなかったの!?接吻は!」
「せっぷん、せっぷん……。2月3日の豆まきのことですか?」
「そりゃ、節分」
「えーっと……。じゃあ、武士が腹を切って死ぬこと」
「そりゃ、切腹……って違うわよ、空ちゃん!接吻よ、接吻。口付けのことよ!」
空は一瞬頭が真っ白になるが、おばちゃんの言ったことを理解するやいなや、その刺激的すぎる言葉にカァッと頭に血がのぼっていく。
「あ、あ、あ、あ、あるわけないじゃないですか!?ま、まだ、気持ちも伝えてないのに……口付けだなんて、そんな、そんな!」
混乱と興奮が頂点に達したような、動揺丸出しの空は湯船から立ち上がり叫んでいた。
「んもう!食堂のおばちゃん、気が早すぎ!また伝子さんに窘められちゃいますよ」
「そう?でも、最近の若い子は告白すっ飛ばして先に進むって聞くから……」
「……」
誰がそんな内容をおばちゃんに話したんだ、と二人は心の中でツッコミを入れるのだった。
ふと、シナの目がある一点に集中する。
「それにしても……空さん、なかなか形のいい胸してない?」
「え!?」
シナにまじまじと胸を凝視され、次第に羞恥を感じはじめた空は慌てて前を隠し、ふたたび湯の中に身を沈めた。
「形がいいかどうか自分じゃわからないですが……大きさは普通ですよ。私のサイズってすっごく平均的みたいだし……それに引き換え、二人とも胸とても大きくて、形も綺麗で羨ましいです……」
湯船から顔だけ出した空は二人の胸を交互に見やり、羨望の眼差しを向けている。
「まあ、持って生まれたものもあるからね。ねぇ、おばちゃん!」
「そうね」
おばちゃんもシナもプロポーションに自信があるのか満更でもなく、ほんのちょっと気取ったポーズを取った。
ちなみにおばちゃんは胸だけでなくお腹もダイナマイトなのだが、ここでは敢えて触れないでおこう。
羨ましがる空に対し、シナが得意気に言った。
「でも、胸なんて後で大きくすることもできるわよ」
「そうよ、空ちゃん。シナ先生の言う通りよ。私もある方法を知ってるわ」
「え?どうやってですか!?」
興味津々の空に、おばちゃんとシナが全く同じことを空の左右の耳からそれぞれ耳打ちした。
プシュー
その内容はここでは書き表せないほどのとんでもないものだった。
聞き終わった空はというと、沸騰したヤカンのように顔から湯気を出している。
「な、な、な、何言ってるんですか!?ふざけないでください!」
たまらず、空は二人を一喝した。
あまりの取り乱しぶりに、おばちゃんとシナはゲラゲラ爆笑している。
「もうっ!」
からかわれたのが悔しいと、ふくれっ面で二人を睨む。
ここで、シナがとあることを思い出した。
「私、そう言えば、この前くノ一の楓さんと如月さんに会ったの!」
「楓さんと如月さん……て学園長のガールフレンドですよね?」
「そうそう!若い頃はどっちも超美人のくノ一でね。んで、ふたりと話したときに美容の話になったの。そのときに胸をおっきくするツボを聞いたから空ちゃんにやってあげる!」
「えっ……!?」
空は何となくイヤな予感がして、思わず後ずさりする。
だが、いつの間にか後ろに回り込んだおばちゃんにガシッと身体を抑え込まれてしまう。
「まぁ!そういうことなら私も手伝うわ。シナ先生どこ押さえればいいの?」
「えーっと、おばちゃんはここを押して……」
「二人とも、やめてぇぇぇぇぇ!」
こうして、空は身体のきわどいところに存在するツボを、シナとおばちゃんによって念入りに指圧されることになる。
しばしの間、忍術学園の女子風呂にて美女三人による危ないショーが敢行されるのだった。
空は女子風呂にいた。
広々とした湯船に一人で浸かっている。
誰もおらず、貸し切り状態だった。
(今日は楽しかったけど色んなことがあって疲れたな……こんな日はゆっくり湯船に浸かるのが一番……)
少し熱めの湯が気持ちよく、血行が良くなり空の顔が上気する。
そんな時、浴室の戸がガラガラっと音を立てて開いた。
「あら、空ちゃん!」
「珍しいこともあるわね。今一人なの?」
「食堂のおばちゃん!山本シナ先生!」
普段入浴の時間がバラバラな三人。
こんなところで居合わせるとは思わなんだ、とそれぞれ目をパチクリさせて驚いている。
「いま空ちゃん一人じゃなら、都合がいいじゃない!明日でもよかったけど、早速今日のデートの話を聞かせてもらおうかしら!」
「ウフフ……出発してからずっと気になってたんだから、私とおばちゃん!」
まるで極上の獲物を見つけたかのような捕食者の目つきで、おばちゃんとシナが空を見ている。
「は、はい」
というわけで、女三人という字義にもあった姦しい裸のお付き合いがスタートした。
湯船に浸かりながら話を聞いた食堂のおばちゃんとシナは最初はウンウンと頷いていたが、話の後半に北石や牧之介、それから不良の話が出てくるにつれ、何だかなぁ……という顔になっていた。
「空ちゃん……。中々忘れられない初デートになったわね」
「牧之介や不良たちに絡まれて……土井先生も大変ね」
「でも、不良たちをやっつける土井先生カッコよかったです!」
空は顔を輝かせてそう言った。
(デレているわね)
(デレているわね)
食堂のおばちゃんとシナは全く同じ感想を抱くのだった。
「ねぇねぇ、空さん。市でお買い物したんでしょ?何買ったの?」
「あ、それは……櫛を買いました」
「もちろん、土井先生が買ってくれたのよね?」
念を押すようなおばちゃんの質問に、空は頬を染めながら頷いた。
(んま!でかしたわ、半助!ご褒美に明日の小鉢は竹輪を抜いてあげようかしら!)
(やーん、やっぱり男女のくっつこうとする過程はいつ見ても楽しいわねぇ!土井先生も隅に置けないじゃない!)
デートを裏方からサポートした二人としては、ある種報われた思いであり感無量となっていた。
しかし、食堂のおばちゃんはどこか物足りない様子である。
まだ何か隠していることがあるのではないかと空に詰め寄っていく。
「他には?」
「えっ?」
ジト目のおばちゃんの顔が空の目前まで近づく。
なんとも言えない圧がある。
「他には……、てそれだけですよ」
「接吻はなかったの!?接吻は!」
「せっぷん、せっぷん……。2月3日の豆まきのことですか?」
「そりゃ、節分」
「えーっと……。じゃあ、武士が腹を切って死ぬこと」
「そりゃ、切腹……って違うわよ、空ちゃん!接吻よ、接吻。口付けのことよ!」
空は一瞬頭が真っ白になるが、おばちゃんの言ったことを理解するやいなや、その刺激的すぎる言葉にカァッと頭に血がのぼっていく。
「あ、あ、あ、あ、あるわけないじゃないですか!?ま、まだ、気持ちも伝えてないのに……口付けだなんて、そんな、そんな!」
混乱と興奮が頂点に達したような、動揺丸出しの空は湯船から立ち上がり叫んでいた。
「んもう!食堂のおばちゃん、気が早すぎ!また伝子さんに窘められちゃいますよ」
「そう?でも、最近の若い子は告白すっ飛ばして先に進むって聞くから……」
「……」
誰がそんな内容をおばちゃんに話したんだ、と二人は心の中でツッコミを入れるのだった。
ふと、シナの目がある一点に集中する。
「それにしても……空さん、なかなか形のいい胸してない?」
「え!?」
シナにまじまじと胸を凝視され、次第に羞恥を感じはじめた空は慌てて前を隠し、ふたたび湯の中に身を沈めた。
「形がいいかどうか自分じゃわからないですが……大きさは普通ですよ。私のサイズってすっごく平均的みたいだし……それに引き換え、二人とも胸とても大きくて、形も綺麗で羨ましいです……」
湯船から顔だけ出した空は二人の胸を交互に見やり、羨望の眼差しを向けている。
「まあ、持って生まれたものもあるからね。ねぇ、おばちゃん!」
「そうね」
おばちゃんもシナもプロポーションに自信があるのか満更でもなく、ほんのちょっと気取ったポーズを取った。
ちなみにおばちゃんは胸だけでなくお腹もダイナマイトなのだが、ここでは敢えて触れないでおこう。
羨ましがる空に対し、シナが得意気に言った。
「でも、胸なんて後で大きくすることもできるわよ」
「そうよ、空ちゃん。シナ先生の言う通りよ。私もある方法を知ってるわ」
「え?どうやってですか!?」
興味津々の空に、おばちゃんとシナが全く同じことを空の左右の耳からそれぞれ耳打ちした。
プシュー
その内容はここでは書き表せないほどのとんでもないものだった。
聞き終わった空はというと、沸騰したヤカンのように顔から湯気を出している。
「な、な、な、何言ってるんですか!?ふざけないでください!」
たまらず、空は二人を一喝した。
あまりの取り乱しぶりに、おばちゃんとシナはゲラゲラ爆笑している。
「もうっ!」
からかわれたのが悔しいと、ふくれっ面で二人を睨む。
ここで、シナがとあることを思い出した。
「私、そう言えば、この前くノ一の楓さんと如月さんに会ったの!」
「楓さんと如月さん……て学園長のガールフレンドですよね?」
「そうそう!若い頃はどっちも超美人のくノ一でね。んで、ふたりと話したときに美容の話になったの。そのときに胸をおっきくするツボを聞いたから空ちゃんにやってあげる!」
「えっ……!?」
空は何となくイヤな予感がして、思わず後ずさりする。
だが、いつの間にか後ろに回り込んだおばちゃんにガシッと身体を抑え込まれてしまう。
「まぁ!そういうことなら私も手伝うわ。シナ先生どこ押さえればいいの?」
「えーっと、おばちゃんはここを押して……」
「二人とも、やめてぇぇぇぇぇ!」
こうして、空は身体のきわどいところに存在するツボを、シナとおばちゃんによって念入りに指圧されることになる。
しばしの間、忍術学園の女子風呂にて美女三人による危ないショーが敢行されるのだった。