27.Crazy Rendezvous (Part 2)
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空と半助はふたりで町に出かけた際、うどん屋で北石と偶然出くわした。
空と北石は初対面ということもあって、お互いのことが気になっている。
ふたりの間にあった垣根はあっさりと北石が乗り越え、一通り互いの自己紹介を済ませた。
「そっかぁ!空さん、忍術学園で食堂のお手伝いしながら事務員やってるんだ!しばらく立ち寄ってなかったから……」
「北石さんはフリーの忍者なんですね。じゃあ、利吉さんと同じですね」
「うん。この前、仕事で一緒になったけど、利吉さんちょっと元気がなかったような……?」
(利吉さん……)
その元気のない原因は自分が作ったのだろうか。
空の顔がわずかに曇った。
「実は今日、私……仕事でこの町に来てたの!タケノコ城のお殿様の依頼で、あることの市場調査ってところかしら!もう終わったんだけどね。楽勝だったわ!」
「おいおい、北石君!忍者の任務をそんな簡単にバラしてどうするんだ!」
「あ、いっけない!」
半助に指摘され、北石は慌てて口を閉ざす。
こういう思慮の浅いところが、彼女を一流忍者から遠ざけている原因なのかもしれない。
「それより、今日は何してるんですか?お二人さん。ぶっちゃけ……ふたりはどういう仲なんですか?」
北石がニヤニヤしながら言う。
明らかに好奇を含んだ質問。
半助がそつない態度で北石を一蹴した。
「別に北石君には関係ないだろう」
「えー!ひどくないですか!忍術学園の教育実習生として、共に働いたこともある私に対して!」
「その後、ドクタケに雇われて我々の敵になったけど」
「それはもう過去のことですよ!過去!」
「ったく、調子のいい……」
その後も二人による応酬は続く。
(土井先生と北石さんって仲良いんだ……)
気が付けば、半助と北石は世間話に移っていた。
近隣の情勢や最近起こった事件。
テレビやインターネットがないこの時代、情報は人づてにしか手に入らない。
自然と人々の口数は多くなる。
また、忍者という「情報」を扱う仕事柄、半助は北石とつい夢中で話してしまう。
学園内にいることの多い半助からしてみれば、外の人間の情報は非常に貴重だった。
「……」
聞きなれない地名や人物の名が飛び交う。
黙々と食べ続け、聞き手に回っていた空は器の中に啜る麺も残っていない。
「あの……。ちょっと、お花摘みに行ってきます」
厠の場所、聞かないと……と呟きながら空がそそくさとお店の人のところへ行ってしまった。
「……」
空のどこか沈んだ表情が気になった半助だったが、すぐにかき消される。
空が居なくなった途端、北石が突っかかってきたのだ。
「にしても、土井先生!空さんとは一体どういう関係なんですか!?」
「だから、北石君には関係ないだろう。休日にいち教職員同士で出かけて何が悪い!?」
触れてほしくない部分を蒸し返されて苛立つ半助だが、北石は自分の直感を信じて疑わない、となおも食いついていく。
「ズバリ、恋人なんですか!?」
「しつこいな。私たちはまだそんな関係じゃない!」
「ははーん、「まだ」ですか~。そうですか、そうですか。そういうことですか!」
北石の言葉に半助の怒気は一瞬にして消滅してしまった。
それどころか、狼狽がまともに顔に表れている。
「……」
こうなると、完全に形勢逆転だった。
白黒ついたことにすっきりしたのか、北石が満足げな表情を半助に向ける。
「やっぱり、私の勘当たってた。お似合いだと思いますよ!」
「はぁ……」
「ご安心ください、秘密にしておきますから!ほら……私、口堅いし」
「さっき平気で任務の内容ペラペラと喋ってたくせに……」
「エヘヘ。それだけ憎まれ口叩けるなら大丈夫そうですね!それより、安藤先生はお元気にしていますか?」
「ああ、毎日嫌味を聞かされるよ」
話足りないのか、北石はもうしばらく半助との会話に熱中してしまうのだった。
空と北石は初対面ということもあって、お互いのことが気になっている。
ふたりの間にあった垣根はあっさりと北石が乗り越え、一通り互いの自己紹介を済ませた。
「そっかぁ!空さん、忍術学園で食堂のお手伝いしながら事務員やってるんだ!しばらく立ち寄ってなかったから……」
「北石さんはフリーの忍者なんですね。じゃあ、利吉さんと同じですね」
「うん。この前、仕事で一緒になったけど、利吉さんちょっと元気がなかったような……?」
(利吉さん……)
その元気のない原因は自分が作ったのだろうか。
空の顔がわずかに曇った。
「実は今日、私……仕事でこの町に来てたの!タケノコ城のお殿様の依頼で、あることの市場調査ってところかしら!もう終わったんだけどね。楽勝だったわ!」
「おいおい、北石君!忍者の任務をそんな簡単にバラしてどうするんだ!」
「あ、いっけない!」
半助に指摘され、北石は慌てて口を閉ざす。
こういう思慮の浅いところが、彼女を一流忍者から遠ざけている原因なのかもしれない。
「それより、今日は何してるんですか?お二人さん。ぶっちゃけ……ふたりはどういう仲なんですか?」
北石がニヤニヤしながら言う。
明らかに好奇を含んだ質問。
半助がそつない態度で北石を一蹴した。
「別に北石君には関係ないだろう」
「えー!ひどくないですか!忍術学園の教育実習生として、共に働いたこともある私に対して!」
「その後、ドクタケに雇われて我々の敵になったけど」
「それはもう過去のことですよ!過去!」
「ったく、調子のいい……」
その後も二人による応酬は続く。
(土井先生と北石さんって仲良いんだ……)
気が付けば、半助と北石は世間話に移っていた。
近隣の情勢や最近起こった事件。
テレビやインターネットがないこの時代、情報は人づてにしか手に入らない。
自然と人々の口数は多くなる。
また、忍者という「情報」を扱う仕事柄、半助は北石とつい夢中で話してしまう。
学園内にいることの多い半助からしてみれば、外の人間の情報は非常に貴重だった。
「……」
聞きなれない地名や人物の名が飛び交う。
黙々と食べ続け、聞き手に回っていた空は器の中に啜る麺も残っていない。
「あの……。ちょっと、お花摘みに行ってきます」
厠の場所、聞かないと……と呟きながら空がそそくさとお店の人のところへ行ってしまった。
「……」
空のどこか沈んだ表情が気になった半助だったが、すぐにかき消される。
空が居なくなった途端、北石が突っかかってきたのだ。
「にしても、土井先生!空さんとは一体どういう関係なんですか!?」
「だから、北石君には関係ないだろう。休日にいち教職員同士で出かけて何が悪い!?」
触れてほしくない部分を蒸し返されて苛立つ半助だが、北石は自分の直感を信じて疑わない、となおも食いついていく。
「ズバリ、恋人なんですか!?」
「しつこいな。私たちはまだそんな関係じゃない!」
「ははーん、「まだ」ですか~。そうですか、そうですか。そういうことですか!」
北石の言葉に半助の怒気は一瞬にして消滅してしまった。
それどころか、狼狽がまともに顔に表れている。
「……」
こうなると、完全に形勢逆転だった。
白黒ついたことにすっきりしたのか、北石が満足げな表情を半助に向ける。
「やっぱり、私の勘当たってた。お似合いだと思いますよ!」
「はぁ……」
「ご安心ください、秘密にしておきますから!ほら……私、口堅いし」
「さっき平気で任務の内容ペラペラと喋ってたくせに……」
「エヘヘ。それだけ憎まれ口叩けるなら大丈夫そうですね!それより、安藤先生はお元気にしていますか?」
「ああ、毎日嫌味を聞かされるよ」
話足りないのか、北石はもうしばらく半助との会話に熱中してしまうのだった。