24.勤労少女は床に臥す
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空が事務の仕事を初めてから10日たった。
毎日が戦争と化している。
彼女の先輩でありパートナーである小松田とのてんやわんやは日常茶飯事だ。
例えば―
「空さん!僕さっき吉野先生から頼まれた書類、馬借便で送っておきましたから」
「その書類ってこれですよね…?」
「あれっ!?じゃあ、僕何送ったんだろう…?」
「さっきまでここに置いてあった機密資料がなくなってますね……まだ清八さん校内にいるかもしれません。取りに行きましょう!」
二人は慌てて馬借便を引き留めたそうな。
また別の、二人が武器庫で点検を兼ねた棚卸を実施したときは以下のような感じだった。
「小松田さん、この苦無…ううん、苦無だけじゃない。すべての武器の実際の数が在庫表上の数字よりも遥かに少ない…」
「ほへ?どういうことですか?」
「ここまで数に差があると、こうやって帳簿で管理する意味が……最後に棚卸実施したのいつでしたか?」
「うーん、覚えてないや!」
「……」
「あれ?どうしたんですか?」
「……定期的に棚卸しを実施した方がよさそうですね。要改善…と。吉野先生に報告しないと」
この後、事情を聞いた吉野はすぐ調査をし、打開策を講じたという。
小松田のミスを寸でのところで空が見つけて大慌てでフォローしたり。
仕事の問題点に気づき、上司と共有して見直し改善を図ったり。
元々の几帳面な性格と現代人らしい合理性を追求していく空は、着任してからめきめきと頭角を現していく。
空が事務を始めてからというもの、小松田の失敗を最小限に抑えるばかりか、業務効率は10日間足らずで前月比15%もアップしているとのこと(吉野談)
この成果に吉野は教職員の間でも鼻高々。
事務チームの評判はうなぎ登りで、吉野の肌ツヤは良くなる一方だった。
「空さん!空さんに言われた通りにやってみたら、吉野先生に頼まれた仕事ちゃんとできました!」
小松田が左から抱きつく。
初日は先輩風を吹かしていた小松田だったが、今ではすっかり空を仏様のごとく崇拝している。
「流石です、舞野さん!やっぱり私が見込んだ通りの人でした!」
反対側から涙を流しながら喜ぶ吉野が、やはり小松田と同じように抱きついていた。
(二人とも距離感知らないとこはそっくりなのかも……)
事務室内にて、この三人によるおしくらまんじゅうは日課となっている。
そして、そんな三人から少し離れたスタンスで空に憐みの視線を送る人物がいる。
事務のおばちゃんだ。
(あの子も若いのに大変ね……)
一見、順風満帆な忍術学園の事務チーム。
だが、怒涛の10日間を終え、驚異的なスピードで仕事を覚える空にも体力の限界が近づこうとしていた。
毎日が戦争と化している。
彼女の先輩でありパートナーである小松田とのてんやわんやは日常茶飯事だ。
例えば―
「空さん!僕さっき吉野先生から頼まれた書類、馬借便で送っておきましたから」
「その書類ってこれですよね…?」
「あれっ!?じゃあ、僕何送ったんだろう…?」
「さっきまでここに置いてあった機密資料がなくなってますね……まだ清八さん校内にいるかもしれません。取りに行きましょう!」
二人は慌てて馬借便を引き留めたそうな。
また別の、二人が武器庫で点検を兼ねた棚卸を実施したときは以下のような感じだった。
「小松田さん、この苦無…ううん、苦無だけじゃない。すべての武器の実際の数が在庫表上の数字よりも遥かに少ない…」
「ほへ?どういうことですか?」
「ここまで数に差があると、こうやって帳簿で管理する意味が……最後に棚卸実施したのいつでしたか?」
「うーん、覚えてないや!」
「……」
「あれ?どうしたんですか?」
「……定期的に棚卸しを実施した方がよさそうですね。要改善…と。吉野先生に報告しないと」
この後、事情を聞いた吉野はすぐ調査をし、打開策を講じたという。
小松田のミスを寸でのところで空が見つけて大慌てでフォローしたり。
仕事の問題点に気づき、上司と共有して見直し改善を図ったり。
元々の几帳面な性格と現代人らしい合理性を追求していく空は、着任してからめきめきと頭角を現していく。
空が事務を始めてからというもの、小松田の失敗を最小限に抑えるばかりか、業務効率は10日間足らずで前月比15%もアップしているとのこと(吉野談)
この成果に吉野は教職員の間でも鼻高々。
事務チームの評判はうなぎ登りで、吉野の肌ツヤは良くなる一方だった。
「空さん!空さんに言われた通りにやってみたら、吉野先生に頼まれた仕事ちゃんとできました!」
小松田が左から抱きつく。
初日は先輩風を吹かしていた小松田だったが、今ではすっかり空を仏様のごとく崇拝している。
「流石です、舞野さん!やっぱり私が見込んだ通りの人でした!」
反対側から涙を流しながら喜ぶ吉野が、やはり小松田と同じように抱きついていた。
(二人とも距離感知らないとこはそっくりなのかも……)
事務室内にて、この三人によるおしくらまんじゅうは日課となっている。
そして、そんな三人から少し離れたスタンスで空に憐みの視線を送る人物がいる。
事務のおばちゃんだ。
(あの子も若いのに大変ね……)
一見、順風満帆な忍術学園の事務チーム。
だが、怒涛の10日間を終え、驚異的なスピードで仕事を覚える空にも体力の限界が近づこうとしていた。