3.その少女、取り調べ中につき
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腹ごしらえをしたのも束の間、学園長は早速忍術学園の事務員を覗く全職員を自分の庵へ来るようにと指示を出していた。
というわけで、今空の前には一人、また一人と忍び装束を纏った忍者達が集合しつつある。
彼らの現れ方が実にベタで。
天井裏から現れたり、床下から顔をだしたり、いつの間にか自分の後ろに佇んでいたり。
それを目撃する度に、ああ、彼らは正真正銘の忍者なんだと嫌でも思い知らされてしまった。
集まった忍者達は空のことを奇異な目で見てくる。
彼らの視線が自分に集中した。
怖い。
拷問でもされたらどうしようかと恐ろしい想像が空の頭を駆け巡る。
血色の良かった唇は、今や青くなっている。
身体も震えていた。
「……」
そんな空の様子を部屋に集まっていた忍者達はじっと見据えていた。
***
最後の一人が揃ったのを確認してから、学園長が声を張り上げて言った。
「よぉーし、では、諸君はじめるかのう。先生方を集めたのは他でもない。ここにいる空君が危険な人物ではないか、取り調べてもらいたいんじゃ」
その場に正座をして学園長の話を聞いていた忍者達は無言のままコクリと頷いた。
(はぁぁぁ……私これから一体どうなっちゃうんだろう……)
憂鬱そうに嘆息をつく空をちらっと一瞥し、ニヤッと笑った学園長は話を続けた。
「まずは空君自身の検査じゃ」
「へっ!?私……自身……?」
学園長の発言に、空は素っ頓狂な声を出して驚いた。
「山本シナ先生。この検査、お任せしてもよろしいかな?」
「はい」
返事をしたのは、集まってきた忍者の中でも紅一点の女性であった。
その女性はスッと立ち上がると、学園長と空の許へと近づいてくる。
(綺麗……)
不安と緊張で心臓が激しく脈打っていた空も、思わず見惚れてしまう。
凛とした声に整った顔立ち。
鮮やかな紅を乗せた唇が色っぽい。
どんな男でも彼女に迫られれば、ものの数秒で虜になってしまうだろう。
そのくらい、魅力たっぷりの女性であった。
山本シナ。
彼女はくノ一であった。
「空さん……って言ったわよね?ちょっとこちらへ来てくれる?」
シナの美しい笑顔にすっかり骨抜きにされた空は、素直に従う。
二人は一旦部屋を出ると、そこからさほど遠くない部屋に移動した。
指定された部屋に入るやいなや、開口一番シナはこう言った。
「さ、着物を脱いでくれる?」
「へっ?」
突拍子もない美女の発言に、空は間抜けな顔をして聞き返した。
「な、何で……着物を脱がないといけないんですか?」
「だって、当然じゃない?あなたが武器を仕込んでたり、あなた自身が武術の心得があるかもしれないし。あなた自身が無害な人間かを調べ上げないと」
「あ、そっか……」
ようやくシナの意図がわかった空は、緊張した面持ちで自分の服に手をかけていく。
羞恥に耐えながら、意を決してTシャツとジーンズを脱ぐ。
空は忽ち下着姿となった。
「とりあえず、そこまでで良いわよ。じゃあ、失礼するわね」
蠱惑的な笑みが、シナの顔から消える。
シナは真剣な表情で空の腕に触れた。
それが終わると脚や背中……と順番に調べていく。
「成程ね」
シナはあっさりと空の身体から手を引いた。
ほんのわずかな時間で触診が終わってしまった。
「……」
てっきり、もっとじっくり調べられると思っていた空は拍子抜けしていた。
一方、シナの興味はもう空の脱ぎ捨てた服へと注がれている。
「不思議な着物ねぇ……前開きになっていないし……こんな縫製珍しいわ」
「……」
「生地もすべすべで手触りが良くて……上等の代物ね」
自分の身体のチェックよりも、服の方に時間をかけて調べていくシナを空はただ見つめることしかできなかった。
というわけで、今空の前には一人、また一人と忍び装束を纏った忍者達が集合しつつある。
彼らの現れ方が実にベタで。
天井裏から現れたり、床下から顔をだしたり、いつの間にか自分の後ろに佇んでいたり。
それを目撃する度に、ああ、彼らは正真正銘の忍者なんだと嫌でも思い知らされてしまった。
集まった忍者達は空のことを奇異な目で見てくる。
彼らの視線が自分に集中した。
怖い。
拷問でもされたらどうしようかと恐ろしい想像が空の頭を駆け巡る。
血色の良かった唇は、今や青くなっている。
身体も震えていた。
「……」
そんな空の様子を部屋に集まっていた忍者達はじっと見据えていた。
***
最後の一人が揃ったのを確認してから、学園長が声を張り上げて言った。
「よぉーし、では、諸君はじめるかのう。先生方を集めたのは他でもない。ここにいる空君が危険な人物ではないか、取り調べてもらいたいんじゃ」
その場に正座をして学園長の話を聞いていた忍者達は無言のままコクリと頷いた。
(はぁぁぁ……私これから一体どうなっちゃうんだろう……)
憂鬱そうに嘆息をつく空をちらっと一瞥し、ニヤッと笑った学園長は話を続けた。
「まずは空君自身の検査じゃ」
「へっ!?私……自身……?」
学園長の発言に、空は素っ頓狂な声を出して驚いた。
「山本シナ先生。この検査、お任せしてもよろしいかな?」
「はい」
返事をしたのは、集まってきた忍者の中でも紅一点の女性であった。
その女性はスッと立ち上がると、学園長と空の許へと近づいてくる。
(綺麗……)
不安と緊張で心臓が激しく脈打っていた空も、思わず見惚れてしまう。
凛とした声に整った顔立ち。
鮮やかな紅を乗せた唇が色っぽい。
どんな男でも彼女に迫られれば、ものの数秒で虜になってしまうだろう。
そのくらい、魅力たっぷりの女性であった。
山本シナ。
彼女はくノ一であった。
「空さん……って言ったわよね?ちょっとこちらへ来てくれる?」
シナの美しい笑顔にすっかり骨抜きにされた空は、素直に従う。
二人は一旦部屋を出ると、そこからさほど遠くない部屋に移動した。
指定された部屋に入るやいなや、開口一番シナはこう言った。
「さ、着物を脱いでくれる?」
「へっ?」
突拍子もない美女の発言に、空は間抜けな顔をして聞き返した。
「な、何で……着物を脱がないといけないんですか?」
「だって、当然じゃない?あなたが武器を仕込んでたり、あなた自身が武術の心得があるかもしれないし。あなた自身が無害な人間かを調べ上げないと」
「あ、そっか……」
ようやくシナの意図がわかった空は、緊張した面持ちで自分の服に手をかけていく。
羞恥に耐えながら、意を決してTシャツとジーンズを脱ぐ。
空は忽ち下着姿となった。
「とりあえず、そこまでで良いわよ。じゃあ、失礼するわね」
蠱惑的な笑みが、シナの顔から消える。
シナは真剣な表情で空の腕に触れた。
それが終わると脚や背中……と順番に調べていく。
「成程ね」
シナはあっさりと空の身体から手を引いた。
ほんのわずかな時間で触診が終わってしまった。
「……」
てっきり、もっとじっくり調べられると思っていた空は拍子抜けしていた。
一方、シナの興味はもう空の脱ぎ捨てた服へと注がれている。
「不思議な着物ねぇ……前開きになっていないし……こんな縫製珍しいわ」
「……」
「生地もすべすべで手触りが良くて……上等の代物ね」
自分の身体のチェックよりも、服の方に時間をかけて調べていくシナを空はただ見つめることしかできなかった。