本編③~カナズミシティの夜 クラブ・フェアリー潜入編
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シアとダイゴはマツヨに案内されクラブ・フェアリーから離れネオラント町のストリートバトルコートへ来た。
辺りは夜の静けさがありポケモンの鳴き声も聞こえず、バトルコートはフェンスで囲まれており街灯と月明かりがコートを照らしていた。シアとマツヨはお互い位置に着いた。月明かりに照らされたマツヨは一層魅惑的に見えた。
「ポケモンは3体までよ」
「はい、この勝負勝ってみせます!」
シアはモンスターボールを取り出すと見つめながら強く握りしめた。
「姿が上出来だからって容赦しないわよ」
「この私をせいぜい楽しませてちょうだい」
マツヨは不敵に微笑むとクラッチバッグからゴージャスボールを取り出した。
「シアちゃん、気をつけて。もしものことがあったらぼくが仇を打つから」
ダイゴはコートの後ろからシアを心配そうに見つめる。
「ダイゴさん、ありがとうございます。」
「でも、この勝負絶対に勝ってみせますから」
シアは真っ直ぐにダイゴを見つめる。それは、覚悟を組めた真剣な眼差しであった。ダイゴはシアの目を見ると安心感が芽生え微笑みながらゆっくりと頷いた。
「フフ、その意気だね。」
「気をつけるんだよ。」
シアは頷くとダイゴから再びバトルコートへ視線を戻した。マツヨは呆れ顔で小さくため息をついた。
「あら、イチャイチャタイムも終わりかしら?」
「イチャイチャ?そんな!?」
マツヨに思いがけないことを言われシアは慌てて首を振った。先程までの真剣な表情は何処な様子であった。
マツヨはシアの様子にフッと含み笑いをするとゴージャスボールを構えた。
「店が開く前にさっさと終わらせるわよ」
「見せてあげる、ネオラント町NO.1の実力を!」
No.1キャバ嬢のマツヨが勝負を仕掛けてきた!
「行きなさい、マイスィート!」
マツヨはボールをコートに投げると光とともにピクシーが現れた。ピクシーはやる気満々にふわふわと浮いている。
「やっぱりフェアリータイプできたか。だったら・・・。」
「ゴー、ウォーグル!」
シアはモンスターボールを勢いよく投げると銀色の光とともにヒスイウォーグルが現れた。ウォーグルは羽ばたくとコート内を1周回った。コートを把握しているようだ。
「ウォーグル、エアスラッシュ!」
シアはピクシーに指さすとすかさずウォーグルに指示を出す。ウォーグルは両羽を輝かせると風を切り瞬く速さでピクシーに当たって行った。ピクシーは避けようとしたが速さに間に合わず命中し後ろに飛ばされてしまった。
「ピクシー!」
マツヨはピクシーに声をかけるとピクシーは直ぐに立ち上がった。まだ余裕な表情を見せている。
「先ずは挨拶代わりですよ!」
シアは先手を取れ自信を持つとにやりと笑った。しかし、コート裏で見ていたダイゴは表情を曇らせた。
「まずいぞ」
ベンチに座っていたダイゴは思わず立ち上がった。
「ウォーグル、サイコキネシス!」
「ってあれ、どうしたの?」
シアはすかさずウォーグルに指示を出すがウォーグルは技を出さず迷っているようにピクシーの頭上をくるくると飛び始めた。まさに攻撃をする気力が内様子であった。シアはウォーグルの様子を見ると直ぐに悟った。対象の頭上をくるくる回るのはウォーグルの求愛行動だからだ。ウォーグルはメロメロ状態になってしまった。
「え、なんでメロメロになったの!?」
「アハハハハ!」
戸惑う表情を見せたシアにマツヨ高笑いをする。どうやら彼女の計算通りだったようだ。
「ピクシーの特性はメロメロボディよ。」
「そんなことも知らなかったの?」
「あたしのピクシーはね特別」
「かわいさコンテストで優勝するぐらいの美貌ちゃんなんだから」
ウォーグルは気が済むとコートに降り立ち羽繕いを始めた。その様子はまるでバトルを完全に放棄している。
「厄介なことに巻き込まれたな」
ダイゴは思い詰めた表情で無気力なウォーグルを見つめていた。すると、背後から男の声が聞こえた。
「おおー、姉さんのバトル会場はここか~!」
「間に合ってよかったぜ~!」
ダイゴは咄嗟に振り向くとそこには、同じボーイの制服を来たグリーンカラーにイエローのメッシュが入ったパーマでブルーのフレームが印象的なメガネをかけている青年が微笑みながら立っていた。男の足元にはおそらくパートナーであるカクレオンがご機嫌そうにぴょんぴょんと跳ねていた。
「君は誰だい?」
突然現れた男にダイゴは不振そうに声をかける。
「おっと、いきなりタメ口とはなんだ?」
「オレはあんたの先輩なんだぜ?」
「先輩?」
ダイゴはキョトンとする。
「姉さんから新入りのボーイが入ったから相手してやってくれって頼まれたんだよ。」
「姉さんの頼みならオレ断れないしな~。」
そう言うと男は頭の後ろに腕を組むとダイゴの隣に座った、明らかに距離が近すぎる。
「聞いてないぞ」
ダイゴは疑わしく男を見つめ距離を置く。
「まあまあ、細かいことは気にせず楽しくやっていこーぜ。ホウエンチャンピオンのツワブキ・ダイゴさんよ。」
「なんでボクの名前を!?」
ここまで正体がバレないように変装してきたつもりであったが男にあっさりとバレてしまいダイゴは驚いた。男はダイゴの表情を見るとにやりと笑った。
「オレの名前はヘチマさ。」
「クラブ・フェアリーのボーイリーダーさ」
「そんでこいつはオレのパートナーのカクレオン。面白い奴なんだぜ。」
「ってことで~。」
「新人よろしくちゃん!」
ヘチマはそう言うと拳を伸ばしダイゴにグータッチを求めたが、ダイゴはヘチマの軟派で軽々しい雰囲気に呆れた表情を浮かべ小さくため息をつくとバトルコートに視線を移した。
「すまない」
「ボクは今はバトルを見ているのに忙しくてね」
「ずいぶんせっかちだな~。」
「情報の通りだぜ」
ヘチマはダイゴの連れない態度につまらない表情を浮かべるがどこか感心を向けていた。彼の隣に座っていたカクレオンを目をキョロキョロさせていた。
「ウォーグル、しっかりして!」
シアは大声でウォーグルに声をかけるがウォーグルは聞く耳を持たず羽繕いに夢中になっていた。
「ピクシー、ムーンフォース!」
ピクシーはマツヨの指示を聞くと頭上に大きな光の玉を出現させウォーグルに放った。技はウォーグル避ける間もなく直撃した。
ムーンフォースが当たりウォーグルはよろけながら立ち上がった。まだ体力は残っているようだ。
「あら、随分頑丈なのね」
マツヨは立ち上がるウォーグルの様子に感心していた。
「メロメロのウォーグルを正気に戻せれば・・・。」
「ん?」
シアバトルコートを見渡した。すると何やらひらめいた様子でにやっと笑う。
「そうだ、環境が変わると相手の見え方も変わってくるかも!」
「ウォーグル、サイコフィールド!」
ウォーグルはシアの声を聞くと渋々と翼を広げ全身を輝かせた。すると辺りの空間が揺らぎ不思議な空間に包まれた。ウォーグルは空間の中でブルルと身震いすると大きく羽ばたいた。表情は先程とうってかわり冴えており目つきは正気に戻っていた。
「そうか、サイコフィールドで特殊な空間を作ることにより相手の見え方が変わる。」
「つまりメロメロの対象が空間によって変えてしまうことができるってことか!」
「なるほど、ちシアゃんいいセンスだね!」
ダイゴは腕を組みながら期待の表情を浮かべた。
「よし、いつものウォーグルに戻れた」
「ウォーグル、サイコキネシス!」
シアはすかさずウォーグルに指示を出す。ウォーグルは頷くと強烈なサイコパワーをピクシーにぶつけ身体の自由を奪うと力強くコートへ打ち付けた。サイコフィールドにより通常のエスパー攻撃よりも威力が増したためピクシーは大きなダメージを覆い立ち上がるのがやっとであった。シアは一瞬の隙をつかれまいと続けて指示を出す。
「速攻、オーラウィング!」
の声を聞くとウォーグルは全身を銀色のオーラに輝かせると上空からまるでジェット機の様な速さで下降し翼をピクシーにぶつけた。正面から攻撃を当てられたピクシーは為す術もなく倒れ込んだ。
「やったあ!偉いよウォーグル!」
シアは倒れたピクシーを見るとウォーグルに微笑んだ。すっかり正気に戻ったウォーグルは力強く羽を羽ばたかせてシアにもっと褒めて欲しいとアピールする。
一方バトルコート裏のベンチではダイゴとヘチマが2匹の結末を真剣に傍観していた。
「お~、やるじゃんあの子」
ヘチマは身体を前に乗り出しながら興味深そうにシアを眺めた。
「シアちゃんはそんなハッタリには通用しないさ」
ダイゴはどこか得意そうにシアを見つめて話す。
「あんた、あの子のこと詳しいのか?」
「もしかして彼氏とか?」
いたずらっ子のような表情を浮かべヘチマはダイゴの顔を覗き込む。
「ち、違うよ!」
「ボクはただ・・・。」
ダイゴは咄嗟に首を横にふるが考え込んだ。
(ボクはシアちゃんのなんなんだろう?)
今まで意識していなかったためどう返せばいいか戸惑う。
「ただ?」
「そう、ただのファンさ!」
咄嗟に思いついたのが「ファン」であった。友達や恋人でもないが気がつけば寄り添い支えたくなる存在。ダイゴはシアに憧れを抱いていた。人とポケモンに寄り添い生活を石のように輝かせてあげる。ダイゴにとって探偵をしているシアは自分とはどこか離れた存在に思えたからだ。
「ファンねぇ・・・。」
「オレにはそんな風には見えないけどな」
思いに耽っているダイゴの横顔を見るとヘチマはくすりと笑った。
「なっ!?」
「まあまあ、バトルはまだ始まったばかりだぜ?」
そう言うとヘチマはバトルコートを指さした。
「あたしの可愛いピクシーちゃんの魅惑の虜にならないだなんて残念ね。」
「お疲れ様ピクシー」
マツヨはピクシーをボールに戻すと他のボールを取り出した。
「次こそは虜にしてあ・げ・る」
「行っておいで、マイスィート!」
マツヨはターンすると華麗にボールをコートに投げた。
【メロメロからの危機的状況を打破したウォーグル。一体新たなポケモンからも勝利を掴めるのか?】
◀◀ To Be Continued
辺りは夜の静けさがありポケモンの鳴き声も聞こえず、バトルコートはフェンスで囲まれており街灯と月明かりがコートを照らしていた。シアとマツヨはお互い位置に着いた。月明かりに照らされたマツヨは一層魅惑的に見えた。
「ポケモンは3体までよ」
「はい、この勝負勝ってみせます!」
シアはモンスターボールを取り出すと見つめながら強く握りしめた。
「姿が上出来だからって容赦しないわよ」
「この私をせいぜい楽しませてちょうだい」
マツヨは不敵に微笑むとクラッチバッグからゴージャスボールを取り出した。
「シアちゃん、気をつけて。もしものことがあったらぼくが仇を打つから」
ダイゴはコートの後ろからシアを心配そうに見つめる。
「ダイゴさん、ありがとうございます。」
「でも、この勝負絶対に勝ってみせますから」
シアは真っ直ぐにダイゴを見つめる。それは、覚悟を組めた真剣な眼差しであった。ダイゴはシアの目を見ると安心感が芽生え微笑みながらゆっくりと頷いた。
「フフ、その意気だね。」
「気をつけるんだよ。」
シアは頷くとダイゴから再びバトルコートへ視線を戻した。マツヨは呆れ顔で小さくため息をついた。
「あら、イチャイチャタイムも終わりかしら?」
「イチャイチャ?そんな!?」
マツヨに思いがけないことを言われシアは慌てて首を振った。先程までの真剣な表情は何処な様子であった。
マツヨはシアの様子にフッと含み笑いをするとゴージャスボールを構えた。
「店が開く前にさっさと終わらせるわよ」
「見せてあげる、ネオラント町NO.1の実力を!」
No.1キャバ嬢のマツヨが勝負を仕掛けてきた!
「行きなさい、マイスィート!」
マツヨはボールをコートに投げると光とともにピクシーが現れた。ピクシーはやる気満々にふわふわと浮いている。
「やっぱりフェアリータイプできたか。だったら・・・。」
「ゴー、ウォーグル!」
シアはモンスターボールを勢いよく投げると銀色の光とともにヒスイウォーグルが現れた。ウォーグルは羽ばたくとコート内を1周回った。コートを把握しているようだ。
「ウォーグル、エアスラッシュ!」
シアはピクシーに指さすとすかさずウォーグルに指示を出す。ウォーグルは両羽を輝かせると風を切り瞬く速さでピクシーに当たって行った。ピクシーは避けようとしたが速さに間に合わず命中し後ろに飛ばされてしまった。
「ピクシー!」
マツヨはピクシーに声をかけるとピクシーは直ぐに立ち上がった。まだ余裕な表情を見せている。
「先ずは挨拶代わりですよ!」
シアは先手を取れ自信を持つとにやりと笑った。しかし、コート裏で見ていたダイゴは表情を曇らせた。
「まずいぞ」
ベンチに座っていたダイゴは思わず立ち上がった。
「ウォーグル、サイコキネシス!」
「ってあれ、どうしたの?」
シアはすかさずウォーグルに指示を出すがウォーグルは技を出さず迷っているようにピクシーの頭上をくるくると飛び始めた。まさに攻撃をする気力が内様子であった。シアはウォーグルの様子を見ると直ぐに悟った。対象の頭上をくるくる回るのはウォーグルの求愛行動だからだ。ウォーグルはメロメロ状態になってしまった。
「え、なんでメロメロになったの!?」
「アハハハハ!」
戸惑う表情を見せたシアにマツヨ高笑いをする。どうやら彼女の計算通りだったようだ。
「ピクシーの特性はメロメロボディよ。」
「そんなことも知らなかったの?」
「あたしのピクシーはね特別」
「かわいさコンテストで優勝するぐらいの美貌ちゃんなんだから」
ウォーグルは気が済むとコートに降り立ち羽繕いを始めた。その様子はまるでバトルを完全に放棄している。
「厄介なことに巻き込まれたな」
ダイゴは思い詰めた表情で無気力なウォーグルを見つめていた。すると、背後から男の声が聞こえた。
「おおー、姉さんのバトル会場はここか~!」
「間に合ってよかったぜ~!」
ダイゴは咄嗟に振り向くとそこには、同じボーイの制服を来たグリーンカラーにイエローのメッシュが入ったパーマでブルーのフレームが印象的なメガネをかけている青年が微笑みながら立っていた。男の足元にはおそらくパートナーであるカクレオンがご機嫌そうにぴょんぴょんと跳ねていた。
「君は誰だい?」
突然現れた男にダイゴは不振そうに声をかける。
「おっと、いきなりタメ口とはなんだ?」
「オレはあんたの先輩なんだぜ?」
「先輩?」
ダイゴはキョトンとする。
「姉さんから新入りのボーイが入ったから相手してやってくれって頼まれたんだよ。」
「姉さんの頼みならオレ断れないしな~。」
そう言うと男は頭の後ろに腕を組むとダイゴの隣に座った、明らかに距離が近すぎる。
「聞いてないぞ」
ダイゴは疑わしく男を見つめ距離を置く。
「まあまあ、細かいことは気にせず楽しくやっていこーぜ。ホウエンチャンピオンのツワブキ・ダイゴさんよ。」
「なんでボクの名前を!?」
ここまで正体がバレないように変装してきたつもりであったが男にあっさりとバレてしまいダイゴは驚いた。男はダイゴの表情を見るとにやりと笑った。
「オレの名前はヘチマさ。」
「クラブ・フェアリーのボーイリーダーさ」
「そんでこいつはオレのパートナーのカクレオン。面白い奴なんだぜ。」
「ってことで~。」
「新人よろしくちゃん!」
ヘチマはそう言うと拳を伸ばしダイゴにグータッチを求めたが、ダイゴはヘチマの軟派で軽々しい雰囲気に呆れた表情を浮かべ小さくため息をつくとバトルコートに視線を移した。
「すまない」
「ボクは今はバトルを見ているのに忙しくてね」
「ずいぶんせっかちだな~。」
「情報の通りだぜ」
ヘチマはダイゴの連れない態度につまらない表情を浮かべるがどこか感心を向けていた。彼の隣に座っていたカクレオンを目をキョロキョロさせていた。
「ウォーグル、しっかりして!」
シアは大声でウォーグルに声をかけるがウォーグルは聞く耳を持たず羽繕いに夢中になっていた。
「ピクシー、ムーンフォース!」
ピクシーはマツヨの指示を聞くと頭上に大きな光の玉を出現させウォーグルに放った。技はウォーグル避ける間もなく直撃した。
ムーンフォースが当たりウォーグルはよろけながら立ち上がった。まだ体力は残っているようだ。
「あら、随分頑丈なのね」
マツヨは立ち上がるウォーグルの様子に感心していた。
「メロメロのウォーグルを正気に戻せれば・・・。」
「ん?」
シアバトルコートを見渡した。すると何やらひらめいた様子でにやっと笑う。
「そうだ、環境が変わると相手の見え方も変わってくるかも!」
「ウォーグル、サイコフィールド!」
ウォーグルはシアの声を聞くと渋々と翼を広げ全身を輝かせた。すると辺りの空間が揺らぎ不思議な空間に包まれた。ウォーグルは空間の中でブルルと身震いすると大きく羽ばたいた。表情は先程とうってかわり冴えており目つきは正気に戻っていた。
「そうか、サイコフィールドで特殊な空間を作ることにより相手の見え方が変わる。」
「つまりメロメロの対象が空間によって変えてしまうことができるってことか!」
「なるほど、ちシアゃんいいセンスだね!」
ダイゴは腕を組みながら期待の表情を浮かべた。
「よし、いつものウォーグルに戻れた」
「ウォーグル、サイコキネシス!」
シアはすかさずウォーグルに指示を出す。ウォーグルは頷くと強烈なサイコパワーをピクシーにぶつけ身体の自由を奪うと力強くコートへ打ち付けた。サイコフィールドにより通常のエスパー攻撃よりも威力が増したためピクシーは大きなダメージを覆い立ち上がるのがやっとであった。シアは一瞬の隙をつかれまいと続けて指示を出す。
「速攻、オーラウィング!」
の声を聞くとウォーグルは全身を銀色のオーラに輝かせると上空からまるでジェット機の様な速さで下降し翼をピクシーにぶつけた。正面から攻撃を当てられたピクシーは為す術もなく倒れ込んだ。
「やったあ!偉いよウォーグル!」
シアは倒れたピクシーを見るとウォーグルに微笑んだ。すっかり正気に戻ったウォーグルは力強く羽を羽ばたかせてシアにもっと褒めて欲しいとアピールする。
一方バトルコート裏のベンチではダイゴとヘチマが2匹の結末を真剣に傍観していた。
「お~、やるじゃんあの子」
ヘチマは身体を前に乗り出しながら興味深そうにシアを眺めた。
「シアちゃんはそんなハッタリには通用しないさ」
ダイゴはどこか得意そうにシアを見つめて話す。
「あんた、あの子のこと詳しいのか?」
「もしかして彼氏とか?」
いたずらっ子のような表情を浮かべヘチマはダイゴの顔を覗き込む。
「ち、違うよ!」
「ボクはただ・・・。」
ダイゴは咄嗟に首を横にふるが考え込んだ。
(ボクはシアちゃんのなんなんだろう?)
今まで意識していなかったためどう返せばいいか戸惑う。
「ただ?」
「そう、ただのファンさ!」
咄嗟に思いついたのが「ファン」であった。友達や恋人でもないが気がつけば寄り添い支えたくなる存在。ダイゴはシアに憧れを抱いていた。人とポケモンに寄り添い生活を石のように輝かせてあげる。ダイゴにとって探偵をしているシアは自分とはどこか離れた存在に思えたからだ。
「ファンねぇ・・・。」
「オレにはそんな風には見えないけどな」
思いに耽っているダイゴの横顔を見るとヘチマはくすりと笑った。
「なっ!?」
「まあまあ、バトルはまだ始まったばかりだぜ?」
そう言うとヘチマはバトルコートを指さした。
「あたしの可愛いピクシーちゃんの魅惑の虜にならないだなんて残念ね。」
「お疲れ様ピクシー」
マツヨはピクシーをボールに戻すと他のボールを取り出した。
「次こそは虜にしてあ・げ・る」
「行っておいで、マイスィート!」
マツヨはターンすると華麗にボールをコートに投げた。
【メロメロからの危機的状況を打破したウォーグル。一体新たなポケモンからも勝利を掴めるのか?】
◀◀ To Be Continued