探偵はモンスターボールの中~side story
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※本編「chapter17~きみと夕陽を」のサイドストーリーです。
この日ダイゴは忙しい一日であった。
Dフォンのスケジュールアプリを開くと朝からの予定がぎっしりと入力されている。午前にチャンピオン戦挑戦者リストの調整やポケモントレーニングをこなした後、次の業務のため迎えに来た車に乗りカナズミシティの大通りを移動している最中である。あいにく今日は土曜日なので道路は混雑していた。晴れているた軽く汗ばむほどの気温でもあり、隣で走っている車の窓からはグラエナが顔を出し暑そうに口を開けながら呼吸をしてい様子が見えた。ダイゴはグラエナを横目で眺めると手元のDフォンに目を向けた。
(次は、カナズミデパートで打ち合わせか)
アプリには「カナズミデパート 新商品営業」と入力されていた。
ダイゴは、ホウエンリーグの仕事をしている傍ら父親であるムクゲの仕事を手伝っていた。午後からはデボンコーポレーションの社員としてカナズミデパートで新商品を販売してもらうよう営業の仕事が入っていた。
デボンコーポレーションにとってカナズミデパートは自社の商品を創業当時から販売させ頂いている関係である。そして、カナズミデパートの現社長はムクゲと幼なじみであり言わば竹馬の友であった。ダイゴ自身もムクゲの代わりとして何度もカナズミデパートに営業に出向いていたため取引には慣れいたが今回はいつもの取引相手とは異なるため心の奥はどこか落ち着かずにいた。
(ボクはオヤジの代わりを上手くやれているのだろうか)
脳裏に多くの社員に囲まれているムクゲの様子が微かに浮かんでいた。
目的地に着き車から降り道を進むとデパート入口が見えてきた。ダイゴの目には多くの人が長蛇の列で並んでいる様子が映った。よく見るとほとんど女性客が列を成しているのがわかる。
「一体何の列なんだ?」
1時間待ちと書いたプラカードを掲げているぐらいの長蛇の列に驚きつつも列の最後尾にあった看板に目を向ける。看板には「ベイクタウンジムリーダー リッププロデュースコスメ ホウエン限定 販売会場」と書かれていた。
(なるほど、新作化粧品の発売日なんだな。どうりで女性客が多いのか)
(・・・ん?)
何となく列を見渡してみると何か気配を感じ二度列を見渡す。すると見覚えのある人物を見つけ目を丸くした。チョコレートブラウンのふわふわパーマが特徴でチルットを連れた女性。それは紛れもなくシアであった。
「あれ、シアちゃん!?」
ダイゴは意外な所でシアを見つけたことに驚いていた。列に並んでいるシアは隣の紅桔梗色のツインテールが特徴的な女性と話しておりダイゴには気がつかず会話に夢中になっている。
(誰と話しているのかな)
女性と話しているシアは無邪気な笑みを浮かべながらどこか子供っぽい表情をしていた。安心しきった柔らかな印象を受ける。
(お友達とかなのかな?)
ダイゴは興味深そうに2人を見つめていた。するとシアに抱かれているチルットがダイゴの視線に気がついた。チルットはダイゴを見つけると「ピィピィ」鳴き始め羽をパタつかせた。大好きなダイゴを見つけ喜んでいる。
「わわ!チルット急にどうしたの?」
シアはいきなり騒ぎ始めたチルットに驚いた。チルットはビルの方を向き「ピュイピュイ」鳴きながらアピールする。
「そこに何かあるの?」
チルットが向く方向に視線を向けるがそこには何も無かった。
「え、なにも無いけど」
「もしかして並ぶの飽きちゃったの?」
チルットはダイゴが反応してくれなかったため不機嫌そうにビルの方を見つめながら「ピィ・・・。」と小さく鳴いた。
ダイゴは、チルットに気づかれた時シアに見つからないようすぐにデパートの裏口へと姿を消していた。楽しそうに話している2人の間に入る気がなかったからだ。また、他の人に気がつかれると女性ファンに囲まれる可能性もあるため身を引くことが優先的であった。
(シアちゃんって心を許した相手にはこんな魅力的な顔見せるんだ)再びシアの表情が脳裏に浮かんだ。太陽のようにキラキラと輝いている笑顔。また見たくなってしまう。
(いつかボクにも・・・。)
(なんてね。)
ダイゴはクスりと小さく笑うとデパート裏のスタッフ玄関へと向かっ行った。
【君の笑顔は忙しさを忘れるぐらい】
END
この日ダイゴは忙しい一日であった。
Dフォンのスケジュールアプリを開くと朝からの予定がぎっしりと入力されている。午前にチャンピオン戦挑戦者リストの調整やポケモントレーニングをこなした後、次の業務のため迎えに来た車に乗りカナズミシティの大通りを移動している最中である。あいにく今日は土曜日なので道路は混雑していた。晴れているた軽く汗ばむほどの気温でもあり、隣で走っている車の窓からはグラエナが顔を出し暑そうに口を開けながら呼吸をしてい様子が見えた。ダイゴはグラエナを横目で眺めると手元のDフォンに目を向けた。
(次は、カナズミデパートで打ち合わせか)
アプリには「カナズミデパート 新商品営業」と入力されていた。
ダイゴは、ホウエンリーグの仕事をしている傍ら父親であるムクゲの仕事を手伝っていた。午後からはデボンコーポレーションの社員としてカナズミデパートで新商品を販売してもらうよう営業の仕事が入っていた。
デボンコーポレーションにとってカナズミデパートは自社の商品を創業当時から販売させ頂いている関係である。そして、カナズミデパートの現社長はムクゲと幼なじみであり言わば竹馬の友であった。ダイゴ自身もムクゲの代わりとして何度もカナズミデパートに営業に出向いていたため取引には慣れいたが今回はいつもの取引相手とは異なるため心の奥はどこか落ち着かずにいた。
(ボクはオヤジの代わりを上手くやれているのだろうか)
脳裏に多くの社員に囲まれているムクゲの様子が微かに浮かんでいた。
目的地に着き車から降り道を進むとデパート入口が見えてきた。ダイゴの目には多くの人が長蛇の列で並んでいる様子が映った。よく見るとほとんど女性客が列を成しているのがわかる。
「一体何の列なんだ?」
1時間待ちと書いたプラカードを掲げているぐらいの長蛇の列に驚きつつも列の最後尾にあった看板に目を向ける。看板には「ベイクタウンジムリーダー リッププロデュースコスメ ホウエン限定 販売会場」と書かれていた。
(なるほど、新作化粧品の発売日なんだな。どうりで女性客が多いのか)
(・・・ん?)
何となく列を見渡してみると何か気配を感じ二度列を見渡す。すると見覚えのある人物を見つけ目を丸くした。チョコレートブラウンのふわふわパーマが特徴でチルットを連れた女性。それは紛れもなくシアであった。
「あれ、シアちゃん!?」
ダイゴは意外な所でシアを見つけたことに驚いていた。列に並んでいるシアは隣の紅桔梗色のツインテールが特徴的な女性と話しておりダイゴには気がつかず会話に夢中になっている。
(誰と話しているのかな)
女性と話しているシアは無邪気な笑みを浮かべながらどこか子供っぽい表情をしていた。安心しきった柔らかな印象を受ける。
(お友達とかなのかな?)
ダイゴは興味深そうに2人を見つめていた。するとシアに抱かれているチルットがダイゴの視線に気がついた。チルットはダイゴを見つけると「ピィピィ」鳴き始め羽をパタつかせた。大好きなダイゴを見つけ喜んでいる。
「わわ!チルット急にどうしたの?」
シアはいきなり騒ぎ始めたチルットに驚いた。チルットはビルの方を向き「ピュイピュイ」鳴きながらアピールする。
「そこに何かあるの?」
チルットが向く方向に視線を向けるがそこには何も無かった。
「え、なにも無いけど」
「もしかして並ぶの飽きちゃったの?」
チルットはダイゴが反応してくれなかったため不機嫌そうにビルの方を見つめながら「ピィ・・・。」と小さく鳴いた。
ダイゴは、チルットに気づかれた時シアに見つからないようすぐにデパートの裏口へと姿を消していた。楽しそうに話している2人の間に入る気がなかったからだ。また、他の人に気がつかれると女性ファンに囲まれる可能性もあるため身を引くことが優先的であった。
(シアちゃんって心を許した相手にはこんな魅力的な顔見せるんだ)再びシアの表情が脳裏に浮かんだ。太陽のようにキラキラと輝いている笑顔。また見たくなってしまう。
(いつかボクにも・・・。)
(なんてね。)
ダイゴはクスりと小さく笑うとデパート裏のスタッフ玄関へと向かっ行った。
【君の笑顔は忙しさを忘れるぐらい】
END