本編③~カナズミシティの夜 クラブ・フェアリー潜入編
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ここは、カナズミシティの街中ホエルコ噴水広場。
広場ではガーディーを散歩させている夫婦、ベンチでは青年が本を読んでおり彼の横にはエネコロロが丸くなりくつろいでいた。広場中央にある噴水の周りでは、小さい女の子がジグザグマと追いかけっこしている。
シアは噴水の前で辺りをぼんやりと眺めながらある人物と待ち合わせをしていた。季節は初夏となり暖かい日差しが広場を照らしていた。再び視線をPフォンに向けようとしたところ足元にいたチルットがパタパタと羽を振りながら「ピュイ」と鳴き始めた。
チルットの視線に目を向けるとそこには(わざわいポケモン)アブソルがこちらを興味深そうに見つめていた。しっぽをゆっくりと振っている。シアは見覚えがあるアブソルを見ると微笑んだ。
「あ、アブソル久しぶり!元気にしてた?」
アブソルはシアを見るとブルルと身震いをすると駆け寄って行った。シアはアブソルの頭を撫でた後背中を優しく撫でる。毛並みは綺麗に整いられており光沢が出ている。柔らかくシルキータッチの手触りである。アブソルの相変わらずの美しい毛並にうっとりしていたシアに何者かが近寄ってきた。
「あ~っ!ステキなミニョンヌ発見!!」
「その声はリヒトちゃんだな!」
シアが声に気づき振り向くとそこには紅桔梗色のツインテール、アメジスト色の目が特徴的なイエローのワンピース姿の女の子が微笑みながら立っていた。
「サリュ!シアちゃん久しぶり!」
シアはリヒトの笑顔を見ると安心し微笑み返す。
「久しぶり~!こうして会うの1年ぶりぐらいだよね?」
「会いたかった~!相変わらず元気そうでよかったよ!」
シアとリヒトは親友同士で一か月に一回程度電話で話す仲ではあるが、リヒトはホウエン地方から遠いカロス地方に住んでおりお互い仕事の関係もあり直接会うことはしばらくできていなかった。
「私もシアちゃんに会いたかったよ!」
「昨日の夜なんて楽しみにしすぎてなかなか眠れなかったんだよ~!」
「そう言えばこの前ミアレでやってたトライポカロン マスターズクラスの大会放送テレビで見てたよ」
「会場ミアレシティだったよね。3連覇おめでとう!さすがカロスクイーン候補者だね」
「すごいな~!私感動しちゃった」
トライポカロンとは、ポケモンの魅力やトレーナーとポケモンとのパートナーシップをパフォーマンスで魅せる大会である。カロス地方発祥であるが今では各地方で開催されるほど大きな大会になっている。
「えへへ、ありがとう」
「クイーンに挑むのはまだまだなんだけどね」
「だけどここまで来たからにはポケモン達と駆け上がるしかないわ!」
リヒトはガッツポーズを見せながらゆっくりと頷く。リヒトはトライポカロンマスターズクラスでも優秀で時期の頂点であるカロスクイーン候補の一人に選ばれている。最近はそのためかメディアでも注目されている。
「シアちゃんも続けてるんでしょ?探偵さん」
「困った人やポケモン達の力になってるなんて私尊敬しちゃう」
「そんな大したことしてないよ~。」
「ただ、最近私やっと探偵として人の役に立ててるかもって実感できるようになれたかな」
「うんうんその意気!」
「お互いまた成長したって感じね」
リヒトはシアの仕事に対して前向きな話が聞けて安堵した。
「そう言えば、今日はリップさんのコスメをカナズミデパートに買いにわざわざホウエンに来たんだったよね」
「そうそう!リップさんのブランドコスメは超神なのばっかりでホウエン地方限定コスメが期間限定で販売されるって聞いて飛んできちゃった」
リヒトは、コスメ集めが趣味であり中でもパルデア地方のベイクタウンのジムリーダーであるリップがプロデュースしているコスメブランドがお気に入りである。
「リヒトちゃん新作のレアコスメまで把握済みなんて。さすが今をときめくインフルエンサーでもあるね!」
「ふふふ、SNSでも絶賛急上昇中です!」
「と言うことで、限定コスメは早く売り切れちゃうから早めに並びに行こう!」
シアとリヒトはホエルコ噴水広場を離れカナズミデパートを目指して歩き始めた。お互いの思い出話やポケモンの話しで会話が弾む。
「やっぱりホウエンは初夏でももう暑いね~」
リヒトは少し汗ばむのか手をパタパタさせる。
「ほんと、シンオウ地方から来たばかりはすでにバテてたよ。私でも最近やっと慣れた感じだよ」
「そう言えばメッセージで言ってた私にお願いって何?」
「ああ、それはね・・・。」
シアは先日マツヨにバーで言われた内容をリヒトに話した。
「ナンバーワンキャバ嬢の格好をしないとポケモンバトルをしないってどういうことぉ~!?」
「ほんと厄介な相手なんだよね。どこか自信満々そうで」
「しかも、シアちゃんをヒンバス呼びするなんて」
「そんなのヒンバスにもシアちゃんにも失礼すぎる!」
「ヒンバスは見た目は地味だけど可能性を持った立派なポケモンだもの」
「そこで、リヒトちゃんに頼みたいことがあって」
「ぜひ、メイク方を教えて頂きたいのです~!」
「ファッションやメイクに詳しいリヒトちゃんならアドバイスをして頂けるかなと思って。」
「どうか、お願いします!」
シアは手を合わせながら上目遣いでリヒトを見つめる。リヒトは腕を組むと首を少し傾げ考え始めた。
「ん~、私は別にキャバ嬢さんのメイクについては詳しくないけど
映えるメイクについては自信あるからもしかしたら力になれるかも」
「ほんと?ありがとう!」
「よろしくお願いします!」
「リヒトちゃんにしか頼めないお願いだから助かるよ~!」
「ウィ!シアちゃんをミロカロスも驚くぐらい可愛く変身させちゃうよ」
シアはリヒトに悩みを打ち明けてよかったと安堵しますます彼女への期待が高まった。
話をしているうちに二人はカナズミデパートの入り口についた。限定コスメを手に入れようとすでにたくさんの人が入口前で並んでいた。二人は早速列の最後尾から並び始めた。
「開店1時間前なのに凄い人だね!」
シアは辺りを見渡しながら目を丸くする。
「やっぱりみんな限定コスメをゲットしようと必死なんだわ」
「長く並ぶからポケモンバトルみたいに忍耐が必要だよ」
「でも、こうして並んでるとシアちゃんと初めてあった日を思い出すな」リヒトはシアと初めて出会った日のことを思い出した。
「私覚えているよ。あの時はタマムシデパートで開店開始わずか5分でコスメが売り切れちゃったんだよね!」
「そうそう、事前に在庫は豊富にあったはずだなのにね」
「ちょうど私の番になったときに売り切れてしまって私が買い占めたんじゃないかと周りに疑われちゃってね」
「結局、それはデパートの店員が実は転売ヤーで盗んでたんだよね」
「あの時、シアちゃんが犯人を見つけ出してくれたお陰で助かったよ」
「警備のガーディーの目を盗んで犯行をしていたんだったね。あの店員は本当に悪質な常習犯だったよね。」
「災難だったけど疑いが晴れて無事コスメも買えたし、こうしてシアちゃんにも出会えたから結果ハッピーな日だったよ」
昔話に花が咲き始めた頃、順番が徐々に近づき二人は整理券を受け取った。
「ついにきた!!」
リヒトは整理券を受け取ると嬉しさのあまり小さく跳ねた。
「整理券とパンフレットを渡されるといよいよって感じでワクワクするよね!」
2人はパンフレットを開き眺めた。
№.1 大地の目覚めグラードンルビーレッドリップΩ
№2海の神秘カイオーガサファイアブルーアイシャドウα
№3天翔る覇者レックウザエメラルドフェイスパウダーΔ
全部買うとノベルティで『ファウンスのジラーチねがいごとパフューム』がついてくる。
「みんなとってもオシャレデザインだね。リヒトちゃんはどれを買うの?」
「もちろん全部買うよ!」
「さすがだね!私はどれにしようかな?」
「どれも個性的なカラーだよね」
「私使いこなせるかな・・・。」
「シアちゃんって普段はどんな感じでコスメを選んでるの?」
「私は、普段はナチュラルメイクがほとんどかな。尾行調査でも相手に印象を持たれないようにする為にもね。」
「でも、最近プライベートでも一緒なメイクになっちゃうかな」
「本当はもっと挑戦してみたいなって思うんだけどなかなか勇気がでなくて」
「よ~っし!じゃあ今日は私と一緒に冒険してみよっか!」
「冒険?」
シアは意外な言葉が出てくるとリヒトに首を傾げた。
「ポケモンもメイクも新しいことを見つけるには冒険が必要だよね」
「今日はシアちゃんに冒険をしてもらいま~す!」
「ということでシアちゃん、まずは全色買ってみようか!」
「え、全部?使ったことないカラーとかあるのに?」
「ブルーのアイシャドウなんて明るすぎて使ったことないよ」
シアは首を左右に振りながら驚く。もし失敗して変な顔になるのではないかと不安に思っていたからだ。
「だからこそ使ってみるの!」
「ブルーのアイシャドウは明るいイメージだけでなくセクシーな大人な印象もでるんだよ」
「そうなんだ!あえていつもとは違うコスメを使ってみるってことね。」
「リヒトちゃんわかった!私使ってみるよ」
長い列も終わりが見えついに2人が購入する番になった。在庫はありお互い無事コスメを手に入れることができた。購入すると二人は一旦カナズミデパートを出た。
「ホウエン限定コスメゲットですっ!」
リヒトはピースサインを上に上げポーズを決めた。すると、どこからか声が聞こえた。
「あれ、あの人もしかしてリヒトさんじゃない!?」
「え、もしかしてポケモンパフォーマーマスターズクラスの?」
「そうだよ、間違いないリヒトさんだ!」
するとリヒトとシアの周りにあっという間に人だかりができた。
「ええ、すごい人だかり!」
シアは急にたくさんの人に囲まれ焦り始めた。大勢の人に囲まれるのはほとんど経験がないためどうしていいかわからなくなる。リヒトはたじろいでいるシアを見つめると「大丈夫だよ」とつぶやき微笑む。
「そうだよ、リヒトで~す!」
「絶賛ホウエンでプライベート中!」
リヒトは沢山の人たちに囲まれていても物怖じせずくるっとターンした後ピースサインをして見せた。
「リヒトさん!私ファンなんです!!」
「サインください!」
「キャ~!本物のリヒトさんだ!」
歓声と黄色い声がリヒトを包むがリヒトは笑顔で対応する。
「リヒトちゃん凄いな。こんなにファンがいっぱいで」
「すっかり有名人になっちゃってる」
シアはファンに囲まれているリヒトを眺めながら感心していた。
友人が有名人になっていく様子を見るのはとても嬉しいことだ。
すると、一人のファンが突然手を上げた。
「リヒトさんフライゴン見せて!」
「いいよ!特別に見せてあげちゃう!」
突然の要望にリヒトは嫌な顔一つもせずに笑顔で返答するとくるっとターンしながらゴージャスボールを投げる。
ボールが開かれると中からキラキラと光とともにフライゴンが現れた。フライゴンは飛び立つとリヒトの頭上を回りながら飛んでいた。
「フライゴン、すなあらし!」
「アブソル、スピードスター!」
フライゴンは大きく羽ばたかせると化粧砂のような細かい砂が竜巻のように舞い上がった。するとアブソルがタイミングよく砂の竜巻にスピードスターを放つ。スターの形がした光線がすなあらしで舞い上がり輝きを放ちながら流れ星のように辺りに落ちてきた。
「わぁ~!キレイ!!」
「すご~い!、流れ星みたい!」
瞬く間に辺りは拍手喝采で包まれた。
リヒトは技が決まると一礼をしポケモン達をボールにしまう。
「みんなありがとう!」
「次のトライポカロン大会は来月だよ」
「みんな私のパフォーマンスをぜひ見てね!」
リヒトはそう言うとウインクして見せた。
「リヒトさんありがとう!次の大会絶対見るよ!」
「楽しみにして待ってます」
周りにいたファンたちはリヒトと握手をすると帰っていった。人だかりが消えるとリヒトは「さて、ポケモンも絶好調だったし他のコスメを探しに行こうか!」とシアの手を引くと再びカナズミデパートへ入っていった。
しばらくシアとリヒトはコスメコーナーにてコスメ選びを楽しんだ後新しいコスメを試すためにフィッティングルームに来た。
「思ったよりたくさん買っちゃったね」
シアは購入したコスメを並べ一つずつ手に取りながら眺めなる。
「コスメって不思議よねどれを見てもときめいちゃう。まるでポケモンみたい」
「よーし!私がシアちゃんをもっと可愛くメイクしてあげる!」
リヒトはシアと一緒にフィッティングルームの鏡に映る自分たちを眺めながら微笑んだ。
「よろしくお願いします!」
シアはリヒトに期待のまなざしを向けながら微笑んだ。
リヒトは慣れた手つきでコスメを使い分けながらシアの顔ををまるでパレットの様にしメイクをし始める。シアはリヒトがコスメ選びに迷いがなく手際よく行っている様を見て感心していた。
「ジャ~ン、完成!」
メイクが完成しリヒトは拍手をする。
真っ赤で艶やかな唇。淡いブルーのアイシャドウでセクシーに見える目元。フェイスパウダーで明るい印象になった肌。どれもカラーバランスがよくメイクアップされている。シアはまじまじと鏡に映った自分の顔を見つめる。
「信じられない!なんだか私じゃないみたい・・・。」
「すごいよ、リヒトちゃん!」
「知らない自分に出会えたでしょ?」
喜ぶシアをリヒトは得意げに腕を組みながら見つめたあとある提案をした。
「せっかくだから写真撮ろうよ!」
「ポーズもしよう!」
「今SNSで流行ってるのはねこれ。」
そう言うと両手を軽く握り曲げ顎の前に持っていきポーズをして見せた。
「小悪魔デルビルポーズ。シアちゃんもやってみて!」
「あ、そのポーズ見たことある!みんなやってるよね」
「私もやる~!」
シアも同じポーズを見せるとリヒトはスマホロトムを取り出し撮影し始めた。
「撮るよ!はい、ビクティニ!」
撮った写真を早速見る。
「めっちゃかわいい!」
「これなら世の男性達のハートもエキサイト間違いなし!」
「さて、メイクも終わったことだしそろそろ休憩しない?」
「賛成!」
シアとリヒトはカナズミデパートを離れ通りにあるカフェに入った。
カフェでは、リヒトはレモンパイとロズレイティーをシアはいちごのタルトとグランブルマウンテンマイルド食べながらポケモンの話やファッションの話をしていた。二人のテーブルの下では、アブソルとヘルガーが仲良くポケモンフーズを食べていた。
「ここのケーキ美味しい~」
「今度シトロンくんとホウエン来た時に連れて行ってあげようかな。」
「最近、シトロンくんとはどうなの?」
「絶賛アツアツ中です!」
「だけど、シトロンくんったら最近また新しい発明が成功しそうとか言っててなかなお外に出てくれなくてここのところデートはずっと研究室ばっかりなの~」
「あはは、シトロンくんらしいね。」
「きっとリヒトちゃんを喜ばせようとしてるんだよ。」
「そうだといいんだけどね」
リヒトはマドラーでロズレイティーを静かにかき混ぜる。
「シアちゃんは最近どう?素敵な人見つけた?」
「ん~、ここのところずっとお仕事でなかなかそれどころではなかったかな」
「そんな~、勿体ないよシアちゃんかわいいのに絶対振り向かない男性なんているわけないじゃん。」
「褒めてくれてありがとう。けど今は仕事に集中したくて彼氏をつくりたい気分じゃないんだよね」
そう言うとシアはゆっくりグランブルマウンテンを飲むと口を開いた。
「ただ、最近、私の仕事をサポートしてくれる人がいてその人とお仕事をしているとなんだか頑張れる自分になれるんだよね。別に恋愛感情とかじゃないんだけど」なんとなくダイゴの顔が思い浮かぶ。
「シアちゃんそれってラブだよ!ラブ!!」
「え、そうかな?全然そう思ってないけど」
「私の恋愛センサーがビビット反応しちゃった」
「きっとその人もシアちゃんのこと思ってくれているからお仕事もサポートしてくれてるんだよ」
「そんなの心の中にシアちゃんがいないとできないことだよ!」
「そうなのかな?」
リヒトに言われダイゴの行動を思い出していた。ツワブキ邸やデボンコーポレーション調査の時も自分の近くにはいつもダイゴが寄り添っていた。普通の依頼人ならお客として来ているので探偵に任せきりであるのがほとんどだ。しかしダイゴは今までの依頼人とは全く違うタイプだ。今回のクラブ・フェアリー調査でも彼が同伴することになっている。
(そう言えばなんであの人いつも私の近くにいるんだろう。)
ライボルトに襲われたときメタグロスで応戦していた彼の横顔を思い出し始めた時だった。
「シアちゃんおーい!」
考え事をして遠くを見ているシアをみてリヒトは顔の前に手を振って見せ気づかせようとする。
「あ、ごめん。ぼーっとしてた。」
我に返ると苦笑いして見せる。
「大丈夫、乙女はよく思いにふけるものよね」
「もうすっかり薄暗くなっできちゃったね。そろそろ出ようか。」
2人はカフェを後にしカナズミシティ郊外の浜辺に来ていた。浜辺ではキャモメ達が群れになり始め防波堤に集まり始めていた。海ではホエルコ達が寝る準備を始めており浅瀬付近に浮かび始めている。時々潮を吹いている。ヘルガーとアブソルは広い砂浜で追いかけっこをしていた。
「あっという間だったね。リヒトちゃん今日は手伝ってくれてありがとう。おかげで自信がついたよ。今日教えてくれたメイクだったらきっとマツヨさんも納得してくれると思う。」
「私こそ久しぶりにシアちゃんとホウエンで遊べて嬉しかった!
限定コスメも買えたしシアちゃんをメイクするの凄く楽しかった」
「また、ホウエンに遊びに来たらよろしくね!ミアレシティにも遊びに来てねいつでも大歓迎だよ!
「うん!次は私がリヒトちゃんに会いにミアレシティに遊びに行くね。それまでに探偵としてポケモンたちと成長できるようにもっとホウエンで頑張るよ。」
「私も次シアちゃんに会える時はマスターズランク1位になれるようにポケモン達と頑張っちゃうよ!」
2人は見つめ合うと笑いあった。笑い声は波の音に乗りながら静かに遠くへ響いていった。
「見て!綺麗!!」
リヒトは沖の方の太陽を指さして笑て見せた。沖を見ると真っ赤な太陽が水平線に沈み始めていた。辺りはオレンジ色に包まれていた。夕日に照らされた水面はキラキラと宝石のように輝いていた。
「夕陽が、炎みたい。まるで私たちの情熱を現してるみたいだね。」
「リヒトちゃんこれからもよろしく。私はずっとリヒトちゃんの友達だよ。」
シアは腕を前に上げて見せた。リヒトはシアを見ると上げた手にハイタッチをする。
「こちらこそ、これからもずっとよろしくねシアちゃん。応援してるよ!」
「それと、今度こそは素敵な人と結ばれたらいいね。」
リヒトはニッと笑う。
夕陽は2人を照らした後静かに沈んで行った。
【恋も友情もポケモンも楽しんでアラモード☆】
◀◀ To Be Continued
sideストーリー【本編chapter17 side~ダイゴとカナズミデパート】公開中!
広場ではガーディーを散歩させている夫婦、ベンチでは青年が本を読んでおり彼の横にはエネコロロが丸くなりくつろいでいた。広場中央にある噴水の周りでは、小さい女の子がジグザグマと追いかけっこしている。
シアは噴水の前で辺りをぼんやりと眺めながらある人物と待ち合わせをしていた。季節は初夏となり暖かい日差しが広場を照らしていた。再び視線をPフォンに向けようとしたところ足元にいたチルットがパタパタと羽を振りながら「ピュイ」と鳴き始めた。
チルットの視線に目を向けるとそこには(わざわいポケモン)アブソルがこちらを興味深そうに見つめていた。しっぽをゆっくりと振っている。シアは見覚えがあるアブソルを見ると微笑んだ。
「あ、アブソル久しぶり!元気にしてた?」
アブソルはシアを見るとブルルと身震いをすると駆け寄って行った。シアはアブソルの頭を撫でた後背中を優しく撫でる。毛並みは綺麗に整いられており光沢が出ている。柔らかくシルキータッチの手触りである。アブソルの相変わらずの美しい毛並にうっとりしていたシアに何者かが近寄ってきた。
「あ~っ!ステキなミニョンヌ発見!!」
「その声はリヒトちゃんだな!」
シアが声に気づき振り向くとそこには紅桔梗色のツインテール、アメジスト色の目が特徴的なイエローのワンピース姿の女の子が微笑みながら立っていた。
「サリュ!シアちゃん久しぶり!」
シアはリヒトの笑顔を見ると安心し微笑み返す。
「久しぶり~!こうして会うの1年ぶりぐらいだよね?」
「会いたかった~!相変わらず元気そうでよかったよ!」
シアとリヒトは親友同士で一か月に一回程度電話で話す仲ではあるが、リヒトはホウエン地方から遠いカロス地方に住んでおりお互い仕事の関係もあり直接会うことはしばらくできていなかった。
「私もシアちゃんに会いたかったよ!」
「昨日の夜なんて楽しみにしすぎてなかなか眠れなかったんだよ~!」
「そう言えばこの前ミアレでやってたトライポカロン マスターズクラスの大会放送テレビで見てたよ」
「会場ミアレシティだったよね。3連覇おめでとう!さすがカロスクイーン候補者だね」
「すごいな~!私感動しちゃった」
トライポカロンとは、ポケモンの魅力やトレーナーとポケモンとのパートナーシップをパフォーマンスで魅せる大会である。カロス地方発祥であるが今では各地方で開催されるほど大きな大会になっている。
「えへへ、ありがとう」
「クイーンに挑むのはまだまだなんだけどね」
「だけどここまで来たからにはポケモン達と駆け上がるしかないわ!」
リヒトはガッツポーズを見せながらゆっくりと頷く。リヒトはトライポカロンマスターズクラスでも優秀で時期の頂点であるカロスクイーン候補の一人に選ばれている。最近はそのためかメディアでも注目されている。
「シアちゃんも続けてるんでしょ?探偵さん」
「困った人やポケモン達の力になってるなんて私尊敬しちゃう」
「そんな大したことしてないよ~。」
「ただ、最近私やっと探偵として人の役に立ててるかもって実感できるようになれたかな」
「うんうんその意気!」
「お互いまた成長したって感じね」
リヒトはシアの仕事に対して前向きな話が聞けて安堵した。
「そう言えば、今日はリップさんのコスメをカナズミデパートに買いにわざわざホウエンに来たんだったよね」
「そうそう!リップさんのブランドコスメは超神なのばっかりでホウエン地方限定コスメが期間限定で販売されるって聞いて飛んできちゃった」
リヒトは、コスメ集めが趣味であり中でもパルデア地方のベイクタウンのジムリーダーであるリップがプロデュースしているコスメブランドがお気に入りである。
「リヒトちゃん新作のレアコスメまで把握済みなんて。さすが今をときめくインフルエンサーでもあるね!」
「ふふふ、SNSでも絶賛急上昇中です!」
「と言うことで、限定コスメは早く売り切れちゃうから早めに並びに行こう!」
シアとリヒトはホエルコ噴水広場を離れカナズミデパートを目指して歩き始めた。お互いの思い出話やポケモンの話しで会話が弾む。
「やっぱりホウエンは初夏でももう暑いね~」
リヒトは少し汗ばむのか手をパタパタさせる。
「ほんと、シンオウ地方から来たばかりはすでにバテてたよ。私でも最近やっと慣れた感じだよ」
「そう言えばメッセージで言ってた私にお願いって何?」
「ああ、それはね・・・。」
シアは先日マツヨにバーで言われた内容をリヒトに話した。
「ナンバーワンキャバ嬢の格好をしないとポケモンバトルをしないってどういうことぉ~!?」
「ほんと厄介な相手なんだよね。どこか自信満々そうで」
「しかも、シアちゃんをヒンバス呼びするなんて」
「そんなのヒンバスにもシアちゃんにも失礼すぎる!」
「ヒンバスは見た目は地味だけど可能性を持った立派なポケモンだもの」
「そこで、リヒトちゃんに頼みたいことがあって」
「ぜひ、メイク方を教えて頂きたいのです~!」
「ファッションやメイクに詳しいリヒトちゃんならアドバイスをして頂けるかなと思って。」
「どうか、お願いします!」
シアは手を合わせながら上目遣いでリヒトを見つめる。リヒトは腕を組むと首を少し傾げ考え始めた。
「ん~、私は別にキャバ嬢さんのメイクについては詳しくないけど
映えるメイクについては自信あるからもしかしたら力になれるかも」
「ほんと?ありがとう!」
「よろしくお願いします!」
「リヒトちゃんにしか頼めないお願いだから助かるよ~!」
「ウィ!シアちゃんをミロカロスも驚くぐらい可愛く変身させちゃうよ」
シアはリヒトに悩みを打ち明けてよかったと安堵しますます彼女への期待が高まった。
話をしているうちに二人はカナズミデパートの入り口についた。限定コスメを手に入れようとすでにたくさんの人が入口前で並んでいた。二人は早速列の最後尾から並び始めた。
「開店1時間前なのに凄い人だね!」
シアは辺りを見渡しながら目を丸くする。
「やっぱりみんな限定コスメをゲットしようと必死なんだわ」
「長く並ぶからポケモンバトルみたいに忍耐が必要だよ」
「でも、こうして並んでるとシアちゃんと初めてあった日を思い出すな」リヒトはシアと初めて出会った日のことを思い出した。
「私覚えているよ。あの時はタマムシデパートで開店開始わずか5分でコスメが売り切れちゃったんだよね!」
「そうそう、事前に在庫は豊富にあったはずだなのにね」
「ちょうど私の番になったときに売り切れてしまって私が買い占めたんじゃないかと周りに疑われちゃってね」
「結局、それはデパートの店員が実は転売ヤーで盗んでたんだよね」
「あの時、シアちゃんが犯人を見つけ出してくれたお陰で助かったよ」
「警備のガーディーの目を盗んで犯行をしていたんだったね。あの店員は本当に悪質な常習犯だったよね。」
「災難だったけど疑いが晴れて無事コスメも買えたし、こうしてシアちゃんにも出会えたから結果ハッピーな日だったよ」
昔話に花が咲き始めた頃、順番が徐々に近づき二人は整理券を受け取った。
「ついにきた!!」
リヒトは整理券を受け取ると嬉しさのあまり小さく跳ねた。
「整理券とパンフレットを渡されるといよいよって感じでワクワクするよね!」
2人はパンフレットを開き眺めた。
№.1 大地の目覚めグラードンルビーレッドリップΩ
№2海の神秘カイオーガサファイアブルーアイシャドウα
№3天翔る覇者レックウザエメラルドフェイスパウダーΔ
全部買うとノベルティで『ファウンスのジラーチねがいごとパフューム』がついてくる。
「みんなとってもオシャレデザインだね。リヒトちゃんはどれを買うの?」
「もちろん全部買うよ!」
「さすがだね!私はどれにしようかな?」
「どれも個性的なカラーだよね」
「私使いこなせるかな・・・。」
「シアちゃんって普段はどんな感じでコスメを選んでるの?」
「私は、普段はナチュラルメイクがほとんどかな。尾行調査でも相手に印象を持たれないようにする為にもね。」
「でも、最近プライベートでも一緒なメイクになっちゃうかな」
「本当はもっと挑戦してみたいなって思うんだけどなかなか勇気がでなくて」
「よ~っし!じゃあ今日は私と一緒に冒険してみよっか!」
「冒険?」
シアは意外な言葉が出てくるとリヒトに首を傾げた。
「ポケモンもメイクも新しいことを見つけるには冒険が必要だよね」
「今日はシアちゃんに冒険をしてもらいま~す!」
「ということでシアちゃん、まずは全色買ってみようか!」
「え、全部?使ったことないカラーとかあるのに?」
「ブルーのアイシャドウなんて明るすぎて使ったことないよ」
シアは首を左右に振りながら驚く。もし失敗して変な顔になるのではないかと不安に思っていたからだ。
「だからこそ使ってみるの!」
「ブルーのアイシャドウは明るいイメージだけでなくセクシーな大人な印象もでるんだよ」
「そうなんだ!あえていつもとは違うコスメを使ってみるってことね。」
「リヒトちゃんわかった!私使ってみるよ」
長い列も終わりが見えついに2人が購入する番になった。在庫はありお互い無事コスメを手に入れることができた。購入すると二人は一旦カナズミデパートを出た。
「ホウエン限定コスメゲットですっ!」
リヒトはピースサインを上に上げポーズを決めた。すると、どこからか声が聞こえた。
「あれ、あの人もしかしてリヒトさんじゃない!?」
「え、もしかしてポケモンパフォーマーマスターズクラスの?」
「そうだよ、間違いないリヒトさんだ!」
するとリヒトとシアの周りにあっという間に人だかりができた。
「ええ、すごい人だかり!」
シアは急にたくさんの人に囲まれ焦り始めた。大勢の人に囲まれるのはほとんど経験がないためどうしていいかわからなくなる。リヒトはたじろいでいるシアを見つめると「大丈夫だよ」とつぶやき微笑む。
「そうだよ、リヒトで~す!」
「絶賛ホウエンでプライベート中!」
リヒトは沢山の人たちに囲まれていても物怖じせずくるっとターンした後ピースサインをして見せた。
「リヒトさん!私ファンなんです!!」
「サインください!」
「キャ~!本物のリヒトさんだ!」
歓声と黄色い声がリヒトを包むがリヒトは笑顔で対応する。
「リヒトちゃん凄いな。こんなにファンがいっぱいで」
「すっかり有名人になっちゃってる」
シアはファンに囲まれているリヒトを眺めながら感心していた。
友人が有名人になっていく様子を見るのはとても嬉しいことだ。
すると、一人のファンが突然手を上げた。
「リヒトさんフライゴン見せて!」
「いいよ!特別に見せてあげちゃう!」
突然の要望にリヒトは嫌な顔一つもせずに笑顔で返答するとくるっとターンしながらゴージャスボールを投げる。
ボールが開かれると中からキラキラと光とともにフライゴンが現れた。フライゴンは飛び立つとリヒトの頭上を回りながら飛んでいた。
「フライゴン、すなあらし!」
「アブソル、スピードスター!」
フライゴンは大きく羽ばたかせると化粧砂のような細かい砂が竜巻のように舞い上がった。するとアブソルがタイミングよく砂の竜巻にスピードスターを放つ。スターの形がした光線がすなあらしで舞い上がり輝きを放ちながら流れ星のように辺りに落ちてきた。
「わぁ~!キレイ!!」
「すご~い!、流れ星みたい!」
瞬く間に辺りは拍手喝采で包まれた。
リヒトは技が決まると一礼をしポケモン達をボールにしまう。
「みんなありがとう!」
「次のトライポカロン大会は来月だよ」
「みんな私のパフォーマンスをぜひ見てね!」
リヒトはそう言うとウインクして見せた。
「リヒトさんありがとう!次の大会絶対見るよ!」
「楽しみにして待ってます」
周りにいたファンたちはリヒトと握手をすると帰っていった。人だかりが消えるとリヒトは「さて、ポケモンも絶好調だったし他のコスメを探しに行こうか!」とシアの手を引くと再びカナズミデパートへ入っていった。
しばらくシアとリヒトはコスメコーナーにてコスメ選びを楽しんだ後新しいコスメを試すためにフィッティングルームに来た。
「思ったよりたくさん買っちゃったね」
シアは購入したコスメを並べ一つずつ手に取りながら眺めなる。
「コスメって不思議よねどれを見てもときめいちゃう。まるでポケモンみたい」
「よーし!私がシアちゃんをもっと可愛くメイクしてあげる!」
リヒトはシアと一緒にフィッティングルームの鏡に映る自分たちを眺めながら微笑んだ。
「よろしくお願いします!」
シアはリヒトに期待のまなざしを向けながら微笑んだ。
リヒトは慣れた手つきでコスメを使い分けながらシアの顔ををまるでパレットの様にしメイクをし始める。シアはリヒトがコスメ選びに迷いがなく手際よく行っている様を見て感心していた。
「ジャ~ン、完成!」
メイクが完成しリヒトは拍手をする。
真っ赤で艶やかな唇。淡いブルーのアイシャドウでセクシーに見える目元。フェイスパウダーで明るい印象になった肌。どれもカラーバランスがよくメイクアップされている。シアはまじまじと鏡に映った自分の顔を見つめる。
「信じられない!なんだか私じゃないみたい・・・。」
「すごいよ、リヒトちゃん!」
「知らない自分に出会えたでしょ?」
喜ぶシアをリヒトは得意げに腕を組みながら見つめたあとある提案をした。
「せっかくだから写真撮ろうよ!」
「ポーズもしよう!」
「今SNSで流行ってるのはねこれ。」
そう言うと両手を軽く握り曲げ顎の前に持っていきポーズをして見せた。
「小悪魔デルビルポーズ。シアちゃんもやってみて!」
「あ、そのポーズ見たことある!みんなやってるよね」
「私もやる~!」
シアも同じポーズを見せるとリヒトはスマホロトムを取り出し撮影し始めた。
「撮るよ!はい、ビクティニ!」
撮った写真を早速見る。
「めっちゃかわいい!」
「これなら世の男性達のハートもエキサイト間違いなし!」
「さて、メイクも終わったことだしそろそろ休憩しない?」
「賛成!」
シアとリヒトはカナズミデパートを離れ通りにあるカフェに入った。
カフェでは、リヒトはレモンパイとロズレイティーをシアはいちごのタルトとグランブルマウンテンマイルド食べながらポケモンの話やファッションの話をしていた。二人のテーブルの下では、アブソルとヘルガーが仲良くポケモンフーズを食べていた。
「ここのケーキ美味しい~」
「今度シトロンくんとホウエン来た時に連れて行ってあげようかな。」
「最近、シトロンくんとはどうなの?」
「絶賛アツアツ中です!」
「だけど、シトロンくんったら最近また新しい発明が成功しそうとか言っててなかなお外に出てくれなくてここのところデートはずっと研究室ばっかりなの~」
「あはは、シトロンくんらしいね。」
「きっとリヒトちゃんを喜ばせようとしてるんだよ。」
「そうだといいんだけどね」
リヒトはマドラーでロズレイティーを静かにかき混ぜる。
「シアちゃんは最近どう?素敵な人見つけた?」
「ん~、ここのところずっとお仕事でなかなかそれどころではなかったかな」
「そんな~、勿体ないよシアちゃんかわいいのに絶対振り向かない男性なんているわけないじゃん。」
「褒めてくれてありがとう。けど今は仕事に集中したくて彼氏をつくりたい気分じゃないんだよね」
そう言うとシアはゆっくりグランブルマウンテンを飲むと口を開いた。
「ただ、最近、私の仕事をサポートしてくれる人がいてその人とお仕事をしているとなんだか頑張れる自分になれるんだよね。別に恋愛感情とかじゃないんだけど」なんとなくダイゴの顔が思い浮かぶ。
「シアちゃんそれってラブだよ!ラブ!!」
「え、そうかな?全然そう思ってないけど」
「私の恋愛センサーがビビット反応しちゃった」
「きっとその人もシアちゃんのこと思ってくれているからお仕事もサポートしてくれてるんだよ」
「そんなの心の中にシアちゃんがいないとできないことだよ!」
「そうなのかな?」
リヒトに言われダイゴの行動を思い出していた。ツワブキ邸やデボンコーポレーション調査の時も自分の近くにはいつもダイゴが寄り添っていた。普通の依頼人ならお客として来ているので探偵に任せきりであるのがほとんどだ。しかしダイゴは今までの依頼人とは全く違うタイプだ。今回のクラブ・フェアリー調査でも彼が同伴することになっている。
(そう言えばなんであの人いつも私の近くにいるんだろう。)
ライボルトに襲われたときメタグロスで応戦していた彼の横顔を思い出し始めた時だった。
「シアちゃんおーい!」
考え事をして遠くを見ているシアをみてリヒトは顔の前に手を振って見せ気づかせようとする。
「あ、ごめん。ぼーっとしてた。」
我に返ると苦笑いして見せる。
「大丈夫、乙女はよく思いにふけるものよね」
「もうすっかり薄暗くなっできちゃったね。そろそろ出ようか。」
2人はカフェを後にしカナズミシティ郊外の浜辺に来ていた。浜辺ではキャモメ達が群れになり始め防波堤に集まり始めていた。海ではホエルコ達が寝る準備を始めており浅瀬付近に浮かび始めている。時々潮を吹いている。ヘルガーとアブソルは広い砂浜で追いかけっこをしていた。
「あっという間だったね。リヒトちゃん今日は手伝ってくれてありがとう。おかげで自信がついたよ。今日教えてくれたメイクだったらきっとマツヨさんも納得してくれると思う。」
「私こそ久しぶりにシアちゃんとホウエンで遊べて嬉しかった!
限定コスメも買えたしシアちゃんをメイクするの凄く楽しかった」
「また、ホウエンに遊びに来たらよろしくね!ミアレシティにも遊びに来てねいつでも大歓迎だよ!
「うん!次は私がリヒトちゃんに会いにミアレシティに遊びに行くね。それまでに探偵としてポケモンたちと成長できるようにもっとホウエンで頑張るよ。」
「私も次シアちゃんに会える時はマスターズランク1位になれるようにポケモン達と頑張っちゃうよ!」
2人は見つめ合うと笑いあった。笑い声は波の音に乗りながら静かに遠くへ響いていった。
「見て!綺麗!!」
リヒトは沖の方の太陽を指さして笑て見せた。沖を見ると真っ赤な太陽が水平線に沈み始めていた。辺りはオレンジ色に包まれていた。夕日に照らされた水面はキラキラと宝石のように輝いていた。
「夕陽が、炎みたい。まるで私たちの情熱を現してるみたいだね。」
「リヒトちゃんこれからもよろしく。私はずっとリヒトちゃんの友達だよ。」
シアは腕を前に上げて見せた。リヒトはシアを見ると上げた手にハイタッチをする。
「こちらこそ、これからもずっとよろしくねシアちゃん。応援してるよ!」
「それと、今度こそは素敵な人と結ばれたらいいね。」
リヒトはニッと笑う。
夕陽は2人を照らした後静かに沈んで行った。
【恋も友情もポケモンも楽しんでアラモード☆】
◀◀ To Be Continued
sideストーリー【本編chapter17 side~ダイゴとカナズミデパート】公開中!