本編③~カナズミシティの夜 クラブ・フェアリー潜入編
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デボンコーポレーションでの調査を終えシアは新たな調査に向けて準備を始めていた。なにやら思い詰めた表情を浮かべていた。
ここは喫茶ペルレイ。
平日の午後の店内は客も一段落し落ち着いた雰囲気が店内のBGMと共に流れていた。店の窓からはアゲハントのペアがのんびりと店前の花壇で休憩しているのが見える。店の看板ポケモンであるドレディアはせっせと客が去ったテーブルを拭き忙しなく手伝っていた。
「はぁ~。」
ゆっくりと深いため息を着く。
シアの長い溜息を見てチルットは小首を傾げる仕草で不思議そうに眺めていた。
「どうしたのパチリスちゃん。浮かない顔をして?」
「もしかして、乙女の恋の悩み?」
ロタラは眉間に皺を寄せてどこか考え事をしているシアの顔をニヤリと笑いながら覗き込んできた。
「ロタラさん、そんなんじゃないですよ!」
「ちょっと仕事で悩んでいることがあって」
「まぁ~、パチリスちゃんったらほんと探偵のお仕事に熱心よね~!」
「あたしなんてお仕事はルンパッパみたいににノリノリでやってるわよ~。」
ロタラはそう言うと腕をパタパタさせていたずらっぽい笑顔を向けた。
「それはロタラさんだけだと思います。」
シアは呆れた表情を見せ少しぶっきらぼうに呟いた。
「まあまあ、そんなことはさておき何を悩んでるの?」
「あたしもパチリスちゃんのお力にさせて欲しいわ」
「こう見えてもあたし、カナズミのことは結構詳しいのよ。」
「そう言えば、ロタラさんってカナズミシティ出身でしたよね?」
「そうよ~。生粋のキラキラなシティ派カナズミっこなんだから~!」
ロタラは額にピースを当ててウインクをして見せた。どうやらおちゃめなポーズを決めたようだ。
シアはロタラの言動を聞くと頭の中が明るくなった感覚を覚えた。「まてよ、ロタラさんはもしかしたら知ってるかも」聞いてみる価値があると思いゆっくりと口を開いた。
「ロタラさん、クラブ・フェアリーって店を知っていますか?」
ロタラはまさかシアの口から店の名前が出てくるとは予想もしていなかたので一瞬目を見開き驚いた様子を見せたがにこりと微笑んだ。
「クラブ・フェアリー?知ってるわよ。」
「あたし、昔そこでバイトしてたから」
「ええ!?」
「じゃあ、マツヨさんって方をご存知ですか?」
まさかロタラが店を知っており働いていた事実も知りシアは驚き思わず大声を出してしまった。店内に大声が響き渡ってしまい微睡んでいたチルットはビクッと起き上がってしまった。
「やあね、パチリスちゃん驚きすぎ~」
「知ってるわ」
「マツヨはあの店のナンバーワンキャバ嬢よ」
「そして、私の友達だもの」
ロタラはゆっくりと腕を組むと過去を語り始めた。
「あれはまだ、あたしがカロスにシェフ修行に行く前だったわ。当時あたしは留学資金集めとしてクラブフェアリーで夜のキッチンバイトをしていたの」
「あの頃はまだマツヨが夜の嬢を始めた頃だったわ」
「当時は仕事終わりにマツヨとよく昼まで喫茶店で話してたこともあったわね」
「ロタラさんとマツヨさんは仲が良かったんですね」
シアは興味深そうにロタラの思い出話に耳を傾けていた。
「ええ、あの頃はお互い夜の仕事を始めたばかりだったから話し合える人がいなくてね。同じ店だったし話したら意気投合しちゃってね~。」
「ただ、私がカロスに行ってからはあまり連絡しなくなっちゃったけどね」
「それで、マツヨがどうかしたの?」
「まさかシアちゃんが知っているとは思わなかったわ」
シアは少し迷ったがロタラにダイキアドバイスのこととオトギリについてを話した。
「そう、それでパチリスちゃんはマツヨの店を調べようとしているのね。」
「ほんと昔からあの店はよく曲者が客としてくるわね~。ま、それだけ名の知れた店に成り上がっただけあるけれど」
「ロタラさん、マツヨさんに直接お話を伺いたいかのですがなにか手段とか知っていますか?」
「そうね~、ん~。」
ロタラはおもむろにエプロンのポケットからスマホロトムを取り出し何やら指を動かし始めた。
しばらく操作をし何かを見つけたのか突然目を輝かせ小さくはねる仕草を見せた。
「あ~!あったあった!!マツヨったらまだアカウント変えてなかったのね」
「何かありましたか?」
「マツヨの連絡先のアカウントがまだ残っていたわ!」
「パチリスちゃん、私からマツヨに連絡してあげる」
「え、本当ですか!?ありがとうございます!」
「まさか、こんな繋がりがあるだなんて思ってもいませんでした」
ロタラとマツヨが未だに繋がっていると知りシアはますますロタラに期待を持った。
「言ったでしょ?カナズミのことなら詳しいって」
「あたしもパチリスちゃんの味方なんだから」
そう言うと自信満々にシアにウィンクして見せた。
シアはロタラの陽気な仕草を見るとクスッと思わず笑みがこぼれた。シアはこの時、(勇気をだしてロタラさんに相談してよかった)と心の中で暖かいものを感じていた。
すると、当然シアの背後から「ロタラさん、ボクからもよろしくお願いします」と聞き覚えのある男性の声が聞こえた。驚いて振り向くとそこには腕を組みながら興味深そうにしているダイゴが立っていた。ダイゴの足元にはココドラが座ってくつろいでいた。
「ダイゴさん!いつからそこに居たんですか!?」
「あらやだパチリスちゃん。ダイゴさんさっきからずっと後ろの席に居たわよ。気づかなかったの?」
ロタラはキョトンとした表情を見せる。
「言っただろ、シアちゃんだけ行かせる訳には行かないからね。放っておいたら1人で行動するんじゃないかと予感がしてね。」
「でもダイゴさん。私は依頼人に危険な思いはさせたくないんです。」
「だから今回は・・・。」
シアが深刻な表情を浮かべダイゴに言いかけたその時だった。
「ディアディア~!!」
テーブル整理をしていたドレディアがシアを見ると突然陽気鳴き出し小さくステップを踏み始めた。するとシアの周りにふんわりと甘い香りが漂いながら花びらが舞い上がり始めた。舞い上がる花びらを見てシアははっと我に返った。
「ま~っ!ドレディアがパチリスちゃんに怒らないでって(はなびらのまい)を見せているわ」
「パチリスちゃん、ここはまたダイゴさんにもお願いをしてみたらどう?2人だときっともっと上手くいくわ、ね!」ロタラはシアの両肩をを両手でポンと軽く叩いた。
「何かあったらお代は高くつきますからね・・・。」
痺れを切らしシアはボソッとぶっきらぼうに呟いた。心の中では(ポケモンにまで宥められる私って恥ずかしな)と感じていた。
ダイゴは表情豊かに変わるシアにどこか興味を抱きつつ再びシアと調査ができることがわかるとほっとしていた。
「これからもよろしくね。シアちゃん」
◀◀ To Be Continued
ここは喫茶ペルレイ。
平日の午後の店内は客も一段落し落ち着いた雰囲気が店内のBGMと共に流れていた。店の窓からはアゲハントのペアがのんびりと店前の花壇で休憩しているのが見える。店の看板ポケモンであるドレディアはせっせと客が去ったテーブルを拭き忙しなく手伝っていた。
「はぁ~。」
ゆっくりと深いため息を着く。
シアの長い溜息を見てチルットは小首を傾げる仕草で不思議そうに眺めていた。
「どうしたのパチリスちゃん。浮かない顔をして?」
「もしかして、乙女の恋の悩み?」
ロタラは眉間に皺を寄せてどこか考え事をしているシアの顔をニヤリと笑いながら覗き込んできた。
「ロタラさん、そんなんじゃないですよ!」
「ちょっと仕事で悩んでいることがあって」
「まぁ~、パチリスちゃんったらほんと探偵のお仕事に熱心よね~!」
「あたしなんてお仕事はルンパッパみたいににノリノリでやってるわよ~。」
ロタラはそう言うと腕をパタパタさせていたずらっぽい笑顔を向けた。
「それはロタラさんだけだと思います。」
シアは呆れた表情を見せ少しぶっきらぼうに呟いた。
「まあまあ、そんなことはさておき何を悩んでるの?」
「あたしもパチリスちゃんのお力にさせて欲しいわ」
「こう見えてもあたし、カナズミのことは結構詳しいのよ。」
「そう言えば、ロタラさんってカナズミシティ出身でしたよね?」
「そうよ~。生粋のキラキラなシティ派カナズミっこなんだから~!」
ロタラは額にピースを当ててウインクをして見せた。どうやらおちゃめなポーズを決めたようだ。
シアはロタラの言動を聞くと頭の中が明るくなった感覚を覚えた。「まてよ、ロタラさんはもしかしたら知ってるかも」聞いてみる価値があると思いゆっくりと口を開いた。
「ロタラさん、クラブ・フェアリーって店を知っていますか?」
ロタラはまさかシアの口から店の名前が出てくるとは予想もしていなかたので一瞬目を見開き驚いた様子を見せたがにこりと微笑んだ。
「クラブ・フェアリー?知ってるわよ。」
「あたし、昔そこでバイトしてたから」
「ええ!?」
「じゃあ、マツヨさんって方をご存知ですか?」
まさかロタラが店を知っており働いていた事実も知りシアは驚き思わず大声を出してしまった。店内に大声が響き渡ってしまい微睡んでいたチルットはビクッと起き上がってしまった。
「やあね、パチリスちゃん驚きすぎ~」
「知ってるわ」
「マツヨはあの店のナンバーワンキャバ嬢よ」
「そして、私の友達だもの」
ロタラはゆっくりと腕を組むと過去を語り始めた。
「あれはまだ、あたしがカロスにシェフ修行に行く前だったわ。当時あたしは留学資金集めとしてクラブフェアリーで夜のキッチンバイトをしていたの」
「あの頃はまだマツヨが夜の嬢を始めた頃だったわ」
「当時は仕事終わりにマツヨとよく昼まで喫茶店で話してたこともあったわね」
「ロタラさんとマツヨさんは仲が良かったんですね」
シアは興味深そうにロタラの思い出話に耳を傾けていた。
「ええ、あの頃はお互い夜の仕事を始めたばかりだったから話し合える人がいなくてね。同じ店だったし話したら意気投合しちゃってね~。」
「ただ、私がカロスに行ってからはあまり連絡しなくなっちゃったけどね」
「それで、マツヨがどうかしたの?」
「まさかシアちゃんが知っているとは思わなかったわ」
シアは少し迷ったがロタラにダイキアドバイスのこととオトギリについてを話した。
「そう、それでパチリスちゃんはマツヨの店を調べようとしているのね。」
「ほんと昔からあの店はよく曲者が客としてくるわね~。ま、それだけ名の知れた店に成り上がっただけあるけれど」
「ロタラさん、マツヨさんに直接お話を伺いたいかのですがなにか手段とか知っていますか?」
「そうね~、ん~。」
ロタラはおもむろにエプロンのポケットからスマホロトムを取り出し何やら指を動かし始めた。
しばらく操作をし何かを見つけたのか突然目を輝かせ小さくはねる仕草を見せた。
「あ~!あったあった!!マツヨったらまだアカウント変えてなかったのね」
「何かありましたか?」
「マツヨの連絡先のアカウントがまだ残っていたわ!」
「パチリスちゃん、私からマツヨに連絡してあげる」
「え、本当ですか!?ありがとうございます!」
「まさか、こんな繋がりがあるだなんて思ってもいませんでした」
ロタラとマツヨが未だに繋がっていると知りシアはますますロタラに期待を持った。
「言ったでしょ?カナズミのことなら詳しいって」
「あたしもパチリスちゃんの味方なんだから」
そう言うと自信満々にシアにウィンクして見せた。
シアはロタラの陽気な仕草を見るとクスッと思わず笑みがこぼれた。シアはこの時、(勇気をだしてロタラさんに相談してよかった)と心の中で暖かいものを感じていた。
すると、当然シアの背後から「ロタラさん、ボクからもよろしくお願いします」と聞き覚えのある男性の声が聞こえた。驚いて振り向くとそこには腕を組みながら興味深そうにしているダイゴが立っていた。ダイゴの足元にはココドラが座ってくつろいでいた。
「ダイゴさん!いつからそこに居たんですか!?」
「あらやだパチリスちゃん。ダイゴさんさっきからずっと後ろの席に居たわよ。気づかなかったの?」
ロタラはキョトンとした表情を見せる。
「言っただろ、シアちゃんだけ行かせる訳には行かないからね。放っておいたら1人で行動するんじゃないかと予感がしてね。」
「でもダイゴさん。私は依頼人に危険な思いはさせたくないんです。」
「だから今回は・・・。」
シアが深刻な表情を浮かべダイゴに言いかけたその時だった。
「ディアディア~!!」
テーブル整理をしていたドレディアがシアを見ると突然陽気鳴き出し小さくステップを踏み始めた。するとシアの周りにふんわりと甘い香りが漂いながら花びらが舞い上がり始めた。舞い上がる花びらを見てシアははっと我に返った。
「ま~っ!ドレディアがパチリスちゃんに怒らないでって(はなびらのまい)を見せているわ」
「パチリスちゃん、ここはまたダイゴさんにもお願いをしてみたらどう?2人だときっともっと上手くいくわ、ね!」ロタラはシアの両肩をを両手でポンと軽く叩いた。
「何かあったらお代は高くつきますからね・・・。」
痺れを切らしシアはボソッとぶっきらぼうに呟いた。心の中では(ポケモンにまで宥められる私って恥ずかしな)と感じていた。
ダイゴは表情豊かに変わるシアにどこか興味を抱きつつ再びシアと調査ができることがわかるとほっとしていた。
「これからもよろしくね。シアちゃん」
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