季節もの
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今日はバレンタインデー。世間で言う女性が意中の男性へチョコレートを渡し愛の告白をすると言われる日だ。バレンタインデーは世の女性達にとってもチョコレートの様に甘い1日なのである。最近は愛の告白意外にも日々の感謝や友情の証に贈ることも広がっている。
昼はとっくに過ぎており窓から西日が柔らかく照らしていた。喫茶ペルレイの店内では午前よりも客足が落ち着きゆったりとした時間が流れていた。シアは厨房であるお客が来ないか密かにかそわそわしながらサイフォンのフラスコのお水を温めていた。今日はいつもより動かす手が早くなる。
『カランコロン』
ドアベルが鳴り店の中に客が1人入ってきた。足元には(てつヨロイポケモン)ココドラがおり店内をキョロキョロと見渡していた。
「いらっしゃいませ~。あら、ダイゴさん!」
「ココドラちゃんもいらっしゃい」
ロタラは微笑みながら客とポケモンを出迎える。
ココドラはロタラをつぶらな瞳で見つめる。
厨房にいるはシア遠くからロタラの発言を聞くとハッとし身体がピクっと反応した。
「ロタラさん、こんにちは。」
「今日は予定が早く終わってね。」
「そうなんですねぇ~。お疲れ様です~!」
「ゆっくりしていってね~!」
「ではでは席の方へどうぞぉ~」
ダイゴは軽く会釈をするといつも座っている窓辺の席についた。席は店の奥側となっておりあまり人目が付かずアクアリウム水槽もよく見えるのでダイゴのお気に入りの席だ。
「じゃあ、いつもの頼みます」
席にお冷を持ってきたロタラにダイゴは伝える。ダイゴがペルレイに来た時はいつもブレンドを頼む。
「は~い、かしこまりました。」
「少々お待ちくださいませ~」
ロタラは注文を受けると鼻歌を歌いながら厨房の方へ戻って言き「パチリスちゃ~ん、ブレンドお願い!」と厨房にいるシアにオーダーを依頼する。今日のコーヒーを淹れる担当はシアだ。
「承知致しました!」
シアは返事をすると早速コーヒー豆を手馴れた手つきで挽きはじめた。挽いた豆からはほんのりとアロマが漂っている。事前に暖めておいたため既に沸騰したフラスコの熱湯を利用したためすぐにコーヒーが淹れられた。本来なら、ブレンドコーヒーとしてこのまま客に提供するが今日のシアは何か特別な計画があるようだ。シアは、淹れたてのコーヒーにビターチョコレートシロップを少量入れ始めた。そして上にフレッシュミルクを少量入れた後ゆっくりとかき混ぜた。混ざったコーヒーは、若干明るくなりチョコレート色になっていたがブラックと差程変わらない色をしていた。
(ダイゴさん気づいて貰えるかな?)
シアは胸を高鳴らせながら完成したアレンジコーヒーを見つめた。
一方、コーヒーを待っていたダイゴは微笑ましく仲良く戯れているココドラとシアの(わたどりポケモン)チルットを眺めていた。チルットとココドラはすっかりと仲良くなり連れて行くといつもじゃれ合ったりして遊んでいる。性格の相性がいいみたいだ。2匹の楽しそうな様子を見ているとあっという間に時間が経ってしまう。
「お待たせしました。こちらブレンドになります。」
どこか聞き慣れた声が聞こえダイゴは振り向いた。すると席の前にはコーヒーを持って来たがシア微笑みながら立っていた。
「シアちゃん、ありがとう。頂くよ。」
ダイゴはテーブルに置かれたカップを手に取るとゆっくりと飲み始めた。
(ん?いつものとは味が違うな・・・。)
コーヒーを一口飲んだだけでダイゴはすぐに違いに気がついた。コーヒーのまろやかな苦味をビターチョコレートが優しく包み込み口の中にハーモニーを奏でている。
チョコレートが入っているのに気がついたがコーヒーとお互いのテイストを打ち消していない絶妙なバランスになっている。ダイゴは今まで飲んだことのないコーヒーとの出会いを興味津々に感じ口中に広がった余韻を楽しんでいた。
「ひょっとして、今日のコーヒーにはチョコレートが入っているかな?」
ダイゴはシアにテイストの答え合わせをする。
「ハッピーバレンタイン!」
ダイゴに正解を言われシアは嬉しく思い手を合わせながら満面な笑みを浮かべた。
「いつも支えてくださっているダイゴさんへ特別にアレンジコーヒーを淹れました。」
「ジャバ・ショコラーノって言うオリジナルアレンジです。お味はお口に合いましたでしょうか?」
ダイゴはシアが自分のために特別に淹れてくれたことを知りチョコレートのように甘い気持ちに浸され少し照れくさく感じ視線を下げ「フッ」と軽く笑った後微笑みながらシアを見つめた。
「コーヒーとチョコレートの味がお互いのいい所を見出し甘さとほろ苦さが合わさった味わい豊かな一杯だったよ。ボクに特別な一杯をありがとう。」
「ボクたちもジャバ・ショコラーノみたいな関係になりたいね」ダイゴはクスッとシアに笑いかけた。
(え、それってもしかしてチョコレートの様な甘い関係ってこと!?)
テイストのバランスを一生懸命に考えたアレンジコーヒーを喜んで貰えてシアは、嬉しい気持ちとダイゴにジャバ・ショコラーノのような関係になりたいことを言われ恥ずかしくなり返す言葉が出ず突然頬が燃えるように赤くなり視線を逸らした。
ダイゴは顔を赤くしてそわそわしているシアを不思議に思いつつも密かに愛おしさを感じ幸せそうに見つめていた。2人の辺りにはコーヒーとチョコレートの甘くてほろ苦い香りが包んでいた。
~ハッピーバレンタイン~
END
Happy Valentine 2024
昼はとっくに過ぎており窓から西日が柔らかく照らしていた。喫茶ペルレイの店内では午前よりも客足が落ち着きゆったりとした時間が流れていた。シアは厨房であるお客が来ないか密かにかそわそわしながらサイフォンのフラスコのお水を温めていた。今日はいつもより動かす手が早くなる。
『カランコロン』
ドアベルが鳴り店の中に客が1人入ってきた。足元には(てつヨロイポケモン)ココドラがおり店内をキョロキョロと見渡していた。
「いらっしゃいませ~。あら、ダイゴさん!」
「ココドラちゃんもいらっしゃい」
ロタラは微笑みながら客とポケモンを出迎える。
ココドラはロタラをつぶらな瞳で見つめる。
厨房にいるはシア遠くからロタラの発言を聞くとハッとし身体がピクっと反応した。
「ロタラさん、こんにちは。」
「今日は予定が早く終わってね。」
「そうなんですねぇ~。お疲れ様です~!」
「ゆっくりしていってね~!」
「ではでは席の方へどうぞぉ~」
ダイゴは軽く会釈をするといつも座っている窓辺の席についた。席は店の奥側となっておりあまり人目が付かずアクアリウム水槽もよく見えるのでダイゴのお気に入りの席だ。
「じゃあ、いつもの頼みます」
席にお冷を持ってきたロタラにダイゴは伝える。ダイゴがペルレイに来た時はいつもブレンドを頼む。
「は~い、かしこまりました。」
「少々お待ちくださいませ~」
ロタラは注文を受けると鼻歌を歌いながら厨房の方へ戻って言き「パチリスちゃ~ん、ブレンドお願い!」と厨房にいるシアにオーダーを依頼する。今日のコーヒーを淹れる担当はシアだ。
「承知致しました!」
シアは返事をすると早速コーヒー豆を手馴れた手つきで挽きはじめた。挽いた豆からはほんのりとアロマが漂っている。事前に暖めておいたため既に沸騰したフラスコの熱湯を利用したためすぐにコーヒーが淹れられた。本来なら、ブレンドコーヒーとしてこのまま客に提供するが今日のシアは何か特別な計画があるようだ。シアは、淹れたてのコーヒーにビターチョコレートシロップを少量入れ始めた。そして上にフレッシュミルクを少量入れた後ゆっくりとかき混ぜた。混ざったコーヒーは、若干明るくなりチョコレート色になっていたがブラックと差程変わらない色をしていた。
(ダイゴさん気づいて貰えるかな?)
シアは胸を高鳴らせながら完成したアレンジコーヒーを見つめた。
一方、コーヒーを待っていたダイゴは微笑ましく仲良く戯れているココドラとシアの(わたどりポケモン)チルットを眺めていた。チルットとココドラはすっかりと仲良くなり連れて行くといつもじゃれ合ったりして遊んでいる。性格の相性がいいみたいだ。2匹の楽しそうな様子を見ているとあっという間に時間が経ってしまう。
「お待たせしました。こちらブレンドになります。」
どこか聞き慣れた声が聞こえダイゴは振り向いた。すると席の前にはコーヒーを持って来たがシア微笑みながら立っていた。
「シアちゃん、ありがとう。頂くよ。」
ダイゴはテーブルに置かれたカップを手に取るとゆっくりと飲み始めた。
(ん?いつものとは味が違うな・・・。)
コーヒーを一口飲んだだけでダイゴはすぐに違いに気がついた。コーヒーのまろやかな苦味をビターチョコレートが優しく包み込み口の中にハーモニーを奏でている。
チョコレートが入っているのに気がついたがコーヒーとお互いのテイストを打ち消していない絶妙なバランスになっている。ダイゴは今まで飲んだことのないコーヒーとの出会いを興味津々に感じ口中に広がった余韻を楽しんでいた。
「ひょっとして、今日のコーヒーにはチョコレートが入っているかな?」
ダイゴはシアにテイストの答え合わせをする。
「ハッピーバレンタイン!」
ダイゴに正解を言われシアは嬉しく思い手を合わせながら満面な笑みを浮かべた。
「いつも支えてくださっているダイゴさんへ特別にアレンジコーヒーを淹れました。」
「ジャバ・ショコラーノって言うオリジナルアレンジです。お味はお口に合いましたでしょうか?」
ダイゴはシアが自分のために特別に淹れてくれたことを知りチョコレートのように甘い気持ちに浸され少し照れくさく感じ視線を下げ「フッ」と軽く笑った後微笑みながらシアを見つめた。
「コーヒーとチョコレートの味がお互いのいい所を見出し甘さとほろ苦さが合わさった味わい豊かな一杯だったよ。ボクに特別な一杯をありがとう。」
「ボクたちもジャバ・ショコラーノみたいな関係になりたいね」ダイゴはクスッとシアに笑いかけた。
(え、それってもしかしてチョコレートの様な甘い関係ってこと!?)
テイストのバランスを一生懸命に考えたアレンジコーヒーを喜んで貰えてシアは、嬉しい気持ちとダイゴにジャバ・ショコラーノのような関係になりたいことを言われ恥ずかしくなり返す言葉が出ず突然頬が燃えるように赤くなり視線を逸らした。
ダイゴは顔を赤くしてそわそわしているシアを不思議に思いつつも密かに愛おしさを感じ幸せそうに見つめていた。2人の辺りにはコーヒーとチョコレートの甘くてほろ苦い香りが包んでいた。
~ハッピーバレンタイン~
END
Happy Valentine 2024