文披31題-2025- 創作の夏。

「パパー!早く行くよー!」
「ちょっと待って、まだ浮き輪の準備が…」
「もう浮き輪なんていらないもん!」
「え⁉」
 去年の夏は浮き輪にしがみついて、絶対に僕の傍から離れなかった娘。僕が少し手を離そうものなら、置いて行かないでとべそをかいていたのに、もう浮き輪がいらないほど泳げるようになっていたとは。
 僕はまだまだ面倒を見ていたいのだけど、来年の春に小学校に入学すれば、きっと僕の知らない世界で彼女はどんどん変わっていく。そしてあっという間に成長して、僕の手から離れてしまうのだろう。
 これじゃあ彼氏を連れてくるのも時間の問題なんじゃ…なんて思いながら、一緒に居られるこの一瞬一瞬を大事にしようと誓うのだった。
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