八輪咲いた
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『すまない待たせたな、京治も空喰も。』
頭を掻きながら京治の横に座った峡の手に、あの靴は無かった。
「いやいや、そんなに待っとらんけぇ大丈夫だぁ。半刻も経っとらんでぇ。そんで、どうだった?」
空喰が申し訳なさそうに尋ねると、峡は苦笑いして言った。
『ああ。やはりあれは十年使ったことで擦り切れて穴が開いてしまったから、呪いも弱まってしまったみたいだ。
だが、あれが俺にできる最も強い防腐の結界。
今でも修行は欠かさないが、穢れを移さんようにする術はあれで手一杯なんだ。
新しいのを作らせてもらうが、また、穴が開いたら来てもらわないと』
峡が悔しそうに言うので、空喰は更に申し訳なさそうに、だが安心したような笑みを浮かべた。
「いいんだいいんだ。また作ってくれるんだろう?
それでわしゃあ、救われるんだぁ。ありがてぇんだぁ。
峡殿が気になさることじゃぁないけぇ」
『ああ。すまないな。じゃあ次の靴を作ろう。足の大きさは変わってないか?』
峡が言うと空喰は自分の足を擦ってニィと笑った。
「あんさんらみたいにゃ、わしゃ若くねぇんだ。そうそう足の大きさなんざぁ変わんねぇよぅ」
『ふふ。そうかい。じゃあ同じ大きさのを作ろう。
出来るまで、そうだなぁ・・・二日、貰っていいかい?
その間は、即席の結界布をやるから、足に巻いててくれ』
空喰は目に薄く涙を浮かべて感謝した。
「ありがてぇ。あいわかった。待ってますけぇ」
その時、話を聞いていた京治はつい、また質問をした。
「あの、さっき峡さんが、使っていた鈴?は、他にもあるのです、か?」
緊張で詰まりながら一生懸命に話す京治に、峡はハッと顔をあげた。
『清めの鈴か?』
「あ、えと、あの、何でもないです、すいません」
峡と空喰の話を止めてしまったことで、二人にじっと注目され、
恐怖やら恥ずかしさやらで京治はしどろもどろに謝るが、峡は優しく続きを促した。
『いいよ。続けて』
京治は暫く口をぱくぱく閉じたり開いたりした後、恐る恐る意見した。
「き、清めの鈴、が、あるなら、清めてしまえばいいの、では?
靴から漏れてしまうなら、靴に、その、鈴を」
頭を掻きながら京治の横に座った峡の手に、あの靴は無かった。
「いやいや、そんなに待っとらんけぇ大丈夫だぁ。半刻も経っとらんでぇ。そんで、どうだった?」
空喰が申し訳なさそうに尋ねると、峡は苦笑いして言った。
『ああ。やはりあれは十年使ったことで擦り切れて穴が開いてしまったから、呪いも弱まってしまったみたいだ。
だが、あれが俺にできる最も強い防腐の結界。
今でも修行は欠かさないが、穢れを移さんようにする術はあれで手一杯なんだ。
新しいのを作らせてもらうが、また、穴が開いたら来てもらわないと』
峡が悔しそうに言うので、空喰は更に申し訳なさそうに、だが安心したような笑みを浮かべた。
「いいんだいいんだ。また作ってくれるんだろう?
それでわしゃあ、救われるんだぁ。ありがてぇんだぁ。
峡殿が気になさることじゃぁないけぇ」
『ああ。すまないな。じゃあ次の靴を作ろう。足の大きさは変わってないか?』
峡が言うと空喰は自分の足を擦ってニィと笑った。
「あんさんらみたいにゃ、わしゃ若くねぇんだ。そうそう足の大きさなんざぁ変わんねぇよぅ」
『ふふ。そうかい。じゃあ同じ大きさのを作ろう。
出来るまで、そうだなぁ・・・二日、貰っていいかい?
その間は、即席の結界布をやるから、足に巻いててくれ』
空喰は目に薄く涙を浮かべて感謝した。
「ありがてぇ。あいわかった。待ってますけぇ」
その時、話を聞いていた京治はつい、また質問をした。
「あの、さっき峡さんが、使っていた鈴?は、他にもあるのです、か?」
緊張で詰まりながら一生懸命に話す京治に、峡はハッと顔をあげた。
『清めの鈴か?』
「あ、えと、あの、何でもないです、すいません」
峡と空喰の話を止めてしまったことで、二人にじっと注目され、
恐怖やら恥ずかしさやらで京治はしどろもどろに謝るが、峡は優しく続きを促した。
『いいよ。続けて』
京治は暫く口をぱくぱく閉じたり開いたりした後、恐る恐る意見した。
「き、清めの鈴、が、あるなら、清めてしまえばいいの、では?
靴から漏れてしまうなら、靴に、その、鈴を」