同じ
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次の日、学校の廊下を歩いていると、一人の女の子とすれ違って声をかけられた。
振り返って見ると、僕のことをじっと見つめる女の子。
「僕に…なにか?」
「貴方は……」
「え?…」
「駅前のレンタル屋に毎日来てる…よね?」
「え?…なんでそれを?」
「だって私…あっ」
彼女はなにか思い出したようにおもむろに胸ポケットから眼鏡を取出し、それをつけ、手首に着けたゴムで軽く髪を結んだ。
「あっ!!!」
僕は声をあげた。
だって、目の前にいる彼女は、僕が足繁く通うレンタルショップの店員さん。
名代さんだから。
「ふふふ。わかった?いつも来てくれてありがとう」
「え?…えぇー!…名代…さんだよ…ね?…なっなんで学校に?」
「え?だって私、ここの学生よ?…」
「そっ。そうなんだ…」
しかも彼女とは、同じ学年だった。
まさか同じ学校で、学年も同じだなんて…。
年上だと思っていたら、同い年だなんて……。
「もしかして…運命?」
「え?…運命ってなにが?」
ボソッと言ったはずなのに、彼女には聞こえてたみたいで、僕は慌ててなんでもないって言う。
「ふふふ。貴方やっぱり面白い。…ねぇ名前なんていうの?」
「あっ…僕は吉野、順平……」
「私は名代咲桜。よろしくね。気軽に咲桜って呼んで」
ニッコリ笑う彼女の笑顔は、レンタルショップでみた笑い方と同じで、お店で僕に見せてくれたのは営業スマイルじゃなくて素の笑顔なんだと思うと胸が高鳴った。
おねえさんじゃなくても僕は彼女が好き。
これからもっとなかよくなっていつか、告白できたらいいな。
そんなことを考えながら、僕も口角をあげた。
「よろしくね。咲桜」
おわり