お見合い(with禪院直哉)
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「彼のこと、悪く言わないでください。それに、自分の損得で交友関係を選ぶ人は…嫌いです」
「あっそ。咲桜ちゃんってアホやな。元非術師の元呪詛師で、今は等級ドブカスの呪術師として活動しとる男と、御三家と言われる禪院家の次期当主とされる男…どっちが幸せになれるかなんか、わかりそうなもんやけどなぁ……あぁ。ごめんごめん。アホな咲桜ちゃんにはわからんか」
直哉は、鼻を鳴らして見下すようにいった。
「ええ。全く」
咲桜は直哉の嫌味にも動じず首をふった。
「…なんで、そんな男がええの?」
コーヒーをすすりながらニヤニヤと笑う直哉に咲桜は水を一口飲んだ。
「貴方に答える義理はありません」
「なんでーな。教えくれてもええやん。ケチな女は嫌われるで」
「別に、貴方に嫌われてもいいです」
「あっそ…好きなん?男のこと」
「ええ」
「愛してる?」
「勿論」
即答する咲桜に、直哉は豆鉄砲を食らった鳩のような顔をして、それから吹き出した。
腹を抱えて笑いだし、机を叩く。
何が面白いのか咲桜には1ミリもわからない。
しかし直哉は、呼吸が出来ない程笑っている。
「何がおかしいんですか?」
「ぁあ〜ごめんごめん。てか、ホンマにそう思ってんの?」
「はい」
「あのなぁ〜咲桜ちゃん。愛は呪いやで……呪術師である咲桜ちゃんが呪いをかけてどぉすんの」
直哉はニタニタと笑い、試すような瞳を咲桜に向けた。
その瞳が咲桜の怒りを買った。
咲桜はテーブルを力いっぱい叩き、直哉に向かって水をかけた。
「…貴方は分かったように言うけど、何にもわかってない!順平君は貴方よりもずっと強くて、優しい呪術師よ!貴方なんて足元にも及ばないわ!それに貴方は、愛は呪いって言うけれど、それは!誰にも愛されたことのない人だからそんなこと言うの!」
咲桜が声を荒らげた事で、周囲にいた人間が2人に釘付けになり、様々な憶測をコソコソと話す。
でも咲桜にとってそんな事はどうでもよかった。
咲桜は荒らげた息を整え、カバンから財布をだして、お札を乱暴に置き、直哉に「可哀想な人」と捨て台詞を吐き、お店を後にした───。
おわり