出張(with吉野順平)
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ギギギと耳障りな音を立てて、扉は開く。
大きなテーブルの脚は折れ、横倒れになり、椅子は布の部分が引き裂かれ散り散りに。
床には新聞やら布団やらが散乱して荒れ放題だ。
ここには何もない。
正面に調理場の入り口であろうスイングドアが見え、僕らは足元に注意しながら進んだ。
そしてスイングドアを開けた。
地面に散らばったカトラリーやお皿。
赤黒い点の先に行方不明者である男が倒れていた。
「いた!」
「まって咲桜!」
僕の静止を聞かずに咲桜が男の元へかけた。
僕もその後を追う。
咲桜は男の側に屈んで、手を鼻にかざした。
「よかった生きてるみたい」
僕は男を揺すった。
すると男は眉を顰め、それからゆっくりと目を開け、言った。
「う、うしろ」
刹那、横から蔦のようなものがやってきて、咲桜を守ろうと抱きしめた僕は、それに脚を絡められて、投げられた。
僕は食器棚にぶつかる前に、澱月を出して、澱月をクッションにした。
間一髪だった。
「順平君!ありがとう!けがはない?!」
「大丈夫!咲桜も怪我はない?」
お互いの無事を確認すると、すぐに蔦のようなものが伸びて来た方に目をやった。
そこには呪霊がいた。
甲高く笑うそれは、また蔦のようなものを僕らに伸ばして来る。