思い出す②(with七海建人+吉野順平)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ついた場所はローテーブルとソファーのある部屋。
なんの変哲もない部屋だ。
伊地知にソファーに座るように促され、咲桜は二人も座れるように奥に座った。
「私は、五条先生に呼ばれているので、ここで七海さんをお待ちください。あ。あと虎杖君も私と一緒に来てください」
悠仁と伊地知が部屋を出た後、残された咲桜は、これからどうなるのか、順平が今どうなっているのか不安で仕方がなかった。
落ち着きがなく周りをキョロキョロ眺めていると、伊地知達が出ていった扉が開いた。
「おまたせして申し訳ございません」
七海は咲桜に謝罪し、対面するようにソファーに座った。
「あ、あの…吉野君は…」
「彼は今用意した部屋に寝かせてあります。身体には何も問題がありませんが、等分目を覚まさないでしょう」
「そうですか…」
安堵した咲桜は、さっきまでの緊張や不安が溶けていくのを感じた。
「名代さん、疲れてませんか?」
「まだ大丈夫です」
「そうですか、いくつか名代さんに聞きたいことがあるのですが」
「はい。何でしょう」
「貴女は吉野君の人間ではない、化け物なような姿を見ましたか?」
「はい。紫色で……ブヨブヨして今まで見たことないような姿でした」
「…しかし私達が来たときは、吉野君は元の身体に戻っていましたね。…私達が来る前になにがあったんですか?」
咲桜は七海達が来るまでのことを思い返した。
そしてそこで、順平にキスをし白と黄色が混じったような淡い光に順平が包まれた事を思い出した。
「…えっと…あの時は順平君が死んじゃったと思って、もう会えないと思って、それで、悲しくて辛くて……神様にお願して、それで…えっと…キ、キスを…したら、順平君が白く黄色い光に包まれて元の順平君に戻ったんです」
咲桜の話を聞いて七海は推理をする。
白く黄色い光はおそらく、反転術式だろう。
しかし反転術式では、魂をいじられた人間を戻す事はできないはずだ。
となると、反転術式ではない他の術式だろう。
すると咲桜は呪術を使える呪術師ということなのか…。
咲桜の身辺調査を伊地知に頼まなくては…。
しかしその前に
「…話してくださってありがとうございます。私からは、吉野君に何があって、ツギハギの男がなんなのかお話ししようと思うのですが、よろしいですか?」
強く頷いた咲桜を見た七海は、どう話すか考えた後、大きく息を吐き話しだした。
「この世界には、呪いというものが存在します。呪いとは、人間の負の感情が肉体から漏れ出したものの事を言って、その感情が集積し、形を成したものを呪霊といいます。私や虎杖君はそれを祓う呪術師です。そしてツギハギの男は呪霊です。その男は、川崎の映画館で一般人を呪いで殺害しました。そこに居合わせたのが吉野順平君です。殺害された一般人が吉野君と同級生だったこともあり、私達は吉野君がこの事件に何か噛んでいると思い調査しました。その調査の中で、虎杖君と吉野君は意気投合し、吉野君がこの事件にただ居合わせただけだということを知りました。しかし吉野君は里桜高校を襲撃し、一般人に危害を加えました。そしてそれを止めるために虎杖君が吉野君の元に向かいました。その際、吉野君の母親が死亡している──」
七海の一言に、今まで大人しく話を聞いていた咲桜が動揺した。
「なっ…七海さん。今…今なんて、おっしゃいましたか?」
「……吉野君の母親のことですか?」
咲桜の顔が一気に真っ青になった。
「それは…本当なんですか?」
「ええ。本当です…ご遺体はこちらで保存しています」
声を上げて泣きたくなったが、咲桜は我慢した。
「もしかして、吉野君の母親に会ったことが?」
咲桜は何度も強く頷いた。
「はい…その…ぁ…ぁ…おっかぁ、さんには……」
涙が頬をつたい、喉が締まりうまく声が出ない。
七海は余計な事を言ってしまったことに心の中で舌打ちをした。
「貴女と吉野君の母親が親しい仲だと知らず……申し訳ない」
七海の向ける憂いを帯びた顔で、咲桜の涙腺は崩壊した。
なんの変哲もない部屋だ。
伊地知にソファーに座るように促され、咲桜は二人も座れるように奥に座った。
「私は、五条先生に呼ばれているので、ここで七海さんをお待ちください。あ。あと虎杖君も私と一緒に来てください」
悠仁と伊地知が部屋を出た後、残された咲桜は、これからどうなるのか、順平が今どうなっているのか不安で仕方がなかった。
落ち着きがなく周りをキョロキョロ眺めていると、伊地知達が出ていった扉が開いた。
「おまたせして申し訳ございません」
七海は咲桜に謝罪し、対面するようにソファーに座った。
「あ、あの…吉野君は…」
「彼は今用意した部屋に寝かせてあります。身体には何も問題がありませんが、等分目を覚まさないでしょう」
「そうですか…」
安堵した咲桜は、さっきまでの緊張や不安が溶けていくのを感じた。
「名代さん、疲れてませんか?」
「まだ大丈夫です」
「そうですか、いくつか名代さんに聞きたいことがあるのですが」
「はい。何でしょう」
「貴女は吉野君の人間ではない、化け物なような姿を見ましたか?」
「はい。紫色で……ブヨブヨして今まで見たことないような姿でした」
「…しかし私達が来たときは、吉野君は元の身体に戻っていましたね。…私達が来る前になにがあったんですか?」
咲桜は七海達が来るまでのことを思い返した。
そしてそこで、順平にキスをし白と黄色が混じったような淡い光に順平が包まれた事を思い出した。
「…えっと…あの時は順平君が死んじゃったと思って、もう会えないと思って、それで、悲しくて辛くて……神様にお願して、それで…えっと…キ、キスを…したら、順平君が白く黄色い光に包まれて元の順平君に戻ったんです」
咲桜の話を聞いて七海は推理をする。
白く黄色い光はおそらく、反転術式だろう。
しかし反転術式では、魂をいじられた人間を戻す事はできないはずだ。
となると、反転術式ではない他の術式だろう。
すると咲桜は呪術を使える呪術師ということなのか…。
咲桜の身辺調査を伊地知に頼まなくては…。
しかしその前に
「…話してくださってありがとうございます。私からは、吉野君に何があって、ツギハギの男がなんなのかお話ししようと思うのですが、よろしいですか?」
強く頷いた咲桜を見た七海は、どう話すか考えた後、大きく息を吐き話しだした。
「この世界には、呪いというものが存在します。呪いとは、人間の負の感情が肉体から漏れ出したものの事を言って、その感情が集積し、形を成したものを呪霊といいます。私や虎杖君はそれを祓う呪術師です。そしてツギハギの男は呪霊です。その男は、川崎の映画館で一般人を呪いで殺害しました。そこに居合わせたのが吉野順平君です。殺害された一般人が吉野君と同級生だったこともあり、私達は吉野君がこの事件に何か噛んでいると思い調査しました。その調査の中で、虎杖君と吉野君は意気投合し、吉野君がこの事件にただ居合わせただけだということを知りました。しかし吉野君は里桜高校を襲撃し、一般人に危害を加えました。そしてそれを止めるために虎杖君が吉野君の元に向かいました。その際、吉野君の母親が死亡している──」
七海の一言に、今まで大人しく話を聞いていた咲桜が動揺した。
「なっ…七海さん。今…今なんて、おっしゃいましたか?」
「……吉野君の母親のことですか?」
咲桜の顔が一気に真っ青になった。
「それは…本当なんですか?」
「ええ。本当です…ご遺体はこちらで保存しています」
声を上げて泣きたくなったが、咲桜は我慢した。
「もしかして、吉野君の母親に会ったことが?」
咲桜は何度も強く頷いた。
「はい…その…ぁ…ぁ…おっかぁ、さんには……」
涙が頬をつたい、喉が締まりうまく声が出ない。
七海は余計な事を言ってしまったことに心の中で舌打ちをした。
「貴女と吉野君の母親が親しい仲だと知らず……申し訳ない」
七海の向ける憂いを帯びた顔で、咲桜の涙腺は崩壊した。