呼び方(with宿儺)
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「どうして宿儺さんは術式で彼を治さなかったんですか?」
「…何故俺が小僧の為に」
「だから。小僧じゃありません。順平君です」
「小僧は小僧と言っておるだろう」
「じゃぁ、どうして私の事はちゃんと名前で呼ぶんですか?」
「…」
咲桜の蓬莱の玉の様な美しい瞳に、眉間に皺を寄せた宿儺の顔が映る。
面倒な事を言ってくる子だ。
ため息が出てしまう。
「…」
「…名前で呼びたくないのなら、虎杖君と違う呼び方にしてください。じゃないとどっちの事を言ってるのかわかんないです」
「……ならば、コイツの事は片目小僧と呼ぶ。これでどうだ?」
小僧という呼び方にこだわりのある宿儺にまだなにか言いたげな咲桜だったが、悠仁との違いもわかるし良しとしようと納得した。
「…それにしても、どうして私のことは名前で呼ぶんですか?…前世の私とは違うのに…」
咲桜の言うように、宿儺がよく知っている咲桜はもっと落ち着きがあって、妖美な女性であった。
見た目や声色、匂いは同じだが、目の前にいる咲桜からは幼さが見え隠れする。
しかし、どうもあの時の咲桜と、今目の前にいる彼女を重ねてしまう。
「何故か…知りたいか?」
宿儺が咲桜に尋ねた。
「はい。知りたいです」
目を輝かせて言う咲桜の顎を宿儺は掬った。
そして、長い爪で咲桜のぷっくりした唇をなぞる。
「宿儺…さん?」
不思議そうな、そして恥じらいを孕んだ咲桜の丸い瞳が揺れた。
宿儺はじっと彼女を見つめ、そして薄く微笑んだと思えば、顎を掴んでいた手を離し、それをおでこの方へ持って行き、指で額を弾いた。
「痛い!」
おでこを押さえ痛がる咲桜に「…そのうちな…」と言い残し、宿儺は医務室を出ていった。
おわり