お遣い(with伏黒恵)
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「…すごい?」
「うん。体術もできるし、式神だっていっぱい出せるでしょ?順平くんは澱月だけだけど、伏黒君は玉犬とか、鵺とか…いろんな式神を出せるなんてすごいと思う!」
「…それを言ったら名代先輩は、類稀な能力を持って、呪いを祓えるじゃないですか。その方がすごいと思いますけど…」
「うーん。私の戦力なんて微々たるものだよ。どちらかといえばヒーラー役だし…」
「治す人もこの世界には必要ですよ」
「ふふふ。そうだね。祓ってばっかりより、大切な人を治すのも必要だよね」
そう言って目を細めて笑う名代先輩の姿が、津美紀のダブった。
お人好しで、善人なあいつと、誰かの為に何かをする事に喜びを感じている名代先輩は近いものを感じる。
話さなくても、見ているだけで名代先輩はいい人なんだと思ってたけど、こうやって話している時も、俺の興味を引く話をして飽きさせない様にしたり…。
気立ての良さは滲み出ていた。
吉野先輩は名代先輩のそういうとこに惚れたんだろうか──
刹那名代先輩が小さく声を上げた。
「どうしたんですか?」
「あ。ううん。今日って月曜日だよね」
「…月曜日ですよ」
「じゃぁちょっとツキヤによっていい?順平君が見たいって言ってた映画のレンタルが今日からなんだ。すぐそこにツキヤがあるし、借りていこうと思って…いいかな?5分で終わらせるから」
「いいですよ。5分と言わずゆっくり見てください」
「ありがとう!じゃぁちょっと寄り道ね」
俺達は、帰路に外れて近くのレンタルビデオ屋に入った。
ずらりと並ぶDVDの中から名代先輩は「これこれ」と取り出す。
その後、店内をぐるりと一周して5枚のDVDをレンタルした。
「付き合わせちゃってごめんね…」
「いや。いいんです」
「ふふ。ありがとう。お陰でDVDもいっぱい借りれたし、寮に戻ろっか!」
「はい」
俺達はまた他愛のない話をしながら家路についた。
寮に着くと、一目散に吉野先輩が傍にやってきた。
名代先輩の隣にレジ袋をもった俺が立っててちょっと驚いた顔をしてる。
「咲桜おかっ……あれ?伏黒君?」
「任務帰りに先輩に偶然会いました」
「そうなの!で、買い物付き合ってもらったんだぁ」
「そうなんだ…あれ。咲桜ツキヤも寄ったの?」
「うん!ほら今日順平君が見たいって言ってた映画のレンタル日だったから」
「え?!」
名代先輩が吉野先輩にDVDが入った袋を渡した。
吉野先輩はキラキラしたした目で受け取ったそれを見ている。
「咲桜ありがとう。それに伏黒君も任務終わりなのにありがとう。僕が行きたかったんだけど、じゃんけんで勝っちゃったから行けなかったんだ……そうだ。釘崎さんがお腹減って不機嫌だから行こうか」
名代先輩と吉野先輩、俺と並んで歩く。
二人は楽しそうに映画の話をしながら、映画のことを余り知らない俺でもわかるように名代先輩が説明をしてくれる。
俺の事なんて放って置いてもいいのに、人の良い名代先輩は俺のことも気にかけてくる。
そんな善人の名代先輩が沢山の幸せを享受して欲しいと思いながら食堂に向かった。
おわり