第15話/幼馴染
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俺はタバコに火をつけてふかした。
西村が缶チューハイを飲みながら俺に話しかけてきた。
「あれ?翔太がタバコなんて珍し」
「うるせぇ」
「何かあった?」
西村の言葉に、さっき見た光景が鮮明に浮かぶ。
咲桜にキスをされる吉野。
咲桜にキスをせがまれて、彼女にキスをする吉野。
顔を染めながらも嬉しそうに鼻の下を伸ばした吉野。
咲桜の傘を率先して持つ吉野。
咲桜の手をとる吉野。
『幸せ』を形にしたらああなるんだと思う。
だから、壊したい。
幸せの絶頂にいる吉野を不幸せの谷に突き落としたい。
苦痛で歪む顔をこの目で見たい。
「俺、アイツしめるわ」
ざわついていたメンツが、俺に視線をむけた。
「えー!だれだれ?私もやりたぁい」
「誰だよ」
「誰しめんの?」
「俺は別に面白きゃ、誰でもいいぜ」
食いつきのいい仲間に俺は、煙を吐き出して、吸いかけのタバコを床に捨てる。
「吉野順平」
一瞬「誰?」となったメンツも少し時間をおいて「あぁ!アイツね」と思い出したみたいだった。
「いいじゃん。やろーぜ」
いつメンの楽しそうな顔に、俺は気分が良くなって、床に捨てた火のついたタバコを足で思いっきり踏みつけた。
いつもよりも強く、いつもよりも長めに──────。
続く