今日はとっても重要な日で、朝からずっとソワソワしてて、咲桜に何度も心配された。

プロジェクターの最終チェックをしている今もソワソワしてる。

あ、挨拶が遅れました。

僕は里桜高校に通っている吉野順平です。

今なんでそんなにソワソワしてるかって？

だって、今日は『映画公開日』。

待ちに待ってたけど、いざそれが近づくと、ドキドキする。

だって一週間上映だよ？

観客は来てくれるのかとか、ブーイングがあったらどうしようとか。

めちゃくちゃ心配になる。


「順平君。大丈夫？」


震える手でプロジェクターの動作確認をしていたら、養生テープを手に持った咲桜が心配そうに僕の顔を覗き込んでた。

皆さんご存知の通り、彼女は僕の大切な人です。

時折見せる屈託のない笑顔や、誰にでも優しいところは童話のお姫様にそっくり。