第11話/はじめての
夢小説設定
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順平君の唇が離れると、頬に生暖かい液体がついた。
ん?
なんだろ。
閉じていた目を開けると、鼻血を垂らした順平君が目に飛び込んできた。
「「あ」」
お互い声がハモった瞬間、順平君は急いで鼻に手を当てて、体を起こしてベッドに座った。
「ごっ!ごめん!!」
近くにあったティシュを数枚とって、私にくれる。
「大丈夫?…」
私はもらったティシュでほっぺを拭いて、彼と同じように体を起こして対面するようにベッドに座った。
「う…うん…」
力なく答える順平君。
ティシュで鼻を押さえる彼は、いつぞやの光景を彷彿とさせた。
そういえば、前にも順平君、鼻血出してたなぁ。
「あ…あのさ咲桜」
「ん?どうしたの?」
「ごめん…その……こ、こんなタイミングで鼻血なんて…」
目をそらしながら話す順平君の耳は、火傷でもしたのかってくらいまっかっか。
「いっいいよいいよ!気にしないで!すごくその…緊張…しちゃうよね…」
だって、あの先に行ったら私、どうなってたのかって考えるとドキドキする。
おかしくなっちゃってたのかな…。
でも順平君とのキスはすごく、その…。
気持ちが良かったから。
「また…しようね…」
「え?」
「あ…」
思ってたことが口から出て自分でも驚いちゃった。
「いや!ちっ違うの!その…えっと…」
色々誤魔化そうと頑張ってると、順平君が吹き出した。
「咲桜って…意外と大胆なんだね……」
「……」
あぁ。
顔が熱い……。
「そんな咲桜も好きだよ」
優しい瞳で笑う順平君に私の胸が踊る。
好き。
大好き。
だから、初めては順平君がいいと思えたの。
いつかまた来る、『そんな時』までとっておくね。
それまでのおわずけ。
続く