第11話/はじめての
夢小説設定
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咲桜の唇は、言葉では言い表せないほど甘く柔らかかった。
少し唇を離して、違った角度から何度も唇を合わせる。
それは多分、餌を啄む小鳥に似てる気がする。
咲桜は唇が合わさるたびに小さく喉を鳴らした。
部屋に響くリップ音、それから、テレビから聞こえる知らない女優のあえぎ声──。
それらは僕の中の何かを駆り立てるには十分だった。
自分の体重を支えてる左手に、咲桜の右手が重なった。
唇を合わせながら、僕の指と咲桜の指が蔦みたいに絡まっていく。
そんなとき、ほんの一瞬咲桜の口元が小さく開いた。
僕は待ってましたと言わんばかりに、自分の舌を彼女の口の中に滑り込ませる。
驚いたのか、咲桜の体が少し身を引きそうになったのを、余っていた右手で彼女の後頭部を押さえ、左手の力を強めた。
唸るような声をあげる咲桜をよそに、僕の舌は彼女の口内で動く。
彼女の歯並びをなぞったり、彼女の舌を絡め取ったりすると、咲桜は体をビクつかせ、左手で僕の右腕を掴んだ。
顔を離すと、透明の細い糸が僕と咲桜の唇を繋いでいる。
そしてそれはプツリと切れた。
咲桜は肩を上下させて肺に酸素を入れ込んでる。
顔がむちゃくちゃ真っ赤。
それに目は涙が溜まって潤んでるし。