第9話/相思相愛
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「咲桜…?」
咲桜は返事をすることなく俯いた。
「咲桜……さっき言ったことは本当?」
そう聞くと俯いたまま彼女はコクコクと頷く。
そのたび手の甲に雫が落ちるのが見えた。
咲桜、泣かないで、僕も君と同じ気持ちだから…
僕は咲桜の側に行って、座ったままの彼女をぎゅぅと抱きしめた。
その瞬間小さく声を上げたのが聞こえた。
「咲桜…泣かないで…君が泣くと僕も悲しくなるよ…だって僕も」
咲桜のことが好きだからと告げると、咲桜は「ぇ…」と漸く顔を見せてくれた。
目がウサギみたいに真っ赤で、大粒の雫がほっぺたをたくさん流れてる。
僕は咲桜を離してから、その雫を指で拾った。
「好きだよ。咲桜。だから泣かないで、笑ってよ」
「ほん…と?」
「うん。本当」
僕は咲桜の前髪を掻き分けておでこに唇をつけてから「好きじゃなかったら、こんなことしないでしょ?」って言うと、咲桜は目をパチパチさせて耳を赤く染めていた。