第9話/相思相愛
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「カットォー!」
部員の声が遠くに聞こえる。
視線が揺れているのが自分でも分かる。
咲桜が…。
ほんと?
好きってあの好き…。
だよね。
放心状態の僕を現実に引き戻したのは秋人の声だ。
「順平…大丈夫か?」
「…」
「これから30分間休憩するって」
ついさっきまで目の前にいたはずの咲桜がいない。
「咲桜は?」
「え?あぁお茶飲んでくるって言って出てったよ」
その言葉を聞いて僕は教室を出て、咲桜の荷物がおいてある映画研究会の部室に行った。
電気もついていない薄暗い部屋に、咲桜は椅子にすわって、机に突っ伏していた。
僕が勢いよくドアを開けたから、驚いたみたいで、目を丸くして僕を見る。
「順…平君」
頬に薄っすらとある。
それに目が赤い。
もしかして泣いてた?──。