第6話/読み合わせ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「他にどこも怪我してない?」
「大丈夫…ありがとう咲桜」
「少し休憩しよっか…」
「そうだね」
咲桜は倒れた椅子を起こして、窓から外が見えるように、横並びに並べた。
そして、一つに順平を座らせて隣に自分が座る。
外はもう日が落ちかけていて、グラウンドから運動部員たちの掛け声が聞こえる。
「どう?血は止まった?」
咲桜の問に、順平が「止まったみたいだ」と答えた。
そして血のついたハンカチを見つめる。
赤黒くなってもう元の綺麗な柄が見えない。
「ハンカチ…」
「ん?」
「鼻血で汚してごめん」
「いいよいいよ!結構使ったし」
「でも…」
「いーからいから!新しいのまた買うからさ、気にしないで………それより、ごめんね…またしょーくん達に絡まれちゃって」
申し訳なさそう言う咲桜に順平は首を振った。
「咲桜は何も悪くないよ。あいつらが悪絡みしてきたのが悪いんだ。だから咲桜が謝る必要はないよ」
「ありがとう。順平君はしょーくん達と違ってすごく大人だよね」
「え…」
咲桜からの突然の褒め言葉に、順平の心臓が跳ねる。
咲桜は順平をじっと見つめて目を細め微笑んだ。