第6話/読み合わせ
夢小説設定
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「咲桜さぁ。前にも言ったじゃん。あんなインキャと絡むの辞めろって」
「私も前に言ったよね。私が誰と仲良くしようとしょーくんには関係ないって」
「だからそれもさ」
「じゃぁしょーくんは私があんな人達とお友達になるの辞めてって言ったら辞めるの?」
「それはまた別だろ?」
伊藤は行儀よく座る咲桜の前に屈んで視線を合わせて、肩に手を置いた。
そして耳元で囁く。
「こんな馬鹿みたいなことしてないでさ、俺と楽しいことしよーよ」
彼を逆上させることのないように、どう返事を返そうか悩んでいると、順平を囲んでいる男達の方から罵声が飛び、椅子が倒れる音が部屋に響いた。
咲桜は慌てて伊藤の手を払いのけ、立ち上がり男達をかき分けて順平のところへ行った。
「順平君!」
順平は顔を殴られ、床に倒れていた。
「大丈夫?順平君」
「だい…じょーぶ」
ゆっくり上半身を起こす順平に合わせて咲桜は背中に手を添えた。
「鼻血出てる!」
咲桜の指摘に順平は鼻を触り手についた血を見て「あ」と声をあげた。
咲桜は、スカートのポケットからパステルピンクのハンカチを出し、鼻血が出ているところを押さえてやる。
「下向いてて…血が止まるまで上向いちゃだめだよ」
「うん」
一連の流れを見ていた伊藤は、二人の間にある何かに腹が立ち、近くにあった机を一蹴りし、それから男達を連れて教室を出ていった。