最終話/世界一愛を知った僕【HAPPYEND√】
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タオルに包まれた赤ちゃんを横抱きする助産師と向き合う。
赤ちゃんは沐浴したのかとても綺麗で、僅かな髪が少しだけ湿っている。
「身体に密着させて、ひじの内側で首と頭を支えてあげてくださいね」
助産師から、恐る恐る赤ちゃんを受け取った。
「とても上手に抱っこできてますよー」
にっこり微笑む助産師に、ホッとした。
腕に僅かな重さを感じる。
視線を赤ちゃんに向けると、僕をみて微笑んだ。
「わっ…笑った!」
咲桜の方をみて言うと、彼女はクスクス笑って僕の腕で笑う赤ちゃんの頭を撫でた。
「順平君のことパパってわかったんだよ」
僕がパパ…。
腕の中で一つあくびをして眠る可愛い我が子。
咲桜は、我が子の頭をなでていた手を、ゆっくりと小さな手の方に持っていった。
するとその手が彼女の指をキュッとにぎった。
離さぬようギュッと握っている姿に、愛おしさがお腹の奥から溢れ出る。
何があってもこの子を護りたい。
そして、この子に沢山僕の愛を分け与えたい。
咲桜から数え切れないくらい愛を貰ったように……。
「順平君…この子の名前、決まった?」
微笑む咲桜に僕は強く頷いた。
「うん。決めたよ」
この子がこれからもずっとみんなに愛されて、そしていつか僕と咲桜の様に愛を分け与えられる人が見つかるように、そんな想いを込めた。
愛と幸せをいっぱい詰めた君だけの名前。
世界一愛を知った僕からの最初の贈り物。
僕は、心地よく眠る我が子を見てその名前を呼んだ。
『世界一愛を知った僕』
【HAPPYEND√】終──
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