第29話/人間の美徳【HAPPYEND√】
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扉の向こうには、死んだはずの母さんがいた。
夢を見ているのだろうか。
はたまたこれは幻なのか…。
僕の事を見るなり、椅子に座った母さんは立ち上がって、僕の名前を呼んだ。
耳に入る心地よい声色。
紛れもない母さんの声。
母さんの側によると、母さんは僕を抱きしめた。
産まれたときからずっと知ってるこの感覚。
あぁ母さん。
母さん、生きていたんだね。
よかった。
母さんから色々聞いた。
どうやら母さんを生き返らせたのは咲桜みたいだ。
僕は母さんと話をし終えて、部屋を後にした。
そして、咲桜を探した。
どこを探しても咲桜はいない。
廊下を走っていると、悠仁を見つけた。
「悠仁!」
「おぉ!順平!元気になったんだなぁー!よかったよかった!…てかなんで走ってんの?」
「咲桜。咲桜見なかった?!」
「え?咲桜?……あっ!中庭にいたような…いなかったような」
「中庭ね!ありがとう!」
僕は中庭に向かおうと、悠仁の横を通ったとき、ふと足を止めた。
そうだ!あのお礼を言わないと!
「悠仁!」
思ったよりおっきな声がでて、悠仁が驚く。
「え?なに!?」
「悠仁。僕の為に色々してくれてありがとう!じゃぁ!また後で!」
悠仁の返事を背中にうけて、僕は中庭へ急いだ。