第29話/人間の美徳【HAPPYEND√】
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順平君が罰則の対象である事を耳にしたとき、納得できなかった。
それは、順平君とお友達の虎杖君も同じだったみたいで、私達はすぐに直談判に行った。
五条先生にね。
代替案をだして、頭を下げて……。
罰則を軽くしてもらえた。
そして今日、順平君に罰則内容が知らされる日。
私はこの日の為に、順平君にサプライズを用意してるの。
罰則を受け渡される部屋の前で待っていると、目を潤ませた順平君が出てきた。
順平君は驚いたように私をみて、袖でゴシゴシと目のところを拭いて、それから私の側によった。
「咲桜っ。…僕の為に…ありがとうっ!」
「ううん。虎杖君と頑張ったから」
「そうだ…っ!悠仁にもお礼を言わないと!」
私から離れようとする順平君の腕を掴むと、彼は目をパチパチさせて私をみた。
「虎杖君にお礼を言う前に、順平君に会わせたい人がいるの…」
「会わせたい人?」
首をかしげる彼に、私は「ついてきて」と、腕を軽く引っ張りながら目的地に向かった。
「ねぇ。咲桜っ…僕に会わせたい人って誰?」
私の後ろで質問する順平君に、私は足を止めて振り返って、にっこり笑った。
「行けば、わかるよ」
少し早歩きで目的の場所に着く。
そこは誰も来ない、そして誰にも使われてない空室の扉の前。
「扉の向こうに…順平君に会ってほしい人が待ってるよ」
「え?誰?教えてよ」
困惑する順平君を気にすることなく、彼の手をドアノブに持っていって、私はにっこり笑った。
「順平君の大切な人だよ」