最終話/海月【BADEND√】
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どれくらい泣いたのか、徐々に泣き止んで、身体を離して、どちらかともなく唇を合わせた。
甘くて蕩けるような感覚。
それは、何年も前にしたのと変わらない感覚だった。
触れるだけのキスをして、ゆっくりと顔を離して、お互い顔をみつめる。
「順平君…目が真っ赤だよ」
「咲桜のほうが赤いよ…」
目を瞑る様に笑う彼女とおでこをつけて小さく笑う。
「順平君は私の王子様だよ。白馬に乗った王子様…」
「咲桜は僕だけのお姫様だよ」
「うれしいなぁ…私、すごく幸せだよ。ずっとずっと順平君のこと愛してる」
「僕もだよ。……もし来世というものが存在するのなら、来世でも僕ら恋人になろう。来世でも必ず、咲桜を探し出すから」
「うん。絶対来世で幸せになろう…来世では結婚して、子どもも作ろうね…私、2人くらい欲しい」
「うん。いっぱい作って、幸せな家庭にしよう…」
「約束だよ?」
「うん。約束…」
小指を立てて指切りをした。
ほんのり僕の小指に咲桜の温もりが伝わる。
指切りがおわると、咲桜は思いついたように立ち上がった。
「順平君が私のこと忘れない様に、今の私を、ちゃんと見て欲しいな」
「わかった。咲桜の姿。僕によく見せて」
ニコニコと明るく笑うその姿は、王子様と幸せに暮らすお姫様のようで、くるりとその場でまわるたびに、ふんわりと裾が広がる。
それは、いつか彼女とみた暗い海を優雅に漂う海月にそっくりだった。
「綺麗だよ。咲桜」
たとえこれが夢だとしても、僕は一生その姿を忘れない様に、瞳のシャッターを押した。
『世界一愛を知った僕』
【BADEND√】終──
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