最終話/海月【BADEND√】
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ぐるりと色んな所を見ていたら、カーテンの開く音がして、すぐに音がした方を見た。
僕は言葉を失った。
「ど…どうかな…?」
なんて言って耳を赤くして立っている咲桜は、穢のない真っ白なウエディングドレスに身を包んでいる。
それはとても幻想的で、例えるなら神々しい女神のようで、羽根が生えた天使のみたいに愛らしい。
「とってもお似合いですよ」
高い声で褒め称えるプランナー。
当たり前じゃないか。
似合わないわけないじゃないか。
だって、咲桜は。
僕の咲桜は…。
「ぅ…ぅ゛ぅ…ぁ」
嗚咽が止まらない。
「どうしたの?!順平君」
パタパタと傍に駆け寄ってきて、僕と同じ顔の高さのようになる様にひざまずいて、僕の顔を覗き込む咲桜の顔は、あの時の化け物なんかじゃなくて、黒曜石の様に美しい瞳に、白磁器みたいに真っ白で艷やかな肌、触れなくても柔らかいと解る唇。
ずっとずっと大好きで、愛おしい咲桜の顔。
「ぅぅ゛…咲桜。咲桜、ごめん。……ごめんなさい。君を守ってあげられなくて…」
「順平君」
「ごめん…ごめん……」
顔を手で隠しうなだれながら謝る僕に、咲桜は、僕の両腕を掴んで
「順平君………私を見て」
僕はゆっくりと両腕を膝の上において、咲桜の顔を見た。
彼女の真っ黒な瞳に僕の間抜けな顔が映る。
「順平君は私のこと守ってくれたよ。だって、私が化け物に変わった時、順平君悲しんでくれたよね…怒ってくれたよね。真人と戦ってくれたよね。私ちゃんと見てたよ…」
「あんなの。守った事にならないよ!」
わっと子どもみたいに泣きじゃくる僕の手を咲桜はギュッと握った。
柔らかくて、温かい。
それだけで騒がしい心が落ち着く。