最終話/海月【BADEND√】
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さて、どんな服で行くかと部屋で悩んでいたら、母さんがコーディネートしてくれた。
ジャケットにパンツ。
キレイめ系な服装に見を包んだ僕は玄関で靴を履く。
「行ってくるね」
「いってらっしゃい。…あ。ちょっと」
「何?母さん」
家を出ようとした僕を呼び止め「襟が曲がってる」と襟を直してくれた。
「はい。これでよし」
パンッ!と音からして強めに肩を叩かれた。
でも、夢だから痛くない。
不思議な感覚。
「ありがとう母さん」
「どういたしまして」
「じゃぁ…」
僕は玄関のドアに手を伸ばしたけど、その手を戻して、母さんに向き直った。
少し驚いた顔をする母さんの顔。
そんな母さんも気にせず、僕は言う。
「母さん………ありがとう…」
「どうしたの急に」
「いや。母さんのおかげでここまでこれたから……さ。母さんの、息子で良かったなって」
夢でもあっても、こういうことを言うのはなんだか恥ずかしい。
視線を下げて言ってると
「順平」
もう何年もこの声で呼ばれていない僕の名前。
母さんが考えてくれた僕の名前。
心地の良い声色に、僕は顔を上げた。
その先には、目を細めて微笑む母さんがいた。
その瞳は綺麗で、優しくて、暖かい…。
いつか見たあの
「私も、順平が私の息子で良かったっと思ってるよ。物分りもいいし……アイデンティティだってちゃんとしてる。順平ならどんな場所でも自分らしく輝けるよ」
「母さん…」
「咲桜ちゃんもそんな順平の事が好きなんだから、胸はっていきなさい」
「うん…うん。わかった母さん……じゃぁ行ってきます」
背後から聞こえる「行ってらっしゃい」と言う母さんの声を聞きながら、僕は扉を開けた。
眼の前が眩しい光でいっぱいになった─────。