第28話/慈愛の涙【HAPPYEND√】
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目を開けるとクリーム色の天井が目に飛び込んできた。
目だけをぐるりと動かし、どこかの部屋で寝ていたみたいだという事を理解する。
上半身をあげると、肌色の手が視界に入った。
自分の意志で掌を握ったり、広げたりできる。
僕の手だ。
顔を右に向けると、少し離れた壁に鏡がかけられていた。
ベッドから降りて、鏡の前に立つ。
鏡に映る顔は、紛れもない、僕の顔だ。
風が僕の髪を揺らした。
窓を見ると少しだけ空いていた。
風が吹くたびに白いカーテンがサラサラと揺れて、僕の頬を撫でる。
呼吸をすると肺いっぱいに青々しい木々の香りが広がる。
心地よいその感覚に、僕は確信した。
僕は、生きている。
「じゅん、ぺー………くん?」
僕の名を呼ぶ声に、胸が熱く、熱く燃えた。
振り向くとそこには、目に一杯の涙を溜めた咲桜が立っていた。