第27話/後悔の涙【HAPPYEND√】
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向かった場所は2階。
そこにはツギハギだらけの青い髪の人と、知らないピンクの髪の男の子。
それから頬に涙の跡を残している彼がいた。
どういう状況なのか理解できないでいると、ツギハギだらけの人が彼の肩に手を置いて、何かを呟いた。
瞬間、彼が紫の不気味な化け物に変形して、動かなくなった。
誰かに、彼を生き返らせてくれ。
と懇願するピンクの髪の男の子。
そしてそれを嘲笑う声。
あの化物はなに?
あのツギハギだらけの人は、彼に何をしたの?
ほんとに…。
彼だった?
もしかしたら見間違い?
でも確かに…。
気がつけば、この場所には私と『彼だったらしきモノ』だけになっていた。
私はゆっくりとした足取りでその傍に行く。
ピクリとも動かないそれ。
じっくりとそれをみる。
ブクブクに膨れた身体は紫色で、頭のところには髪の毛があって、左腕には…。
「ぁ…あぁ………」
いつだったか、彼とお揃いで買ったブレスレットがつけられている。
自分の右手首につけたブレスレットを無意識に触れていた。
その瞬間体全体の血の気が引いていって、立っていられなくなって、その場にへたれこんだ。
「じゅん…ぺい…君……」
私はそこで『彼だったらしきモノ』が、順平君であることを理解した。
「ねぇ…じゅんぺーくんってば……起きて」
私は順平君だったモノの体を揺さぶった。
ピクリとも動かない。
「ねぇ。なんで、どうしてまだお揃いのつけてるの?…私のこと、嫌いなんでしょう?…なのになんで付けてるの……ねぇ…答えてよ…ねぇってば!」
力いっぱいに体を動かしても、叩いても、反応しない。
呼吸の仕方を忘れて息ができなくなった。
順平君が、死んだ?
死ぬって何?
もう一生、会えないってこと?
もう一生、映画を一緒に見れないの?
空を一緒に眺めたりできないの?
あの丸い大きな瞳に私は映らないの?
あの心地のいい声で好きって言ってもらえないの?
抱きしめてもらえないの?
もう一生………。
眼の前の輪郭が大きく歪んだ。
冷たい涙が、頬を伝って、傷口に触れ、酷く傷んだ。
「ぁぁっ…じゅんぺーくんっ!」
私は順平君だったモノにしがみつく。
まだほんのり暖かいそれ。
「やだ!やだやだやだ!!行かないで!私を独りにしないで!…ねぇ!順平君っ。約束したよね!ずっと一緒って…っ!ねぇ!返事してよ!!ねぇ!」
私は声が枯れるまで泣き叫んだ。