第26話/傷口の悪化【HAPPYEND√】
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傷は、日に日に…。
耳の方へと伸びて行って、あの時と同じ大きさの傷になっていった。
前みたいに深い傷ではないから、話すことに困難さは感じられないけど、やっぱり痛い。
病院に行くことも考えたけれど、また注射されるのも怖いし、行けない。
だから、家にある鎮痛薬でどうにか持ちこたえてる感じ。
海外出張中の親から、出張期間が伸びたってさっき連絡があって、ちょっと寂しくなっちゃった。
心細いって言うのかな。
でも、この傷が親にばれない事にホッとした部分もあったり…。
色んな気持ちが入り混じってた。
何日かして、家にある鎮痛薬がなくなってしまった。
マスクをして、それから髪の毛で頬のガーゼを隠すようにして、私はドラッグストアまで足を伸ばした。
鎮痛剤を買って、帰り道を歩いていると、後ろから声をかけられた。
それは振り向かなくても解る、聞きたくない声。
伊藤翔太の声。
よりにもよって、彼に見つかるなんて……。
自分の運の悪さを恨みながら、無視を決め込んでいると、ガシッと肩を組まれた。