第23話/言靈
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放課後、咲桜と一緒に帰るはずだったのに、咲桜がトイレに行っている間に、伊藤と取り巻きに囲まれて校舎の裏に呼び出された。
どうやら今日の体育の時間、取り巻きの一人である『翼ちゃん』の胸を見ていた容疑をかけられてるみたいだ。
僕は彼女がいた事自体今知ったし、眼中にない。
咲桜の事で頭がいっぱいで、咲桜しか見てない。
頬をまた殴られた。
また咲桜が泣きそうな顔をするじゃないか。
僕はもう咲桜の泣きそうな顔を見たくないのに…。
「吉野ちゃーん。咲桜が居るのに、他の女手出そうとしてんの?」
伊藤がズボンのポケットに手を突っ込みながら、尻もちをついた僕を見下ろす。
この光景もなんだか見飽きた。
「僕が好きなのは、咲桜だけだ」
「きっしょ!てかさ。咲桜の首元のキスマお前がつけたの?」
「僕だ。自分の彼女につけて何が悪い」
脇腹と、下腹部に激痛が走る。
「咲桜とっ!付き合ってるからって!調子!乗り過ぎなんだよ!ムカつくんだよ!お前の!その!顔!見てると!」
「なら、見なきゃいいじゃないかっ」
「は?!?咲桜見てるとお前まで視界に入ってくんだよ!邪魔なんだよ!咲桜と別れろよ!別れろって!」
伊藤に蹴られながら、周りは「もっとやれ」と煽り、女子に至っては笑いながらスマホを僕にむける。
同じ女の子でも咲桜と翼ちゃんとではこうも違うのかと、痛みに耐えながらそんな事を考えた。