第23話/言靈
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体育の時間が終わり、制服に着替えて、私はいつもの仲のいい友達とお手洗いに行って、それから廊下でぺちゃくちゃ話していると、声をかけられた。
えーっと誰だっけ。
あぁ。
えーっと伊藤とよくつるんでる女の子…。
たしか
「翼ちゃん…だっけ……どうしたの?」
翼ちゃんの周りには数人の女の子が、ニヤニヤしてる。
「咲桜ちゃんさぁー?彼氏、いるんだよね?」
「うん…それが、どうかしたの?」
「だったらさ、翔太に色目使うのやめてくれない?」
「え?」
色目?
私が、伊藤に?
「アンタたち何言ってんの?!咲桜が色目なんて使うわけ無いでしょ!」
目を白黒させる私に、友達が反論してくれた。
だけど、翼ちゃん達はくすくす笑う。
「陰キャの彼氏じゃ満足できないんでしょ?」
「だって、ダッサいもん」
「いっつも映画雑誌見ててキモいよねー」
やめて。
ちがう……。
「片目だけで隠してて変なのー」
「変なこと考えてそうできもいー」
やめて。
順平君はそんなんじゃない。
「なんで前髪で隠しるんだろ!」
「めっちゃブスなんじゃない?!」
やめて。
やめて!!!!
「順平君の事悪く言わないで!!!!私は伊藤の事なんて何とも思ってない。むしろあんな下劣な人。人の事馬鹿にする貴女と凄くお似合いよ……どうぞお幸せにね。次授業あるし、それだけを言いに来たのなら私いくね。貴女も教室に戻ったほうがいいよ」
私のことを一番に考えてくれてて、大事にしてくれてる順平君を、なんにも知らない人に悪く言われなくない。
ただその一心で、思った言葉が、声となって外に出ていた。
教室に戻ると、友達がすっごく褒めてくれて、ちょっと照れくさい。
井川君と話す順平君を見つけたら、さっきまでのもやもやも、どっかに行っちゃった。
今日も順平君と一緒に帰ろう。