第22話/秘密共有
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順平君は美味しいケーキを食べてても、一緒にお気に入りの映画を見ててもどこか上の空だった。
どうしてだろう…。
体調が悪いのかな…。
私といるのあんまり楽しくないのかな…。
映画のエンドロールも終わり、静寂が私の部屋を包む。
「咲桜は…」
ベッドの縁に座る順平君の声が静かな部屋に響いた。
「咲桜は僕の『秘密』…知りたい?」
順平君の『秘密』…。
なんだろう…。
どんな『秘密』なんだろう…。
知りたい…。
知りたいけど
「私が知っていいの?」
順平君の左側に座って聞いた。
「『秘密』を共有する事で、二人だけの世界ができるって、さっきの本に書いてあった。もしそうなるなら、いいのかなって…」
あぁあの本。
あの本に書かれてることがホントなら…。
「…順平君が…私に教えるの、嫌じゃなければ…知りたい」
順平君の澄んだ瞳をじっと見つめると、順平君は右目に垂らした前髪に手をやって掻き上げた。
「これが…僕の『秘密』だよ」
そこには、前髪で隠されていた右おでこだけに、複数の丸い跡があった。
私は、その跡がなんの跡なのかわからなかった。