第20話/邪智暴虐
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授業が終わって昼休みになった時。
咲桜は授業の資料を届けに職員室に行く前に、僕にお弁当を預けて、先に屋上に行っててと言われた。
ちなみに今日のお弁当は僕の大好物である天津飯らしい。
楽しみだなぁ。
咲桜の料理は美味しいから…。
きっといいお嫁さんになるだろうなぁ。
あ、勿論相手は僕だよ。
屋上へ向かう途中、渡り廊下にいた伊藤に絡まれた。
取り巻きはいないみたいだ。
「吉野ちゃーん。どこ行くだよー。弁当なんて持って」
僕はこの呼ばれ方が嫌いだ。
「その呼び名で呼ばないでくれる?」
「いいじゃねぇか。硬いことゆうなよ。で、どこ行くんだよ。そこに咲桜いんだろ?連れてけよ」
「咲桜は…君に会いたくないと思うけど?」
僕は余計なことを言う癖があるらしい。
伊藤は、手にぐっと力を入れて肩に爪を立ててきた。
「お前の意見なんて聞いてねぇよ…」
「僕の意見じゃなくて…咲桜がそう言ってたんだ。彼女にこれ以上嫌われたくないのなら、そっとしておくのがいい」
「は?…」
伊藤の低い声が耳に木魂する。
軽く柱に押し当てられて、伊藤と向かい合わせの状態になる。
「お前さ。咲桜と付き合ってるからって──」
「ふたりとも!」
僕と伊藤、多分声の方を向くのは同時だったと思う。