第3話/台本完成
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「あ!ごめんね…無理させちゃった」
「いや……咲桜凄く…走るの速くて……びっくりしただけ」
呼吸を整えながら眉を下げて笑う順平君。
ホントは突然走らされて凄く辛いのに怒らないのね。
「上手くまけたし、どっかで休もうか!」
私達は少し歩いたところにある河川敷の階段に腰を降ろした。
夕日に照らされた川がキラキラと輝いてて、河川敷の広いところで野球をしてる少年の声と相まってすごく青春って感じがする。
私の左に座っている順平君の呼吸が落ち着き始めた頃、私は彼に目を向けた。
「ごめんね。順平君巻き込んじゃって」
「いや、僕のほうから関わりにいったから」
「それに無理もさせちゃって……部室にも行けなくて…」
「いいよいいよ。台本は持ってきたんだ」
ほら、と順平君は鞄から左上を黒く大きなクリップで止められた分厚い原稿用紙を取り出して、私に渡してくれた。
ずっしり重い原稿用紙と順平君とを交互に見る。
「え。わざわざ持ってきてくれたの?」
嗚呼、こんなに重いもの鞄に入れてたのね。
「なかなか部室に来ないから、また明日にでも見せようと思っててさ、帰り際に君が男子に絡まれてるの偶然見つけて、それで声掛けたんだ。嫌がってたみたいだし」
けどまさか全速力で走るとは思わなかったよ。
とはにかむ順平君に、私の顔はほんのちょっぴり紅くなった。
でも多分順平君には夕日で気づかれないよね。