第19話/鎌倉遠足
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「ごめんね…遅くなっちゃった」
「やっぱりその着物にしたのね!」
「うん…」
「ほらほら!愛しの彼にも見せなさい」
友人に囲まれる咲桜は、背中を押され僕の前にやってきた。
象牙色の生地に、赤や黄色の艶やかな椿に彩られた着物を身にまって、髪飾りをつけている。
「ど…どうかな…」
上目遣いで僕に聞いてくる彼女。
そりゃ、勿論。
「似合い過ぎだよ。すごく綺麗だよ。びっくりしちゃった」
恥ずかしくて、顔を少し手でおおいながら言うと、咲桜はへニャリと笑った。
あぁまた鼻血でそう…。
ヒューヒューと黄色い声を浴びせられながら、僕らのグループは食べ歩きを始めた。
人で賑わう通りを、2列になって歩くグループの1番後ろに、僕と咲桜はいる。
もうなんか、二人きりになりたい。
今すぐぎゅってしたい。
そんな欲と戦いながら咲桜や他の友人と話す。
少し歩くと、女子たちの意見で、クレープを食べることになった。
僕はチョコバナナ。
咲桜はいちごチョコホイップを頼んだ。
美味しそうに食べる咲桜を見ながらクレープを食べていると、彼女の目があった。
「順平君のそれ美味しい?」
「うん…美味しいよ」
「一口ちょーだい?」
僕の返事を待つ前に、咲桜は僕のクレープを食べた。
「え…あっ」
「順平君のも美味しい!…私のも一口食べてみて」
咲桜の食べかけのクレープ。
僕は咲桜の持ったクレープにかぶりついた。
「あー!順平君!食べすぎ!」
一口って言ったのにーとほっぺを膨らます咲桜が可愛くて…。
僕はニヤニヤしちゃう。
「ごめんごめん。僕のあげるから機嫌直して」
「え?ほんと?…嬉しい!!」
両手にクレープを持って食べてる君を見てるだけで、僕は幸せな気持ちになる。