バスの中はどこ行くとか、どう巡るとか、色んな話で、ガヤガヤしてて遠足って感じがしてる。

僕の隣の席は勿論咲桜。

窓側に咲桜が座って、通路側に僕が座ってる。

僕らの前の席には秋人と咲桜の友達が座ってる。　

隣にいる咲桜は、時折小さくあくびを噛み殺したりしてて、眠いのかなって思う。
　

「咲桜。大丈夫？」

「あ。うん。大丈夫…今日が楽しみでちょっと眠れなかっただけなの」


なにそれ、え？
　
可愛すぎる…。

僕は心の中で、咲桜の愛しさに悶絶した。


「ねっ、寝ててもいいよ。起こしてあげるから」

「ううん。大丈夫。それより何か映画の話しようよ？…」


ほんとは咲桜にちゃんと寝てほしかったけど、道中映画の話をした。