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僕には好きな人がいる。
その人は、僕がよく行くレンタルショップで働いていて、多分僕より年上のおねえさん…。
だと思う。
年齢とか、どこに住んでるのか、知らない。
ただ名字だけは名札に書いてあったから知ってる。
名代さんって言う、メガネをかけてて髪を一つに結んで、綺麗な顔立ちをして、落ち着いているおねぇさん。
今日も学校帰りレンタルショップに行くと、帰ってきたDVDを手際よく陳列棚に戻している名代さん。
最近は、DVDを借りにくるというよりも彼女の観察になってる。
さっきまで手際よくDVDを元の場所に戻していた名代さんの手が止まり「あれー。これこの辺じゃなかったっけぇ」って独り言を言いながらキョロキョロと顔を動かしてる。
持っているのは、僕が借りたいDVD。
これって声かけろっていう神様のなんかだよね。
「あの…そのDVD…」
「はい!なにかお探しですか?」
僕に向けられた笑顔。
たとえそれが営業スマイルだとしても嬉しくてクラクラする。
「あ。いや…その手に持たれてるDVD…借りたいんですが…」
「あぁ!こちらですか?…はい。どうぞ」
差し出されたDVDに触ったとき、彼女の指先に触れて、体温が1、2度あがった。
「いつも来てくださってありがとうございます。沢山新作映画がレンタル開始したのでゆっくりご覧くださいね」
「あ…はいッ…あっりが、とうございます。見てみます…ね!」
緊張して言葉がうまく出ない。
恥ずかしくなって、僕は慌てて新作映画のコーナーに向かった。
何個かDVDを選んでレジに出すとレジにいたのは名代さんだった。
「あ。今日はいいの見つかりました?」
「あっ…はっはいっ」
「それは良かったです」
目を細めて笑う名代さん。
僕の心臓がドンと跳ねる。
「返却日は今日から一週間後です」
レンタル専用袋にレシートとDVDを手際よく入れて、手渡される。
「いつもありがとうございます。また来てくださいね」
彼女の温かい声に若干ニヤつきながらレンタルショップを後にした。