最終話/世界一愛を知った僕【HAPPYEND√】
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カーテンから漏れる光に、順平は眉を寄せた。
目を開けると、ナイトテーブルに置かれた写真の自分と目があった。
結婚式の前撮りの写真や、高専のみんなと撮った結婚式当日の写真や、新婚旅行の写真。
どれもにこやかにこちらに微笑みかけている。
長い夢を見ていたようだ。
とても長い、昔の夢だった。
ぼんやりしていた脳が動き出した頃、キッチンからカチャカチャと音が聞こえ、香ばしい香りが鼻をくすぐった。
ふと隣を見ると、咲桜がいたはずの場所がもぬけの殻。
順平は一つ伸びをして、ベッドから起き上がり、朝の整容をしてから、キッチンに顔を出した。
そこには朝食の準備をしている咲桜がいた。
服を着ていてもわかるくらい、お腹が大きく膨らんでいる。
彼女のお腹には今、順平との新しい命が芽吹いている。
「おはよう咲桜」
順平が声をかけると、フライパンに視線を落としていた咲桜はその視線を順平に持っていった。
「あ。おはよう…順平君」
順平はダイニングテーブルの椅子にかけられたカーディガンを手に取って、それから咲桜の肩にかけた。
「今朝は寒いから、暖かくしておかないと……もう咲桜独りの体じゃないんだよ」
「ふふふ。そうだね。ありがとう…もうすぐ朝ごはんできるから、待ってて」
「僕も手伝うよ」
「ありがとう」