第28話/慈愛の涙【HAPPYEND√】
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真っ暗で何もない、目を閉じてるのか、開けているのかもわからないくらいの漆黒が広がっている。
どうやら、僕は死んでしまったらしい。
僕を肯定してくれた真人さんは、いい人じゃなかった。
悠仁と高専にも行けなくて…。
あぁ咲桜にも謝れなかった。
咲桜が体育館にいた時は、ビックリしちゃった。
今回のことに巻き込まれてなければいいんだけど…。
無音で真っ暗な中、突然、鈴を転がした声が遠くの方から小さく聞こえた。
僕はその声の主が誰か、すぐにわかった。
「咲桜?」
耳を澄ませて聞いてみると、僕の名前を呼んでるみたい。
僕は、声のする方へ脚を進めた。
徐々に声が、とぎれとぎれだけど、聞こえてくる。
『なん……嫌い…お揃い…付けて…なんで』
『やだ……ぃかないで…じゅん…くん』
咲桜が僕の為に、泣いてくれてる。
僕は、声のする方へ走った。
真っ暗な中、進んでるのか、進んでないのかわからないけど、ただ一心不乱に声のする方へ走った。
「咲桜っ!…咲桜っ!」
『独りに…ないで……ごめん……』
あぁ咲桜。
僕の方こそ、君のことが大好きなのに、嫌いだなんて言って…。
ごめんね。
僕は君のことが好きなんだ。
「咲桜っ!はぁ…っ咲桜っ」
心臓がバクバクする。
苦しい。
でも、足を止めなかった。
咲桜に会いたい。
その一心で僕はもつれそうになる足を懸命に動かした。
『順平君だけは私から奪わないで…お願いっ』
声が、大きくなって明瞭に聞こえたとき、突如視界が真っ白になった。