第26話/傷口の悪化【HAPPYEND√】
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頬に感じた激痛で、私は早朝目が醒めた。
頬に指を置いて見ると、真っ赤に染まった指が目に入って、慌てて姿見の前に立った。
「なっ!…なんで………」
姿見には、引っ掻き傷程度だった頬傷が、左口角から頬の中心まで刃物でスッと切られた様な傷に変わっていた。
もう一度、恐る恐る指で触れてみる。
「ぃッッッぁ…」
痛い…。
私は、急いでリビングに降りて、救急箱からガーゼとテープをとりだして、手鏡を見ながら傷口に貼った。
「どうして…?治ってたのに…」
鏡の自分に向かっても、その答えは返ってなんかこない。
順平君とあんなことになって、次はこれ?
ひどいよ、こんなの。
「ひどすぎるよ…」
ポタポタとぬるい涙が頬を流れるたび、ピリピリと傷口が痛む。
それは、まるで心の痛みを表質させているみたいだった。