傷跡
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「結局…スノウちゃんはまた眠らなかったのか?」
朝、局長室にて
近藤は眉をタレ下げ、困ったような心配そうな表情を浮かべながら溜め息を溢した。
「それで…今スノウちゃんは?」
次いで
ここに姿を現さない少女の様子をうかがう。
「今は押し入れに布団ごと閉じ籠ってるよ」
その問いかけに土方も溜め息混じりに言った。
「そうか…」
少女がここに来てから数日
昼間は今のように押し入れに籠り、夜は庭を彷徨くか部屋の隅で膝を抱えたまま微動だにしない。
せめて押し入れの中にいる間だけでも睡眠補給をしているのであれば
まだいいが、そんな様子も見受けられない。
閉じ籠っている間でさえ
少女は膝を抱えて 何をするでもなくただじっとしているだけなのだ。
更に言うと
用意した食事も全く手をつけない。
かれこれ四日目…なのにも関わらず
腹を空かせている様子も眠たげな表情も見たことはない。
と、言うよりも
表情をまるで変えないのだ
何を言っても眉一つ ピクリとも動かしはしないのだから
何を考えているのか読めない。
あの日から話した言葉といえば「名前は?」という近藤の問いかけにたいして『スノウ・・・』と答えたことだけ
それからはまともに声も聞いていない。
唯一わかることは風呂が好きなのか
傷に構うことなく湯浴みを行っている…が
彼女が入った後のシャワーは一般人からすると冷たいくらいに温度が下げられている。
あれだけ肌寒い環境の中に居り
陽射しを浴びることも無かったのだろう
昼間、眩しそうにしていることから熱いのを嫌うのかもしれない。
そこまで思って
少し話しの露点からずれていることに気づき
思考をやめるとくわえていた煙草を唇から離し
煙を吐き出しながら言葉を紡いだ。
「で、この先どうするつもりなんだ?」
土方がずっと気になっていたことだった。
とりあえずはあの場から少女を連れ出すために"保護"と言う形でその身柄を預かっている。
しかし、少女は大量の人間を殺した 云わば犯罪者だ。
たとえ恨みがあろうと 相手が攘夷浪士であろうと
警察関係者以外の者がその罪を裁くことなど許されない。
なにより少女は天人だ。
例え少女の性格が良かったとしても
ここには天人だ と言うだけで不快に思う者もいるだろう。
いつまでもそんな少女を
このまま、曖昧な状態でここに置いておくわけにはいかない
処分するなり牢屋にぶちこむなりすべきだ
と言うのが土方の考えだった。
「あぁ そのことなんだがな」
しかし近藤から返ってきた返事は思わぬものだった。
朝、局長室にて
近藤は眉をタレ下げ、困ったような心配そうな表情を浮かべながら溜め息を溢した。
「それで…今スノウちゃんは?」
次いで
ここに姿を現さない少女の様子をうかがう。
「今は押し入れに布団ごと閉じ籠ってるよ」
その問いかけに土方も溜め息混じりに言った。
「そうか…」
少女がここに来てから数日
昼間は今のように押し入れに籠り、夜は庭を彷徨くか部屋の隅で膝を抱えたまま微動だにしない。
せめて押し入れの中にいる間だけでも睡眠補給をしているのであれば
まだいいが、そんな様子も見受けられない。
閉じ籠っている間でさえ
少女は膝を抱えて 何をするでもなくただじっとしているだけなのだ。
更に言うと
用意した食事も全く手をつけない。
かれこれ四日目…なのにも関わらず
腹を空かせている様子も眠たげな表情も見たことはない。
と、言うよりも
表情をまるで変えないのだ
何を言っても眉一つ ピクリとも動かしはしないのだから
何を考えているのか読めない。
あの日から話した言葉といえば「名前は?」という近藤の問いかけにたいして『スノウ・・・』と答えたことだけ
それからはまともに声も聞いていない。
唯一わかることは風呂が好きなのか
傷に構うことなく湯浴みを行っている…が
彼女が入った後のシャワーは一般人からすると冷たいくらいに温度が下げられている。
あれだけ肌寒い環境の中に居り
陽射しを浴びることも無かったのだろう
昼間、眩しそうにしていることから熱いのを嫌うのかもしれない。
そこまで思って
少し話しの露点からずれていることに気づき
思考をやめるとくわえていた煙草を唇から離し
煙を吐き出しながら言葉を紡いだ。
「で、この先どうするつもりなんだ?」
土方がずっと気になっていたことだった。
とりあえずはあの場から少女を連れ出すために"保護"と言う形でその身柄を預かっている。
しかし、少女は大量の人間を殺した 云わば犯罪者だ。
たとえ恨みがあろうと 相手が攘夷浪士であろうと
警察関係者以外の者がその罪を裁くことなど許されない。
なにより少女は天人だ。
例え少女の性格が良かったとしても
ここには天人だ と言うだけで不快に思う者もいるだろう。
いつまでもそんな少女を
このまま、曖昧な状態でここに置いておくわけにはいかない
処分するなり牢屋にぶちこむなりすべきだ
と言うのが土方の考えだった。
「あぁ そのことなんだがな」
しかし近藤から返ってきた返事は思わぬものだった。