打ちつける雨
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――――――出会い――――――
「一人残らず討ち取れぇー!!」
廃墟と化したビルの中。
真選組、鬼の副長と謳われる土方十四郎の声が大きく響き その部下たちは、ワーっと勢いよく刀を振りかざして建物の中に乗り込んだ。
「引くな!奴らを地下に入れるんじゃねぇ!!」
それに臆することなく反撃するのは ここ数ヵ月
この建物をアジトとし、反乱を目論んでいたと思われる攘夷浪士達。
その数は明らかに真選組 隊士の数より多い。
しかし、それに怯むことなく先陣切って行くのは 18歳という若くして
その剣技は真選組1と謳われる一番隊隊長 沖田総悟。
そして それに続く 真選組局長の近藤勲と副長の土方十四郎。
彼らの勇ましい姿を見て ついてこない隊士などいようものか…
刀と刀がぶつかる音と男達の怒号が響く建物の中はまるで、小さな戦場と化していた。
ドカッ―
近藤が一人の男を刀では斬らずに殴った。
誰よりも体格良い近藤が放った拳だ。
殴られた男は平気でいられるはずもなく、その視界はぐらりと揺れて倒れそうになる。
が、それすらも叶わず倒れる寸前で誰かに着物の襟元つかまれては、首が絞まり「ぐっ」と情けない声を上げた。
否、男には誰か…なんて確認せずともわかる。
朦朧とする意識の中、なんとか顔を上げれば思ったとおり…キリッと引き締められた近藤の顔がそこにはあった。
「中、案内してもらおうか」
有無を言わせないその強い眼差しと口調に
男は逆らえるわけもなく、近藤に引きずられることとなる。
どうやらあの場でのリーダーは近藤に引きずられている男だったようで
あれからすんなりと浪士達を鎮圧することができた。
が、仕事はそれだけで終わるはずもない。
近藤、土方、沖田は男に案内され地下へと続く長い長い階段を下りて行った。
――ここにコイツ等、攘夷浪士達が隠していた何かがある…
それは、爆弾なのか 麻薬なのか 武器なのか
それとも戦闘兵器なのか…
どちらにしても近藤たちにとって脅威にはかわりがないが…
心なしか降りるたびに辺りの温度が下がってきているような気がして
ゾクリと背筋を冷気のようなものが通り抜けては肌が泡立つ。
一体何があると言うのか
未だ終わりの見えない
暗い、暗い階段の向こう側から
禍禍しい雰囲気が漂ってくるのを感じて
近藤はこの先にあるものを想像してはゴクリと固唾を呑みこんだ。
どれくらい降りただろうか…
完全に地上の音が聞こえなくなった頃やっと下り終えた階段。
そこはあまりに寒く
吐き出した息が白く染まるほど。
まるで真冬のような、、、あるいは巨大な冷凍庫の中のような異常な気温。
しかしそれ以上に異常なものがそこにはあった。
それを見た近藤は…いや土方や、何事にも動じなかった沖田ですら目を見張った。
それは……
広く暗い地下室の
一部だけにあてられたスポットライト。
その中心に身体中のあちらこちらを刀で滅多刺しにされ、その身の丈ほどある長く
暗がりの中でも煌めいて見える銀色の髪を地面に広げて伏せる小さな少女の姿。
その細い四体には似つかわしくない太い鎖。
身に纏っていた服はズタズタに引き裂かれ、真っ白すぎる肌には無数の切り傷や打撲痕。
年は沖田と同じか…
それより下くらいの若い娘で
明らかにその傷の数と深さ、地面に広がる出血量は致死量に達している。
一目見れば誰だって思うだろう
――少女は死んでいる――
と…。
「やったか…?」
少女を取り囲んでいた男たちの中の一人が呟いた。
そう…小さく呟いただけのはずなのに
その声は近藤達の耳に届くほどに当たりはシン―と不気味に静まり返っていた。
近藤に引きずられていた男はそれを確認すると、ニヒルな笑みを浮かべた。
それはさも少女が死した事を喜んでいるかのように…
「アイツはなァ…数年前俺たちに連れてこられてな
俺たちのために働いてくれたんだ」
歪みきった笑顔。
聞いてもいないのに勝手に語りだす男に視線を向けようにも、その瞳は未だ地にひれ伏す少女を捕らえて離さない。
一体男が何を言っているのか理解ができず、ただただ男の声に耳を傾けることしかできなかった。
「哀れな餓鬼よ…あそこに張り付けにされてる女がいるだろ?」
そう言って男は顎をしゃくった。
それにつられるように男の視線の先を辿ってみる。
倒れている少女の傍ら
木材が十字架の型に組まれ其に一人の女性が貼り付けにされていた。
胸を刀で一突きにされて・・・。
女性の世間離れした美しい容姿とその姿は
神への生け贄として捧げられた乙女を思わせる。
「一人残らず討ち取れぇー!!」
廃墟と化したビルの中。
真選組、鬼の副長と謳われる土方十四郎の声が大きく響き その部下たちは、ワーっと勢いよく刀を振りかざして建物の中に乗り込んだ。
「引くな!奴らを地下に入れるんじゃねぇ!!」
それに臆することなく反撃するのは ここ数ヵ月
この建物をアジトとし、反乱を目論んでいたと思われる攘夷浪士達。
その数は明らかに真選組 隊士の数より多い。
しかし、それに怯むことなく先陣切って行くのは 18歳という若くして
その剣技は真選組1と謳われる一番隊隊長 沖田総悟。
そして それに続く 真選組局長の近藤勲と副長の土方十四郎。
彼らの勇ましい姿を見て ついてこない隊士などいようものか…
刀と刀がぶつかる音と男達の怒号が響く建物の中はまるで、小さな戦場と化していた。
ドカッ―
近藤が一人の男を刀では斬らずに殴った。
誰よりも体格良い近藤が放った拳だ。
殴られた男は平気でいられるはずもなく、その視界はぐらりと揺れて倒れそうになる。
が、それすらも叶わず倒れる寸前で誰かに着物の襟元つかまれては、首が絞まり「ぐっ」と情けない声を上げた。
否、男には誰か…なんて確認せずともわかる。
朦朧とする意識の中、なんとか顔を上げれば思ったとおり…キリッと引き締められた近藤の顔がそこにはあった。
「中、案内してもらおうか」
有無を言わせないその強い眼差しと口調に
男は逆らえるわけもなく、近藤に引きずられることとなる。
どうやらあの場でのリーダーは近藤に引きずられている男だったようで
あれからすんなりと浪士達を鎮圧することができた。
が、仕事はそれだけで終わるはずもない。
近藤、土方、沖田は男に案内され地下へと続く長い長い階段を下りて行った。
――ここにコイツ等、攘夷浪士達が隠していた何かがある…
それは、爆弾なのか 麻薬なのか 武器なのか
それとも戦闘兵器なのか…
どちらにしても近藤たちにとって脅威にはかわりがないが…
心なしか降りるたびに辺りの温度が下がってきているような気がして
ゾクリと背筋を冷気のようなものが通り抜けては肌が泡立つ。
一体何があると言うのか
未だ終わりの見えない
暗い、暗い階段の向こう側から
禍禍しい雰囲気が漂ってくるのを感じて
近藤はこの先にあるものを想像してはゴクリと固唾を呑みこんだ。
どれくらい降りただろうか…
完全に地上の音が聞こえなくなった頃やっと下り終えた階段。
そこはあまりに寒く
吐き出した息が白く染まるほど。
まるで真冬のような、、、あるいは巨大な冷凍庫の中のような異常な気温。
しかしそれ以上に異常なものがそこにはあった。
それを見た近藤は…いや土方や、何事にも動じなかった沖田ですら目を見張った。
それは……
広く暗い地下室の
一部だけにあてられたスポットライト。
その中心に身体中のあちらこちらを刀で滅多刺しにされ、その身の丈ほどある長く
暗がりの中でも煌めいて見える銀色の髪を地面に広げて伏せる小さな少女の姿。
その細い四体には似つかわしくない太い鎖。
身に纏っていた服はズタズタに引き裂かれ、真っ白すぎる肌には無数の切り傷や打撲痕。
年は沖田と同じか…
それより下くらいの若い娘で
明らかにその傷の数と深さ、地面に広がる出血量は致死量に達している。
一目見れば誰だって思うだろう
――少女は死んでいる――
と…。
「やったか…?」
少女を取り囲んでいた男たちの中の一人が呟いた。
そう…小さく呟いただけのはずなのに
その声は近藤達の耳に届くほどに当たりはシン―と不気味に静まり返っていた。
近藤に引きずられていた男はそれを確認すると、ニヒルな笑みを浮かべた。
それはさも少女が死した事を喜んでいるかのように…
「アイツはなァ…数年前俺たちに連れてこられてな
俺たちのために働いてくれたんだ」
歪みきった笑顔。
聞いてもいないのに勝手に語りだす男に視線を向けようにも、その瞳は未だ地にひれ伏す少女を捕らえて離さない。
一体男が何を言っているのか理解ができず、ただただ男の声に耳を傾けることしかできなかった。
「哀れな餓鬼よ…あそこに張り付けにされてる女がいるだろ?」
そう言って男は顎をしゃくった。
それにつられるように男の視線の先を辿ってみる。
倒れている少女の傍ら
木材が十字架の型に組まれ其に一人の女性が貼り付けにされていた。
胸を刀で一突きにされて・・・。
女性の世間離れした美しい容姿とその姿は
神への生け贄として捧げられた乙女を思わせる。