相容れない
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「わりぃ・・・」
そんなとき
ただ一言だけ、沖田の声が響く。
スノウは思わぬ言葉にピタリと動きを止めた。
聞き間違いか?とも思った。
おそるおそる顔を上げて沖田を見る。
そこにはいつもの感情の読めない中性的な顔があった。
やはり気のせいなのだろうか
そう思いながら宝石のような瞳をクルクルとさせてじっと見つめていると
突然手が伸びてきて
驚きに瞼を閉じればその瞳に蓄えていた雫が頬を伝い落ちた。
その手はその雫を乱暴に拭うように
少女の頬をこすった。
「もう言わねぇ
いじめたりもしねぇでさぁ」
そして、淡々と放たれた言葉に驚いてまた瞼を開く。
どれだけ眺めてみてもその端麗な顔が表情を変えることはなかったが
それなりに気遣ってくれていることはわかった。
そこまでしてスノウもやっと唇を開いて
『ほんとう・・・?』
あらためて確認するように小首をかしげた。
伏せた白い睫毛が瞳と頬に影を落とす。
沖田が短く返事をしてうなずくのを見て
『ほんとに?』
やっと、少女の表情がふわりと綻んだ。
それは今までに見たことないほど無邪気なものだった。
初めて見る微笑みだったかもしれない。
正確な年齢はわからないが年相応とも言える表情に沖田の中でストンと何かが腑に落ちたような感覚がした。
きっと自分はこの表情が見たかったのかもしれない。と
はじめはどんなものでもよかった。
ただ、あの張り付けたようなスノウの表情が何かに変わればと・・・
ただそれが見たくて好奇心ゆえに色々と遠回りをしたが
不機嫌そうな顔も悲しげな表情も
どれを見てもいまいちピンと来なくて
やっと今、何かが満たされたようなそんな気がして・・・。
そんな彼の胸中を知る由もない少女はゴシゴシと自ら瞼をこする。
すっかり引っ込んだ涙の跡を消すようにしてあまりに強くこするものだから
見かねた沖田がその少女の細い手首を掴んだ。
少女がパチパチと瞬きをして沖田を見やる中
「そんなに擦ると腫れるぜぃ」
まるで手を引くように
「出てきなせぇ
傷の手当もあるし
近藤さんや土方の野郎も心配してる」
いつものように淡々と言った。
しかし、その彼の手があまりに優しかったものだから
やはり彼の中で何か変わったのだと思えて
スノウは抗うことなくコクリと小さく頷いて
キュッと軽く沖田の手を握り返して押し入れから出てきた。
まさか手を握り返しされるとは思ってなかったのか
沖田はやや驚いたような表情を浮かべるものの
すぐさまいつもの様子に戻って
そのまま二人は先程揃って説教をされていた部屋へと戻った。
そんなとき
ただ一言だけ、沖田の声が響く。
スノウは思わぬ言葉にピタリと動きを止めた。
聞き間違いか?とも思った。
おそるおそる顔を上げて沖田を見る。
そこにはいつもの感情の読めない中性的な顔があった。
やはり気のせいなのだろうか
そう思いながら宝石のような瞳をクルクルとさせてじっと見つめていると
突然手が伸びてきて
驚きに瞼を閉じればその瞳に蓄えていた雫が頬を伝い落ちた。
その手はその雫を乱暴に拭うように
少女の頬をこすった。
「もう言わねぇ
いじめたりもしねぇでさぁ」
そして、淡々と放たれた言葉に驚いてまた瞼を開く。
どれだけ眺めてみてもその端麗な顔が表情を変えることはなかったが
それなりに気遣ってくれていることはわかった。
そこまでしてスノウもやっと唇を開いて
『ほんとう・・・?』
あらためて確認するように小首をかしげた。
伏せた白い睫毛が瞳と頬に影を落とす。
沖田が短く返事をしてうなずくのを見て
『ほんとに?』
やっと、少女の表情がふわりと綻んだ。
それは今までに見たことないほど無邪気なものだった。
初めて見る微笑みだったかもしれない。
正確な年齢はわからないが年相応とも言える表情に沖田の中でストンと何かが腑に落ちたような感覚がした。
きっと自分はこの表情が見たかったのかもしれない。と
はじめはどんなものでもよかった。
ただ、あの張り付けたようなスノウの表情が何かに変わればと・・・
ただそれが見たくて好奇心ゆえに色々と遠回りをしたが
不機嫌そうな顔も悲しげな表情も
どれを見てもいまいちピンと来なくて
やっと今、何かが満たされたようなそんな気がして・・・。
そんな彼の胸中を知る由もない少女はゴシゴシと自ら瞼をこする。
すっかり引っ込んだ涙の跡を消すようにしてあまりに強くこするものだから
見かねた沖田がその少女の細い手首を掴んだ。
少女がパチパチと瞬きをして沖田を見やる中
「そんなに擦ると腫れるぜぃ」
まるで手を引くように
「出てきなせぇ
傷の手当もあるし
近藤さんや土方の野郎も心配してる」
いつものように淡々と言った。
しかし、その彼の手があまりに優しかったものだから
やはり彼の中で何か変わったのだと思えて
スノウは抗うことなくコクリと小さく頷いて
キュッと軽く沖田の手を握り返して押し入れから出てきた。
まさか手を握り返しされるとは思ってなかったのか
沖田はやや驚いたような表情を浮かべるものの
すぐさまいつもの様子に戻って
そのまま二人は先程揃って説教をされていた部屋へと戻った。