相容れない
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スノウはもう一度部屋を見る。
モクモクと煙幕が上がる出入り口の奥 うっすら浮かぶ人影を見つめていれば咳き込みながら現れたのは土方。
着ていた着流しはズタボロになり、毛質の硬い髪は焦げて縮れている。
その姿から、バズーカの威力がとてつもなく強いことがうかがえる。
よく無事でいられるものだ…。
滅多に表情を崩すことのないスノウでもさすがにコレには戸惑う。
「総悟ォ…てめぇ……」
低く唸るように絞り出された声に、いつにも増して開かれた瞳孔。
土方は明らかに怒っていた。
しかし沖田はそんな事を気にする様子は無く、寧ろニヤリとしてやったりな笑みを浮かべていた。
その態度が更に土方の怒りを煽ることになるのを知っていながら…
「待ぁてゴラァ!!!」
そして突如始まった二人の追いかけっこ。
その一部始終を見ていたスノウはただ二人が去っていった方を見つめるしかなかった。
と、その時ふと頭の中に浮かんだ疑問。
『(部屋…どーするんだろ?)』
その疑問を解決する者は誰もいない……。
昼前、本来なら土方と共に巡回に行っているはずの時間帯。
しかし、その土方は未だに追いかけっこを続けていた。
頓所内に響き渡る土方の怒号と
バタバタと廊下を駆け回る地響き。
一人で行こうかと考えてはみたが、まだあまりルートを覚えていないスノウは100パーセント帰ってこれなくなる。
何より単独行動はまだ許可されていない。
とにかくスノウは土方の指示がなければ何をすれば良いのかすらわからないのだ。
かと言って今
誰もが怯え、避けるほどに恐ろしい形相を浮かべる彼に話しかける隙も無い。
――どうしたものか…
唇に人差し指を添えて考えていると、
遠退いたはずの地響きが近づいてくるのを感じて
彼らが去っていったはずの方向を見遣れば
通り過ぎたはずの沖田と土方が帰ってきた。
もう何周目かもわからない。
それくらい長い時間
二人は鬼ごっこを続けている。
確かに土方の怒りはごもっともだ。
しかし、いつまでもこうしているわけにはいかない。
――次こそは…
話しかけてみようと二人の前に立ちはだかると、先にスノウの元へ辿りついた沖田がヒラリと少女をかわし彼女の背後に立った。
障害物が消え嫌でも目に入るのは、鬼の形相の土方。
ーーやっぱり無理だ
あまりの形相に怯んだスノウは巻き込まれまいと廊下の隅に避けようと足に力を入れた瞬間
背後からグンッと引っ張られる感覚と次いで襲う浮遊感。
そしてスノウが現状を理解する前に訪れた衝撃に思わず目を閉じる。
「うおっ!?」
頭上から降ってくる驚いたような声と、何かにぶつかったような衝撃
そして人肌の温もりに閉じていた瞼をそっと開いてみると少女は土方の胡座の上でうつ伏せになっていた。
「コラ総悟ォォ!!!」
怒鳴る土方の声が間近で響き、ビリビリと鼓膜を刺激する。
沖田の方を見てみればニタニタと笑う姿がそこにはあった。
沖田は傍にいたスノウの襟元を掴み上げるとそのまま土方に向かって投げつけたのだ。
それを確認した土方は慌てて動かしていた足を止め飛んでくるスノウを受け止めた。
が、思ったよりも勢いづいていて足に踏ん張りが利かずに尻餅をつき
現在の状態にいたったのだ。
べー、と舌を出し走り去る沖田。
土方は逃がすまいと
いまだ胡座の上でうつ伏せでいるスノウの襟元を掴み上げると床に座らせ、また追いかけようとした…がスノウは咄嗟に土方の服を掴んでそれを制止た。
「なんだっ!?」
苛立ちを浮かべる土方に一瞬臆しそうになりながらも強く服を握る。
『巡回…まだ?』
困ったように眉を下げる少女を見てやっと思い出したのか、土方は「あ」と声を漏らすのだった。
モクモクと煙幕が上がる出入り口の奥 うっすら浮かぶ人影を見つめていれば咳き込みながら現れたのは土方。
着ていた着流しはズタボロになり、毛質の硬い髪は焦げて縮れている。
その姿から、バズーカの威力がとてつもなく強いことがうかがえる。
よく無事でいられるものだ…。
滅多に表情を崩すことのないスノウでもさすがにコレには戸惑う。
「総悟ォ…てめぇ……」
低く唸るように絞り出された声に、いつにも増して開かれた瞳孔。
土方は明らかに怒っていた。
しかし沖田はそんな事を気にする様子は無く、寧ろニヤリとしてやったりな笑みを浮かべていた。
その態度が更に土方の怒りを煽ることになるのを知っていながら…
「待ぁてゴラァ!!!」
そして突如始まった二人の追いかけっこ。
その一部始終を見ていたスノウはただ二人が去っていった方を見つめるしかなかった。
と、その時ふと頭の中に浮かんだ疑問。
『(部屋…どーするんだろ?)』
その疑問を解決する者は誰もいない……。
昼前、本来なら土方と共に巡回に行っているはずの時間帯。
しかし、その土方は未だに追いかけっこを続けていた。
頓所内に響き渡る土方の怒号と
バタバタと廊下を駆け回る地響き。
一人で行こうかと考えてはみたが、まだあまりルートを覚えていないスノウは100パーセント帰ってこれなくなる。
何より単独行動はまだ許可されていない。
とにかくスノウは土方の指示がなければ何をすれば良いのかすらわからないのだ。
かと言って今
誰もが怯え、避けるほどに恐ろしい形相を浮かべる彼に話しかける隙も無い。
――どうしたものか…
唇に人差し指を添えて考えていると、
遠退いたはずの地響きが近づいてくるのを感じて
彼らが去っていったはずの方向を見遣れば
通り過ぎたはずの沖田と土方が帰ってきた。
もう何周目かもわからない。
それくらい長い時間
二人は鬼ごっこを続けている。
確かに土方の怒りはごもっともだ。
しかし、いつまでもこうしているわけにはいかない。
――次こそは…
話しかけてみようと二人の前に立ちはだかると、先にスノウの元へ辿りついた沖田がヒラリと少女をかわし彼女の背後に立った。
障害物が消え嫌でも目に入るのは、鬼の形相の土方。
ーーやっぱり無理だ
あまりの形相に怯んだスノウは巻き込まれまいと廊下の隅に避けようと足に力を入れた瞬間
背後からグンッと引っ張られる感覚と次いで襲う浮遊感。
そしてスノウが現状を理解する前に訪れた衝撃に思わず目を閉じる。
「うおっ!?」
頭上から降ってくる驚いたような声と、何かにぶつかったような衝撃
そして人肌の温もりに閉じていた瞼をそっと開いてみると少女は土方の胡座の上でうつ伏せになっていた。
「コラ総悟ォォ!!!」
怒鳴る土方の声が間近で響き、ビリビリと鼓膜を刺激する。
沖田の方を見てみればニタニタと笑う姿がそこにはあった。
沖田は傍にいたスノウの襟元を掴み上げるとそのまま土方に向かって投げつけたのだ。
それを確認した土方は慌てて動かしていた足を止め飛んでくるスノウを受け止めた。
が、思ったよりも勢いづいていて足に踏ん張りが利かずに尻餅をつき
現在の状態にいたったのだ。
べー、と舌を出し走り去る沖田。
土方は逃がすまいと
いまだ胡座の上でうつ伏せでいるスノウの襟元を掴み上げると床に座らせ、また追いかけようとした…がスノウは咄嗟に土方の服を掴んでそれを制止た。
「なんだっ!?」
苛立ちを浮かべる土方に一瞬臆しそうになりながらも強く服を握る。
『巡回…まだ?』
困ったように眉を下げる少女を見てやっと思い出したのか、土方は「あ」と声を漏らすのだった。